コインを投げる確率の問題で、「なんとなく $\dfrac{1}{2}$ を使えばいいんでしょ?」と思っていないだろうか。
1枚なら簡単でも、2枚、3枚と増えると急に難しく感じる。「表が2回出る確率」と「少なくとも1回表が出る確率」の違いがわからない。樹形図を描いたはずなのに、数え間違えて不正解になる。
実は、コインの確率問題は「すべての場合を正しく数える」という基本さえ押さえれば、必ず解ける。この記事では、1枚から3枚までのコイン問題を、樹形図と表を使って完全にマスターできるまで解説する。
そもそも「確率」とは何か
確率とは、「ある事象がどれくらい起こりやすいか」を数値で表したものである。
事象とは、「表が出る」「6の目が出る」のように、起こりうる結果のことである。
例えば、1枚のコインを投げるとき:
- 起こりうるすべての場合:「表」と「裏」の2通り
- 表が出る場合:1通り
よって、表が出る確率は次のようになる。
$P$ は確率(Probability)を表す記号である。$P(\text{表})$ は「表が出る確率」と読む。
コインの確率を図で理解する
コインを複数回投げるとき、「すべての場合の数」を正確に数えることが最も重要である。そのために樹形図を使う。
樹形図から、2枚のコインを投げたときの結果は次の4通りであることがわかる。
- (表, 表)
- (表, 裏)
- (裏, 表)
- (裏, 裏)
「表→裏」と「裏→表」は別の場合として数える。順番が違うからである。
コイン2枚の確率問題を解く
樹形図で「すべての場合の数 = 4通り」がわかった。これを使って具体的な問題を解いてみよう。
例題1:2枚とも表が出る確率
すべての場合の数を確認する
樹形図より、すべての場合の数は 4通り
「2枚とも表」の場合の数を数える
(表, 表)の 1通り
確率を求める
例題2:少なくとも1枚は表が出る確率
「少なくとも1枚」とは、「1枚以上」という意味である。つまり「1枚だけ表」でも「2枚とも表」でもOKということである。
「少なくとも1枚表」に当てはまる場合を数える
- (表, 表)→ 表が2枚 → OK
- (表, 裏)→ 表が1枚 → OK
- (裏, 表)→ 表が1枚 → OK
- (裏, 裏)→ 表が0枚 → NG
当てはまるのは 3通り
確率を求める
【別解】余事象を使う方法
「少なくとも1枚表」の余事象は「1枚も表が出ない」=「2枚とも裏」である。
余事象とは、「その事象が起こらない」という反対の事象のことである。ある事象の確率と余事象の確率を足すと必ず1になる。
コイン3枚の確率問題
次に、コイン3枚を投げる場合を考えよう。樹形図を描いて場合の数を確認する。
3枚のコインを投げたとき、すべての場合の数は 8通り である。
コインの枚数と場合の数の関係:1枚 → $2^1 = 2$ 通り、2枚 → $2^2 = 4$ 通り、3枚 → $2^3 = 8$ 通り。つまり $n$ 枚なら $2^n$ 通りとなる。
例題3:3枚中ちょうど2枚が表になる確率
「ちょうど2枚が表」の場合を探す
8通りの中から、表が2枚のものを探す。
- (表, 表, 表)→ 表3枚 → NG
- (表, 表, 裏)→ 表2枚 → OK
- (表, 裏, 表)→ 表2枚 → OK
- (表, 裏, 裏)→ 表1枚 → NG
- (裏, 表, 表)→ 表2枚 → OK
- (裏, 表, 裏)→ 表1枚 → NG
- (裏, 裏, 表)→ 表1枚 → NG
- (裏, 裏, 裏)→ 表0枚 → NG
当てはまるのは 3通り
確率を求める
表を使った整理法
樹形図の代わりに、表を使って場合の数を整理することもできる。
2枚のコインの場合
| 2枚目:表 | 2枚目:裏 | |
|---|---|---|
| 1枚目:表 | (表, 表) | (表, 裏) |
| 1枚目:裏 | (裏, 表) | (裏, 裏) |
表を見ると、4つのマスがあり、それぞれが1つの場合に対応している。これで4通りあることが一目でわかる。
よくある間違いと対策
間違い①:「表が1枚、裏が1枚」を1通りと数える
❌「表1枚・裏1枚だから、『表裏』の1通り」
⭕ 正しくは(表, 裏)と(裏, 表)の 2通り
1枚目と2枚目は区別するため、順番が違えば別の場合として数える。
間違い②:確率の分母を間違える
❌「表か裏の2通りだから分母は2」
⭕ 分母は「すべての場合の数」。2枚なら 4、3枚なら 8 である。
間違い③:「少なくとも」の意味を間違える
「少なくとも1枚表」=「1枚だけ表」ではない。
「少なくとも1枚表」=「1枚以上表」=「1枚表」または「2枚表」または「3枚表」…
確率の計算公式
確率を求めるときは、必ず次の手順で進める。
すべての場合を書き出す(樹形図または表を使う)
問題の条件に合う場合を数える
確率 = (条件に合う場合の数)÷(すべての場合の数)
この単元のよくある質問
Q. コインを2回投げるのと、コイン2枚を同時に投げるのは同じですか?
A. 確率を求める上では同じである。どちらも「すべての場合の数」は4通りで、それぞれの場合が起こる確率も等しい。
Q. 「少なくとも1枚表」を求めるとき、余事象を使う方法と直接数える方法、どちらがいいですか?
A. 場合の数が少ないときは直接数える方が確実である。場合の数が多いとき(例:5枚のコインで少なくとも1枚表)は、余事象を使う方が楽である。
Q. 3枚のコインで「表が裏より多い」確率はどう求めますか?
A. 「表が裏より多い」とは、表が2枚以上(つまり表2枚または表3枚)ということである。表2枚の場合は3通り、表3枚の場合は1通りなので、合計4通り。よって確率は $\dfrac{4}{8} = \dfrac{1}{2}$ となる。
練習問題
まとめ
この記事では、コインの確率問題の解き方を学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 確率 = (ある事象の場合の数)÷(すべての場合の数)
- コイン $n$ 枚のすべての場合の数は $2^n$ 通り
- 樹形図や表を使って、場合を漏れなく数える
- 「少なくとも」の問題は、余事象を使うと楽になることがある
- 順番が違えば別の場合として数える
樹形図を正確に描く練習を繰り返せば、コインの確率問題は確実に解けるようになる。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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