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【二次方程式】二次方程式の利用(文章題の基本)【alg-quad-eq-011】【必須】

二次方程式は解けるのに、文章題になった途端に手が止まる。そんな経験はないだろうか。

「どこから式を作ればいいのかわからない」「何をxにすればいいのか迷う」「立てた式が正しいか自信がない」——このような悩みを持つ人は非常に多い。

実は、文章題が解けない原因は計算力ではなく、「式を立てる手順」を知らないだけである。この記事では、文章題を解くための3ステップを、具体例とともに徹底解説する。読み終わるころには、どんな文章題でも迷わず式を立てられるようになっているはずである。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

そもそも「二次方程式の利用」とは?

二次方程式の利用りようとは、日常の場面や図形の問題を、二次方程式を使って解くことである。

利用りようとは、学んだ計算技術を実際の問題に「使う」ことを意味する。つまり、文章を読んで、自分で式を作り、解くという一連の流れが求められる。

例えば、次のような問題が「二次方程式の利用」である。

$$\text{「連続する2つの正の整数があり、それらの積が72になる。この2つの整数を求めよ。」}$$

この問題を解くには、次の3つの力が必要である。

  1. 立式りっしき:文章から式を作る力
  2. 計算:二次方程式を解く力
  3. 吟味:答えが問題に合っているか確認する力

このうち、最も多くの人がつまずくのは①の立式である。計算自体は因数分解や解の公式でできるが、式を立てる段階で手が止まってしまう。

文章題を解く3ステップ

文章題は、次の3ステップで必ず解ける。

1
何をxとするか決める
求めたいもの、または基準になるものを $x$ とおく。
2
関係を式にする
「積が○○」「和が○○」などの条件を、$x$ を使った等式で表す。
3
解いて吟味する
方程式を解き、出てきた答えが問題の条件に合うか確認する。

吟味ぎんみとは、答えが問題の条件を満たしているか確認することである。例えば「正の整数」を求める問題で負の数が出たら、その答えは不適切となる。

ステップを図で理解する

文章題を解く流れを、アニメーションで確認しよう。

この流れを頭に入れておけば、どんな文章題でも迷わず取り組める。

例題1:連続する整数の問題

最も基本的なパターンである「連続する整数」の問題を解いてみよう。

$$\textbf{問題}\text{ 連続する2つの正の整数があり、それらの積が72である。この2つの整数を求めよ。}$$

Step 1:xを決める

「連続する2つの正の整数」とあるから、小さい方を $x$ とおく。

連続する整数とは、1, 2, 3 や 7, 8, 9 のように、1ずつ増える整数のことである。

小さい方が $x$ なら、大きい方は $x + 1$ と表せる。

$$\begin{aligned} &\text{小さい方の整数} = x \\[5pt] &\text{大きい方の整数} = x + 1 \end{aligned}$$

Step 2:式を立てる

「積が72」という条件を式にする。

$$x(x + 1) = 72$$

左辺を展開して整理する。

$$\begin{aligned} x^2 + x &= 72 \\[5pt] x^2 + x – 72 &= 0 \end{aligned}$$

Step 3:解いて吟味する

二次方程式 $x^2 + x – 72 = 0$ を因数分解いんすうぶんかいで解く。

$-72 = (-8) \times 9$ で、$-8 + 9 = 1$ となるから、$(x – 8)(x + 9)$ と因数分解できる。

$$\begin{aligned} x^2 + x – 72 &= 0 \\[5pt] (x – 8)(x + 9) &= 0 \\[5pt] x = 8 \quad &\text{または} \quad x = -9 \end{aligned}$$

吟味:問題では「正の整数」を求めているから、$x = -9$ は不適切。

$x = 8$ のとき、$x + 1 = 9$ であり、確かに $8 \times 9 = 72$ となる。

$$\textbf{答え}\quad 8 \text{ と } 9$$

例題2:面積の問題

図形の面積を求める問題も、同じ3ステップで解ける。

$$\textbf{問題}\text{ 縦が横より3cm短い長方形がある。この長方形の面積が40cm²のとき、縦と横の長さを求めよ。}$$

Step 1:xを決める

横の長さを $x$ cm とおく。「縦が横より3cm短い」から、縦は $(x – 3)$ cm と表せる。

$$\begin{aligned} &\text{横の長さ} = x \text{ cm} \\[5pt] &\text{縦の長さ} = (x – 3) \text{ cm} \end{aligned}$$

Step 2:式を立てる

長方形の面積は「縦 × 横」である。面積が40cm²だから、

$$x(x – 3) = 40$$

展開して整理する。

$$\begin{aligned} x^2 – 3x &= 40 \\[5pt] x^2 – 3x – 40 &= 0 \end{aligned}$$

Step 3:解いて吟味する

因数分解で解く。

$-40 = (-8) \times 5$ で、$-8 + 5 = -3$ となるから、$(x – 8)(x + 5)$ と因数分解できる。

$$\begin{aligned} x^2 – 3x – 40 &= 0 \\[5pt] (x – 8)(x + 5) &= 0 \\[5pt] x = 8 \quad &\text{または} \quad x = -5 \end{aligned}$$

吟味:長さは正の数だから、$x = -5$ は不適切。

$x = 8$ のとき、縦 $= 8 – 3 = 5$ cm である。

確かめ:$8 \times 5 = 40$ cm² ✓

$$\textbf{答え}\quad \text{横 } 8 \text{ cm、縦 } 5 \text{ cm}$$

よくある間違いと対策

文章題でつまずきやすいポイントを確認しておこう。

1
「何をxにするか」で迷う
→ 基本は「求めたいもの」か「基準になるもの」を $x$ とおく。連続する整数なら小さい方、長方形なら横(または縦)を $x$ にするのが定番である。
2
吟味を忘れる
→ 二次方程式は解が2つ出ることが多い。「正の整数」「長さは正」などの条件を必ず確認し、不適切な解を除外する。
3
展開・整理でミスする
→ 方程式は右辺を0にしてから因数分解する。$x^2 + x = 72$ のまま因数分解しようとしないこと。

立式のパターンを視覚化

よく出る問題パターンと、その立式の仕方をまとめた図を見てみよう。

よくある質問と答え(FAQ)

Q. xは小さい方と大きい方、どちらにおけばいいですか?

A. 基本的にはどちらでも構いません。ただし、小さい方をxとおく方が、もう一方を「x+1」や「x+2」と正の数を足す形で表せるため、符号ミスが減ります。慣れるまでは小さい方をxとおくことをおすすめします。

Q. 因数分解できないときはどうすればいいですか?

A. 解の公式を使います。$x = \dfrac{-b \pm \sqrt{b^2 – 4ac}}{2a}$ に代入して解きましょう。文章題では因数分解できる問題が多いですが、解の公式も使えるようにしておくと安心です。

Q. 吟味で両方の解が不適になることはありますか?

A. 正しく立式していれば、通常は少なくとも1つは適切な解になります。両方不適になった場合は、式の立て方か計算に間違いがある可能性が高いです。もう一度見直してみましょう。

練習問題

問1. 連続する2つの正の整数があり、それらの積が110である。この2つの整数を求めよ。
問2. 縦が横より5cm短い長方形がある。この長方形の面積が66cm²のとき、縦と横の長さを求めよ。
問3. ある正の数の2乗は、その数の3倍より28大きい。この数を求めよ。

まとめ

この記事では、二次方程式の文章題を解くための基本を学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 3ステップで解く:①xを決める → ②式を立てる → ③解いて吟味する
  • xは基準になるものに置く:連続する整数なら小さい方、長方形なら横など
  • 吟味を忘れない:「正の整数」「長さは正」などの条件を確認し、不適な解を除外する
  • 右辺を0にしてから解く:$x^2 + x = 72$ のまま因数分解しない

文章題は、パターンを覚えて手順通りに解けば、必ずできるようになる。何度も練習して、「問題を見たら自然と手が動く」状態を目指そう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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