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【二次方程式】平方完成を使った解き方【alg-quad-eq-007】【必須】

二次方程式にじほうていしきを「平方完成へいほうかんせい」で解くと聞いて、難しそうだと感じていないだろうか。

実は、平方完成は「式を整えて、ルートを外すだけ」という非常にシンプルな方法である。因数分解いんすうぶんかいがうまくいかないときや、解の公式を使うのが面倒なときに重宝する。

この記事では、平方完成の考え方を図解し、手順を1ステップずつ丁寧に解説する。読み終わる頃には、自分の手で平方完成ができるようになっているはずだ。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

そもそも平方完成とは?

平方完成とは、$x^2 + bx$ という形の式を $(x + \text{何か})^2 – \text{何か}$ という形に書き換えることである。

平方へいほう」とは2乗のこと、「完成」とは形を整えること。つまり「2乗の形を作る」という意味である。

例えば、$x^2 + 6x$ という式を考えよう。これを平方完成すると次のようになる。

$$x^2 + 6x = (x + 3)^2 – 9$$

なぜこうなるか確認してみよう。右辺を展開すると、

$$\begin{aligned} (x + 3)^2 – 9 &= x^2 + 6x + 9 – 9 \\[6pt] &= x^2 + 6x \end{aligned}$$

確かに元の式と一致している。

ポイントは、$x$ の係数けいすう(この例では6)を2で割った数(3)を使って $(x + 3)^2$ を作り、その分だけ引き算で調整している点である。

平方完成を図で理解する

なぜ「$x$ の係数を2で割る」のかを、面積の図で理解しよう。$x^2 + 6x$ を正方形と長方形の組み合わせで表すと、以下のようになる。

ステップ 1/4

このように、$6x$ を半分に分けて正方形を作ろうとすると、右下に $3 \times 3 = 9$ の隙間ができる。この9を足して引くことで、$(x+3)^2 – 9$ という形が完成する。

平方完成の公式

上の考え方を一般化すると、次の公式になる。

$$x^2 + bx = \left(x + \frac{b}{2}\right)^2 – \left(\frac{b}{2}\right)^2$$

$x$ の係数 $b$ を2で割った値を使う。$(x + \frac{b}{2})^2$ を作り、余分に足した $(\frac{b}{2})^2$ を引いて調整する。

具体例で確認しよう。

$b$$\frac{b}{2}$平方完成の結果
$x^2 + 4x$42$(x+2)^2 – 4$
$x^2 + 10x$105$(x+5)^2 – 25$
$x^2 – 6x$$-6$$-3$$(x-3)^2 – 9$
$x^2 – 2x$$-2$$-1$$(x-1)^2 – 1$

$b$ が負の数の場合も同じ公式が使える。$\frac{b}{2}$ も負の数になるため、$(x – 3)^2$ のような形になる。

平方完成で二次方程式を解く手順

それでは、平方完成を使って二次方程式を解いてみよう。例題として $x^2 + 6x – 7 = 0$ を解く。

1

定数項を右辺に移項する

$$x^2 + 6x = 7$$
2

左辺を平方完成する

$x$ の係数は6なので、$\frac{6}{2} = 3$ を使う。

$$\begin{aligned} x^2 + 6x &= (x + 3)^2 – 9 \\[6pt] \text{よって、} (x + 3)^2 – 9 &= 7 \end{aligned}$$
3

$(x + 3)^2$ だけにする

両辺りょうへんに9を足して整理する。

$$\begin{aligned} (x + 3)^2 – 9 &= 7 \\[6pt] (x + 3)^2 &= 16 \end{aligned}$$
4

平方根をとる

$A^2 = B$ のとき $A = \pm\sqrt{B}$ である。

$$x + 3 = \pm 4$$
5

$x$ を求める

両辺から3を引く。

$$\begin{aligned} x &= -3 + 4 = 1 \\[6pt] x &= -3 – 4 = -7 \end{aligned}$$

答え:$x = 1, -7$

解き方をアニメーションで確認

上の手順を視覚的に確認しよう。各ステップで式がどう変化するかを見てほしい。

ステップ 1/5

$x^2$ の係数が1でない場合

$x^2$ の係数が1でない場合は、まず係数で割って1にしてから平方完成する。

例題:$2x^2 + 8x – 10 = 0$ を解く。

1

両辺を $x^2$ の係数で割る

$$\begin{aligned} 2x^2 + 8x – 10 &= 0 \\[6pt] x^2 + 4x – 5 &= 0 \end{aligned}$$
2

定数項を移項して平方完成

$$\begin{aligned} x^2 + 4x &= 5 \\[6pt] (x + 2)^2 – 4 &= 5 \\[6pt] (x + 2)^2 &= 9 \end{aligned}$$
3

平方根をとって解く

$$\begin{aligned} x + 2 &= \pm 3 \\[6pt] x &= -2 + 3 = 1 \\[6pt] x &= -2 – 3 = -5 \end{aligned}$$

答え:$x = 1, -5$

よくある間違いと対策

平方完成でつまずきやすいポイントを3つ紹介する。

1

$\frac{b}{2}$ を2乗し忘れる

❌ $x^2 + 6x = (x+3)^2 – 3$(間違い)

✅ $x^2 + 6x = (x+3)^2 – 9$(正しい)

引く数は $\left(\frac{b}{2}\right)^2$ である。$\frac{b}{2}$ ではない。

2

符号を間違える

$x^2 – 6x$ の場合、$\frac{-6}{2} = -3$ なので $(x – 3)^2$ となる。

❌ $(x + 3)^2$(間違い)

✅ $(x – 3)^2$(正しい)

3

$\pm$ を忘れる

$(x+3)^2 = 16$ のとき、$x + 3 = 4$ だけでなく $x + 3 = -4$ もある。

平方根をとるときは必ず $\pm$ をつけること。

よくある質問と答え(FAQ)

Q. 平方完成と解の公式、どちらを使うべきですか?

A. どちらでも正解にたどり着けるが、係数が簡単な整数なら平方完成のほうが計算がシンプルになることが多い。解の公式は、どんな二次方程式にも使える万能型である。実は、解の公式は平方完成を使って導かれている。

Q. $x$ の係数が奇数のときはどうすればいいですか?

A. 奇数でも同じ手順で計算できる。例えば $x^2 + 5x$ なら、$\frac{5}{2}$ を使って $(x + \frac{5}{2})^2 – \frac{25}{4}$ となる。分数が出てくるが、手順は同じである。

Q. 平方完成は二次方程式を解く以外に使いますか?

A. 高校数学では、二次関数のグラフの頂点を求めるときに平方完成を頻繁に使う。$y = x^2 + 6x + 5$ を $y = (x+3)^2 – 4$ と変形すると、頂点が $(-3, -4)$ だとすぐにわかる。

練習問題

問1. 次の式を平方完成せよ。
$x^2 + 8x$
問2. 平方完成を用いて次の方程式を解け。
$x^2 – 4x – 5 = 0$
問3. 平方完成を用いて次の方程式を解け。
$x^2 + 2x – 8 = 0$

まとめ

この記事では、平方完成を使った二次方程式の解き方を学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 平方完成とは、$x^2 + bx$ を $(x + \frac{b}{2})^2 – (\frac{b}{2})^2$ の形に変形すること
  • $x$ の係数を2で割った数がカギになる
  • 手順は「移項 → 平方完成 → 整理 → 平方根 → 解を求める」
  • $\pm$ を忘れずに、符号にも注意する

平方完成は最初は手間に感じるかもしれないが、慣れれば解の公式を使わずに素早く解けるようになる。繰り返し練習して、手が自然に動くようになろう。

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