「二次方程式の解き方は覚えた。でも $(x+3)^2 = 5$ みたいな形が出てきたら、どこから手をつければいいかわからなくなる」——そんな経験はないだろうか。
実は、この形の方程式は平方根の知識さえあれば、たった2ステップで解ける。公式を暗記する必要もない。
この記事では、$(x+a)^2 = k$ の形の二次方程式を、迷わず確実に解けるようになるまで、順を追って解説する。
そもそも $(x+a)^2 = k$ とはどんな形か
$(x+a)^2 = k$ は、「何かの2乗」が「定数」に等しいという形の二次方程式である。
定数とは、$x$ を含まない数のことである。$5$ や $-3$ や $\dfrac{1}{2}$ などがこれにあたる。
具体例を見てみよう。
- $(x+3)^2 = 9$ → 「$x+3$ の2乗が $9$」
- $(x-2)^2 = 5$ → 「$x-2$ の2乗が $5$」
- $(x+1)^2 = 0$ → 「$x+1$ の2乗が $0$」
どれも「( )の中身の2乗 = 数」という同じ構造をしている。この構造さえ見抜ければ、解き方は1種類である。
解き方の原理を図で理解する
なぜ $(x+a)^2 = k$ が解けるのか。それは「2乗して $k$ になる数は何か?」という問いに置き換えられるからである。
例えば $(\text{何か})^2 = 9$ なら、「何か」は $3$ か $-3$ である。なぜなら $3^2 = 9$ であり、$(-3)^2 = 9$ だからである。
下のアニメーションで、この考え方を確認しよう。
$\pm$ は「プラスマイナス」と読み、「$+$ と $-$ の両方」を意味する記号である。
この考え方をまとめると、次の公式になる。
ただし、$k < 0$(負の数)の場合は、2乗して負になる実数は存在しないため、解なしとなる。
$(x+a)^2 = k$ の解き方・2ステップ
では、具体的な解き方の手順を見ていこう。
$(\text{何か})^2 = k$ の形を見つけたら、両辺の平方根をとる。このとき、必ず $\pm$ をつける。
$x + a = \pm\sqrt{k}$ となったら、$a$ を移項して $x = -a \pm\sqrt{k}$ とする。
移項とは、等式の片側にある項を、符号を変えて反対側に移すことである。$x + 3 = 5$ なら、$x = 5 – 3$ と変形する。
例題で手順を確認する
例題1:$(x+3)^2 = 9$
$\pm$ は「$+$ の場合」と「$-$ の場合」の2つを意味するので、答えを分けて書くと:
答え:$x = 0, -6$
例題2:$(x-2)^2 = 5$
今度は $\sqrt{5}$ のように、きれいな整数にならない場合である。
答え:$x = 2 + \sqrt{5}, \quad 2 – \sqrt{5}$
$\sqrt{5}$ は約 $2.236…$ なので、$x \fallingdotseq 4.24$ または $x \fallingdotseq -0.24$ となるが、中学では根号のままで答えることが多い。
例題3:$(x+1)^2 = 0$
$k = 0$ の場合はどうなるだろうか。
答え:$x = -1$(1つだけ)
$\pm 0$ は $+0$ も $-0$ も同じ $0$ なので、解は1つだけになる。このような解を「重解」という。
解き方をアニメーションで確認
$(x+a)^2 = k$ の解き方を、ステップごとに見てみよう。
よくある間違いと対策
この形の方程式で、特に間違いやすいポイントを3つ紹介する。
$\sqrt{9} = 3$ とだけ書いてしまい、$-3$ を見落とす。
対策:平方根をとったら、必ず $\pm$ をつける癖をつける。
$(x-2)^2 = 5$ で、$x = -2 \pm \sqrt{5}$ としてしまう。
対策:$x – 2 = \pm\sqrt{5}$ の後、$-2$ を移項すると $+2$ になることを確認する。
$(x+1)^2 = -4$ のような問題で、$\sqrt{-4}$ を計算しようとしてしまう。
対策:2乗は必ず $0$ 以上になるので、$k < 0$ なら「解なし」と判断する。
よくある質問と答え
Q. なぜ平方根をとるとき $\pm$ をつけるのですか?
A. 2乗すると同じ値になる数は、正と負の2つあるからです。例えば $3^2 = 9$ ですが、$(-3)^2 = 9$ でもあります。両方の可能性を考えるために $\pm$ をつけます。
Q. $(x+a)^2 = k$ の $k$ が負の数だったらどうなりますか?
A. 2乗した結果は必ず $0$ 以上になるので、$k < 0$ のときは「解なし」となります。例えば $(x+1)^2 = -9$ には実数の解は存在しません。
Q. 答えを $x = 2 \pm \sqrt{5}$ のまま書いてもいいのですか?
A. はい、中学・高校の数学ではこの形のまま答えることが一般的です。もちろん $x = 2 + \sqrt{5}, \quad x = 2 – \sqrt{5}$ と2つに分けて書いても正解です。
練習問題
まとめ
この記事では、$(x+a)^2 = k$ の形の二次方程式の解き方を学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 両辺の平方根をとる:$(\text{何か})^2 = k$ → $\text{何か} = \pm\sqrt{k}$
- $\pm$ を必ずつける:正と負、2つの解がある
- 移項して $x = $ の形にする:$x = -a \pm \sqrt{k}$
- $k < 0$ なら解なし:2乗は負にならない
- $k = 0$ なら重解:解が1つだけになる
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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