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【確率】組み合わせと確率の関係【中2数学】【応用】

「確率の問題で、なぜ急にわせの計算が出てくるのかわからない」と感じたことはないだろうか。

樹形図を描けば解ける問題も、選ぶ数が増えると書ききれなくなる。かといって組み合わせの公式を使おうとすると、どこにどう当てはめればいいのか迷ってしまう。

実は、確率と組み合わせは「場合の数を数える」という同じ土台の上にある。この関係さえつかめば、公式の使いどころが見えてくる。この記事では、組み合わせの考え方を確率の計算に応用できるようになるまで、順を追って解説する。

対象:中学2年〜 所要時間:約12分
目次

そもそも確率とは何か?

確率とは「ある出来事がどれくらい起こりやすいか」を数で表したものである。

$$\text{確率} = \frac{\text{その出来事が起こる場合の数}}{\text{起こりうるすべての場合の数}}$$

場合ばあいの数とは、「何通りあるか」を数えた数のことである。例えば、サイコロを1回振るとき「1が出る」場合の数は1通り、「すべての目」の場合の数は6通りである。

つまり、確率を求めるには「分母」と「分子」の両方で場合の数を正確に数える必要がある。ここで組み合わせの考え方が役に立つ。

組み合わせとは何か?

組み合わせとは「順番を考えずに選ぶ方法」のことである。

例えば、A、B、Cの3人から2人を選ぶとき、選び方は次の3通りである。

  • AとB
  • AとC
  • BとC

「AとB」と「BとA」は同じ組み合わせとして数える。順番が違うだけで、選んだ人は同じだからである。

n個の中からr個を選ぶ組み合わせの数は、次の記号で表す。

$$_nC_r = \frac{n!}{r!(n-r)!}$$

$n!$(nの階乗かいじょう)は、nから1までの整数をすべてかけたものである。例えば $5! = 5 \times 4 \times 3 \times 2 \times 1 = 120$ である。

3人から2人を選ぶ場合で確認してみよう。

$$\begin{aligned} _3C_2 &= \frac{3!}{2!(3-2)!} \\[8pt] &= \frac{3!}{2! \times 1!} \\[8pt] &= \frac{3 \times 2 \times 1}{(2 \times 1) \times 1} \\[8pt] &= \frac{6}{2} \\[8pt] &= 3 \end{aligned}$$

先ほど数えた「3通り」と一致した。

確率と組み合わせの関係を図で理解する

確率の問題で組み合わせを使う場面を、視覚的に確認しよう。

上の図では、5個の玉から2個を選ぶ全ての組み合わせを表示している。

  • 全ての選び方:$_5C_2 = 10$通り(分母)
  • 赤玉2個を選ぶ方法:$_2C_2 = 1$通り(分子)

したがって、赤玉2個を選ぶ確率は $\dfrac{1}{10}$ である。

組み合わせを使った確率の求め方

1
全体の場合の数を求める
「n個からr個選ぶ」状況を把握し、$_nC_r$ を計算する。これが確率の分母になる。
2
条件を満たす場合の数を求める
「その出来事が起こる」選び方が何通りあるか数える。これが確率の分子になる。
3
確率を計算する
$\text{確率} = \dfrac{\text{条件を満たす場合の数}}{\text{全体の場合の数}}$ で求める。約分できれば約分する。

例題で手順を確認する

例題:袋の中に赤玉3個、白玉4個が入っている。この袋から同時に2個の玉を取り出すとき、2個とも赤玉である確率を求めよ。

解答

Step 1:全体の場合の数

玉の合計は $3 + 4 = 7$ 個である。この7個から2個を選ぶ組み合わせを求める。

$$\begin{aligned} _7C_2 &= \frac{7!}{2!(7-2)!} \\[8pt] &= \frac{7!}{2! \times 5!} \\[8pt] &= \frac{7 \times 6 \times 5!}{2 \times 1 \times 5!} \\[8pt] &= \frac{7 \times 6}{2} \\[8pt] &= \frac{42}{2} \\[8pt] &= 21 \end{aligned}$$

$5!$ が分子と分母で約分やくぶんされることがポイントである。

Step 2:条件を満たす場合の数

赤玉3個から2個を選ぶ組み合わせを求める。

$$\begin{aligned} _3C_2 &= \frac{3!}{2!(3-2)!} \\[8pt] &= \frac{3!}{2! \times 1!} \\[8pt] &= \frac{3 \times 2 \times 1}{2 \times 1 \times 1} \\[8pt] &= \frac{6}{2} \\[8pt] &= 3 \end{aligned}$$

Step 3:確率を計算

$$\text{確率} = \frac{_3C_2}{_7C_2} = \frac{3}{21} = \frac{1}{7}$$

よって、2個とも赤玉である確率は $\dfrac{1}{7}$ である。

「少なくとも1つ」の確率

「少なくとも1つは○○」という条件の確率は、余事象よじしょうを使うと計算しやすい。

余事象とは「その出来事が起こらない」場合のことである。「少なくとも1つ赤」の余事象は「1つも赤がない(全部白)」である。

$$P(\text{少なくとも1つ赤}) = 1 – P(\text{全部白})$$

:先ほどの問題で「少なくとも1つは赤玉」の確率を求める。

全部白(赤が0個)の場合の数は、白玉4個から2個を選ぶ組み合わせである。

$$_4C_2 = \frac{4!}{2! \times 2!} = \frac{4 \times 3}{2 \times 1} = 6$$

よって、

$$\begin{aligned} P(\text{少なくとも1つ赤}) &= 1 – P(\text{全部白}) \\[8pt] &= 1 – \frac{6}{21} \\[8pt] &= \frac{21 – 6}{21} \\[8pt] &= \frac{15}{21} \\[8pt] &= \frac{5}{7} \end{aligned}$$

組み合わせの掛け算

「赤玉から1個、白玉から1個選ぶ」のように、複数のグループから選ぶ場合は組み合わせの掛け算を使う。

$$(\text{赤から1個選ぶ方法}) \times (\text{白から1個選ぶ方法}) = {_3C_1} \times {_4C_1}$$

:赤玉3個、白玉4個から2個選ぶとき、赤1個・白1個になる確率を求めよ。

$$\begin{aligned} &\text{赤1個・白1個の場合の数} = {_3C_1} \times {_4C_1} = 3 \times 4 = 12 \\[8pt] &\text{確率} = \frac{12}{21} = \frac{4}{7} \end{aligned}$$

よくある間違いと対策

1
「順列」と「組み合わせ」の混同
順列($_nP_r$)は順番を区別する、組み合わせ($_nC_r$)は順番を区別しない。玉を「選ぶ」問題では、取り出す順番は関係ないので組み合わせを使う。
2
階乗の計算ミス
$_nC_r$ の公式で、$5!$ などの大きな数を計算するとミスしやすい。$\dfrac{7!}{2! \times 5!} = \dfrac{7 \times 6}{2 \times 1}$ のように、共通部分を先に約分するとよい。
3
分母と分子を逆にする
「条件を満たす場合の数」が分子、「全体の場合の数」が分母である。求めたい出来事が分子、と覚えておこう。

この単元のよくある質問

Q. 順列と組み合わせはどう使い分ければいいですか?

A. 「順番が関係あるか」で判断します。玉を「選ぶ」「取り出す」問題では順番は関係ないので組み合わせ($_nC_r$)を使います。人を「並べる」「順位をつける」問題では順列($_nP_r$)を使います。

Q. 組み合わせの計算で階乗を全部計算するのは大変です。簡単な方法はありますか?

A. $_nC_r = \dfrac{n \times (n-1) \times \cdots \times (n-r+1)}{r!}$ と変形すると、小さい数だけで計算できます。例えば $_7C_2 = \dfrac{7 \times 6}{2 \times 1} = 21$ のように、分子はr個の数だけ、分母はr!だけで済みます。

Q. 「少なくとも1つ」の問題で余事象を使う理由は何ですか?

A. 「少なくとも1つ」には「1つ」「2つ」「3つ」…と多くのパターンがあり、直接数えると大変です。余事象(1つもない場合)は1パターンだけなので計算が楽になります。

練習問題

問1. 袋の中に赤玉5個、青玉3個が入っている。この袋から同時に3個の玉を取り出すとき、3個とも赤玉である確率を求めよ。
問2. 10人の生徒から3人の委員を選ぶ。特定の2人(AさんとBさん)が両方とも選ばれる確率を求めよ。
問3. 袋の中に赤玉4個、白玉6個が入っている。この袋から同時に2個の玉を取り出すとき、少なくとも1個は赤玉である確率を求めよ。

まとめ

この記事では、組み合わせと確率の関係について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 確率 = 条件を満たす場合の数 ÷ 全体の場合の数
  • 「順番を考えずに選ぶ」ときは組み合わせ $_nC_r$ を使う
  • 「少なくとも1つ」は余事象で計算すると楽
  • 複数グループから選ぶときは組み合わせの掛け算を使う

組み合わせは確率の土台となる考え方である。公式を暗記するだけでなく、「何通りあるか」を意識しながら問題に取り組もう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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