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【確率】確率の足し算(和の法則)を理解しよう【中2数学】【必須】

「サイコロで1か2が出る確率は?」と聞かれたとき、なんとなく $\dfrac{2}{6}$ と答えていないだろうか。

答えは合っている。しかし「なぜ足し算でいいのか」を説明できるだろうか。「1が出る確率」と「2が出る確率」を足しただけで本当に正しいのか、不安に感じたことはないだろうか。

実は、確率を足し算できるのには明確な条件がある。それを知らずに計算すると、複雑な問題で必ず間違える。この記事では「法則ほうそく」と呼ばれるルールを、図解とアニメーションで完全に理解できるようにする。

対象:中学2年 所要時間:約8分
目次

そもそも「和の法則」とは?

和の法則とは、同時に起こらない2つの事柄について、どちらか一方が起こる確率を求めるルールである。

事柄ことがらとは「サイコロで1が出る」「コインで表が出る」のような、起こりうる出来事のことである。

具体的には、次の式で表される。

$$P(A \text{ または } B) = P(A) + P(B)$$

$P(A)$ は「事柄Aが起こる確率」を表す記号である。Pは英語のProbability(確率)の頭文字である。

ただし、この式には重要な条件がある。

条件:AとBは同時に起こらない

この「同時に起こらない」ことを、数学では「排反はいはんである」または「互いに排反たがいにはいはんである」と言う。

排反とは「お互いを排除し合う」という意味である。サイコロで「1が出る」と「2が出る」は、1回の試行で同時には起こらない。だから排反である。

具体例で確認しよう

サイコロを1回振るとき、「1が出る」または「2が出る」確率を求めてみよう。

1

まず、それぞれの確率を求める。

$$P(\text{1が出る}) = \frac{1}{6}$$
$$P(\text{2が出る}) = \frac{1}{6}$$
2

「1が出る」と「2が出る」は同時に起こらない(排反である)。

3

よって、和の法則が使えるので、足し算する。

$$P(\text{1または2が出る}) = \frac{1}{6} + \frac{1}{6} = \frac{2}{6} = \frac{1}{3}$$

和の法則を図で理解する

なぜ足し算でよいのか、図で確認しよう。下のアニメーションでは、サイコロの全ての目を円で表している。

図を見ると、「1が出る」の領域(赤)と「2が出る」の領域(青)は重なっていない。だから、単純に足し算できる。これが和の法則の本質である。

足し算できない場合とは?

では、足し算できない場合を見てみよう。「偶数が出る」または「4以上が出る」確率を考える。

このように、2つの事柄に共通部分がある(重なっている)場合は、単純な足し算では重複をカウントしてしまう

この場合は「和の法則」ではなく、重なりを引く「加法定理かほうていり」を使う。$P(A \text{ または } B) = P(A) + P(B) – P(A \text{ かつ } B)$ という式になる。これは高校で詳しく学ぶ。

和の法則を使う手順

和の法則を正しく使うための手順をまとめる。

1

2つの事柄が排反かどうか確認する

「同時に起こることはあるか?」と自問する。

2

排反ならば、それぞれの確率を求める

$P(A)$、$P(B)$ をそれぞれ計算する。

3

足し算して答えを出す

$P(A \text{ または } B) = P(A) + P(B)$

例題:トランプを使った問題

52枚のトランプから1枚引くとき、「ハートのA」または「スペードのA」を引く確率を求めよ。

1

排反かどうか確認する。

1枚のカードが「ハートのA」であり、かつ「スペードのA」であることはない。よって排反である。

2

それぞれの確率を求める。

$$P(\text{ハートのA}) = \frac{1}{52}$$
$$P(\text{スペードのA}) = \frac{1}{52}$$
3

和の法則を適用する。

$$P(\text{ハートのAまたはスペードのA}) = \frac{1}{52} + \frac{1}{52} = \frac{2}{52} = \frac{1}{26}$$

答え:$\dfrac{1}{26}$

3つ以上の事柄にも使える

和の法則は、3つ以上の排反な事柄にも拡張できる。

$$P(A \text{ または } B \text{ または } C) = P(A) + P(B) + P(C)$$

ただし、全ての事柄が互いに排反(どの2つも同時に起こらない)である必要がある。

よくある間違いと対策

和の法則を使うとき、以下の点に注意しよう。

1

排反かどうかを確認しない

「偶数または6の倍数」のように、重なりがある場合に単純に足してしまう。

→ 必ず「同時に起こることはあるか?」と確認する。

2

「かつ」と「または」を混同する

「AかつB」は足し算ではなく、掛け算のルール(乗法定理)を使う場面が多い。

→ 問題文をよく読み、「または」なのか「かつ」なのかを見極める。

3

確率が1を超えても気づかない

確率は0以上1以下である。計算結果が1を超えたら、どこかで間違っている。

→ 答えが $\dfrac{7}{6}$ などになったら、排反でない可能性を疑う。

この単元のよくある質問

Q. 「排反」と「独立」は同じ意味ですか?

A. 違います。排反は「同時に起こらない」という意味で、独立は「一方の結果がもう一方に影響しない」という意味です。例えば、サイコロで「1が出る」と「2が出る」は排反ですが、サイコロを2回振るときの1回目と2回目は独立です。

Q. 和の法則はいつ使えますか?

A. 「どちらか一方が起こる確率」を求めるときで、かつ2つの事柄が同時に起こらない(排反である)場合に使えます。問題文に「または」「いずれか」という言葉があったら、和の法則を検討しましょう。

Q. 排反でない場合はどうすればいいですか?

A. 重なっている部分を引きます。式で書くと $P(A \text{ または } B) = P(A) + P(B) – P(A \text{ かつ } B)$ となります。これを「加法定理」といい、高校数学で詳しく学びます。

練習問題

問1. サイコロを1回振るとき、「3が出る」または「5が出る」確率を求めよ。
問2. 赤玉3個、青玉4個、白玉3個が入った袋から1個の玉を取り出すとき、「赤玉」または「白玉」を取り出す確率を求めよ。
問3. サイコロを1回振るとき、「1以下が出る」または「5以上が出る」確率を求めよ。

まとめ

この記事では、確率の足し算(和の法則)について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 和の法則:排反な事柄の「どちらか一方が起こる確率」は、それぞれの確率を足す
  • 排反とは「同時に起こらない」こと。図で表すと、領域が重なっていない状態
  • 足し算する前に、必ず排反かどうかを確認する
  • 確率の答えが1を超えたら、どこかで間違っている

和の法則は確率計算の基本中の基本である。この法則を使いこなせるようになれば、より複雑な確率の問題にも自信を持って取り組めるようになる。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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