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【二次方程式】因数分解による解き方(基本)【alg-quad-eq-002】【必須】

「因数分解はできるのに、二次方程式になると急に解けなくなる」——そんな経験はないだろうか。

公式を覚えていても、「どこで因数分解を使うのか」「因数分解したあと何をすればいいのか」がわからず、手が止まってしまう。テストで時間だけが過ぎていく焦りは、誰もが知っているはずだ。

実は、因数分解で二次方程式を解くには「たった1つのルール」を知っているだけで十分である。この記事では、そのルールと使い方を、具体例を通じて完全にマスターできるまで解説する。

対象:中学3年 所要時間:約8分
目次

そもそも「二次方程式を因数分解で解く」とは?

二次方程式にじほうていしきとは、$x^2$ を含む方程式のことである。例えば $x^2 + 5x + 6 = 0$ のような式だ。

この方程式を「因数分解いんすうぶんかいで解く」とは、左辺を $(x + ○)(x + △) = 0$ の形に変形してから、$x$ の値を求める方法である。

因数分解いんすうぶんかいとは、式を「かけ算の形」に分解することである。例えば $x^2 + 5x + 6$ は $(x+2)(x+3)$ に分解できる。

なぜこの方法で解けるのか?それは、次の「黄金ルール」があるからだ。

因数分解で解くための「黄金ルール」

二次方程式を因数分解で解くために、たった1つだけ覚えてほしいルールがある。

$$A \times B = 0 \quad \Rightarrow \quad A = 0 \text{ または } B = 0$$

これは「2つの数をかけて0になるなら、どちらかが0」という意味である。

例えば、$3 \times 0 = 0$ だし、$0 \times 7 = 0$ だ。逆に言えば、かけ算の答えが0になるのは、かけている数のどちらかが0のときだけである。

このルールは「零因子れいいんしの性質」と呼ばれる。難しい名前を覚える必要はなく、「かけて0 → どちらか0」とだけ覚えよう。

このルールを使えば、$(x+2)(x+3) = 0$ のような式から、すぐに $x$ の値が求められる。

黄金ルールを図で理解する

「かけて0になる → どちらかが0」というルールを、視覚的に確認してみよう。

このルールを方程式に当てはめると、次のようになる。

$$(x + 2)(x + 3) = 0$$

これは「$(x+2)$ と $(x+3)$ をかけて0」という意味だから、

$$x + 2 = 0 \quad \text{または} \quad x + 3 = 0$$

のどちらかが成り立つ。それぞれを解けば、$x = -2$ または $x = -3$ と求まる。

因数分解で解く手順

ここからは、具体的な手順を見ていこう。

1
右辺を0にする
方程式の右辺が0でなければ、移項いこうして0にする。
2
左辺を因数分解する
$x^2 + (a+b)x + ab$ の形を $(x+a)(x+b)$ に変形する。
3
黄金ルールを適用する
$(x+a)(x+b) = 0$ なら「$x+a = 0$ または $x+b = 0$」と書く。
4
それぞれの式を解く
$x+a = 0$ → $x = -a$、$x+b = 0$ → $x = -b$ と求める。

例題で手順を確認しよう

例題1:$x^2 + 5x + 6 = 0$

1
右辺を確認
すでに $= 0$ の形なので、このままでOK。
2
左辺を因数分解
して5、けて6」になる2つの数を探す → 2と3
$$x^2 + 5x + 6 = (x + 2)(x + 3)$$
3
黄金ルールを適用
$$(x + 2)(x + 3) = 0$$
$$x + 2 = 0 \quad \text{または} \quad x + 3 = 0$$
4
それぞれを解く
$$\begin{aligned} x + 2 &= 0 \\[4pt] x &= -2 \end{aligned}$$
$$\begin{aligned} x + 3 &= 0 \\[4pt] x &= -3 \end{aligned}$$

答え:$x = -2, -3$

二次方程式の解は、基本的に2つある。答えを書くときは「$x = -2, -3$」のようにカンマで区切って書く。

例題2:$x^2 – 7x + 12 = 0$

1
右辺を確認
すでに $= 0$ の形。
2
左辺を因数分解
「足して$-7$、掛けて$12$」→ $-3$ と $-4$
$$x^2 – 7x + 12 = (x – 3)(x – 4)$$
3
黄金ルールを適用
$$x – 3 = 0 \quad \text{または} \quad x – 4 = 0$$
4
それぞれを解く
$$x = 3, \quad x = 4$$

答え:$x = 3, 4$

例題3:$x^2 – 9 = 0$(定数項のみ)

この式には $x$ の項がない。しかし、因数分解で解ける。

1
式の形を確認
$x^2 – 9$ は「$A^2 – B^2$」の形 → の積で因数分解できる。
2
因数分解
$$x^2 – 9 = x^2 – 3^2 = (x + 3)(x – 3)$$
3
黄金ルールを適用
$$x + 3 = 0 \quad \text{または} \quad x – 3 = 0$$
4
解を求める
$$x = -3, \quad x = 3$$

答え:$x = \pm 3$

$x = 3, -3$ は $x = \pm 3$ と書くこともできる。$\pm$(プラスマイナス)は「プラスとマイナス両方」という意味である。

解き方の流れを図解で確認

因数分解で二次方程式を解く流れを、アニメーションで追ってみよう。

ステップ 1/5

よくある間違いと対策

因数分解で二次方程式を解くとき、多くの人がつまずくポイントがある。先に知っておけば、同じミスを避けられる。

間違い1:符号を逆にしてしまう

$(x – 3)(x – 4) = 0$ を解くとき、

$$\times \quad x = -3, -4$$

と書いてしまうミスが非常に多い。

正しくは:$x – 3 = 0$ → $x = 3$、$x – 4 = 0$ → $x = 4$

対策:「$(x – 3) = 0$ の形を見たら、$x = +3$」と覚える。引き算を足し算に直すイメージだ。

間違い2:解を1つしか書かない

$(x + 2)(x + 3) = 0$ を解いて、

$$\times \quad x = -2$$

で終わってしまうミス。

正しくは:$x = -2, -3$ と2つ書く。

対策:「二次方程式の解は2つ」と唱えてから答えを書く習慣をつけよう。

間違い3:因数分解を間違える

$x^2 + 5x + 6$ を $(x + 2)(x + 4)$ と因数分解してしまうミス。

確認方法:因数分解したら必ず「展開して元に戻るか」をチェックする。

$$(x + 2)(x + 4) = x^2 + 6x + 8 \neq x^2 + 5x + 6$$

対策:「足して○、掛けて△」の2つの条件を両方確認する。2と3なら、足して5、掛けて6。

この単元のよくある質問

Q. なぜ「かけて0」だと「どちらかが0」になるのですか?

A. 0以外の数同士をかけると、必ず0以外の答えになるからです。例えば $2 \times 3 = 6$、$(-1) \times 5 = -5$ など。かけ算の結果が0になるのは、かけている数のどちらかが0のときだけです。これは数学の基本的な性質で、「零因子の性質」と呼ばれます。

Q. 因数分解できない二次方程式はどうすればいいですか?

A. 因数分解できない場合は、「平方完成」や「解の公式」という別の方法を使います。すべての二次方程式が因数分解できるわけではありません。因数分解できる式は、「きれいな整数の解を持つ」ことが多いです。

Q. 解が1つしかない二次方程式はありますか?

A. はい、あります。例えば $(x – 3)^2 = 0$ を解くと、$x – 3 = 0$ しかないので $x = 3$ だけになります。これは「重解(じゅうかい)」と呼ばれ、同じ解が2つ重なっていると考えます。答えは $x = 3$ と書きます。

練習問題

問1. 次の二次方程式を因数分解を使って解きなさい。
$x^2 + 7x + 10 = 0$
問2. 次の二次方程式を因数分解を使って解きなさい。
$x^2 – 8x + 15 = 0$
問3. 次の二次方程式を因数分解を使って解きなさい。
$x^2 – 16 = 0$

まとめ

この記事では、因数分解を使った二次方程式の解き方を学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 黄金ルール:$A \times B = 0$ なら、$A = 0$ または $B = 0$
  • 手順:右辺を0に → 因数分解 → 黄金ルール適用 → それぞれを解く
  • 注意点:符号の間違いに注意、解は2つ書く

因数分解で二次方程式を解く方法は、他の解法(平方完成、解の公式)に比べて圧倒的に速い。まずはこの方法をマスターして、「因数分解できるか?」を最初に判断する習慣をつけよう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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