「角錐」と聞いて、ピラミッドを思い浮かべる人は多いだろう。しかし、問題を解こうとすると「頂点はいくつ?」「側面は何角形?」と、基本的なことがあやふやになっていないだろうか。
角錐の問題でつまずく原因の多くは、「底面」「側面」「頂点」といった用語の意味を正確に理解していないことにある。逆に言えば、これらの用語をしっかり押さえれば、角錐の問題は怖くない。
この記事では、角錐の構造を図解とアニメーションで丁寧に解説し、各部分の名称と性質を完全に理解できるようにする。
そもそも角錐とは?
角錐とは、底面が多角形で、1つの点(頂点)からその底面の各頂点に線を引いてできる立体である。
多角形とは、三角形・四角形・五角形など、直線で囲まれた平面図形のことである。
身近な例で言えば、エジプトのピラミッドは四角錐である。底面が正方形(四角形)で、天辺(てっぺん)が1点に集まっている。
角錐の名前は、底面の形によって決まる。
| 底面の形 | 立体の名前 |
|---|---|
| 三角形 | 三角錐 |
| 四角形 | 四角錐 |
| 五角形 | 五角錐 |
| 六角形 | 六角錐 |
| n角形 | n角錐 |
角錐の各部分の名称
角錐には覚えるべき名称が3つある。それぞれを確認しよう。
1. 頂点(ちょうてん)
角錐の一番上にある、底面から離れた1つの点を「角錐の頂点」と呼ぶ。底面のすべての頂点から辺が集まる点である。
底面にも「頂点」があるため、混乱しやすい。角錐の問題で「頂点」と言われたら、「角錐の頂点(上の点)」なのか「底面の頂点」なのかを確認しよう。
2. 底面(ていめん)
角錐の土台となる多角形の面を「底面」と呼ぶ。三角錐なら三角形、四角錐なら四角形が底面になる。
角錐の底面は1つだけである。これは、上下に2つの底面がある角柱との大きな違いである。
3. 側面(そくめん)
底面以外の面を「側面」と呼ぶ。角錐の側面はすべて三角形である。
なぜすべて三角形になるのか。側面は「底面の1辺」と「角錐の頂点」を結んでできる図形である。底面の1辺には2つの端点があり、それに角錐の頂点を加えた3点で三角形ができるからである。
角錐の構造を図で理解する
三角錐と四角錐を例に、角錐の構造を見てみよう。アニメーションで各部分を順番に確認できる。
次に、四角錐を見てみよう。
角錐の頂点・辺・面の数
角錐の頂点・辺・面の数には、底面の形によって決まる法則がある。n角錐の場合を考えよう。
頂点の数
n角錐の頂点の数は n + 1 である。
底面がn角形なので、底面に頂点がn個ある。そこに角錐の頂点(上の点)が1つ加わるので、合計 n + 1 個になる。
辺の数
n角錐の辺の数は 2n 本である。
辺は2種類ある。
- 底面の辺:n本(n角形の辺)
- 側面の辺(角錐の頂点から底面の各頂点へ):n本
合計すると n + n = 2n 本になる。
面の数
n角錐の面の数は n + 1 である。
面は底面が1つと、側面がn個(底面の辺の数と同じ)ある。合計すると 1 + n = n + 1 個になる。
公式のまとめ
| 角錐の種類 | 頂点の数 | 辺の数 | 面の数 |
|---|---|---|---|
| 三角錐(n=3) | 4 | 6 | 4 |
| 四角錐(n=4) | 5 | 8 | 5 |
| 五角錐(n=5) | 6 | 10 | 6 |
| n角錐 | n + 1 | 2n | n + 1 |
角錐と角柱の違い
角錐と角柱は名前が似ているので混同しやすい。違いを整理しておこう。
| 項目 | 角錐 | 角柱 |
|---|---|---|
| 底面の数 | 1つ | 2つ(上下) |
| 側面の形 | すべて三角形 | すべて四角形(長方形) |
| 特徴 | 1点に集まる | 上下の底面が平行で合同 |
よくある間違いと対策
間違い:角錐の側面は四角形だと思ってしまう
角柱の側面と混同している。角錐の側面は必ず三角形である。底面の1辺と角錐の頂点を結ぶと、3点しかないため三角形になる。
間違い:三角錐の面の数を3と答えてしまう
「三角」という名前から3だと思ってしまう。三角錐の面は、底面1つ+側面3つ=4つである。名前の「三」は底面の形を表している。
間違い:頂点の数を数え間違える
底面の頂点だけを数えて、角錐の頂点(上の点)を忘れてしまう。n角錐の頂点はn + 1(底面のn個 + 上の1個)である。
この単元のよくある質問
Q. 角錐の「角」と「錐」はそれぞれ何を表していますか?
A. 「角」は底面が角ばった形(多角形)であることを、「錐」は先がとがった形であることを表している。ちなみに、底面が円の場合は「円錐」と呼ぶ。
Q. 三角錐と四面体は同じものですか?
A. 同じ立体を指す。三角錐は「底面が三角形の錐体」という見方、四面体は「4つの面でできた立体」という見方の違いである。どちらも正しい。
Q. 正四角錐と四角錐は何が違いますか?
A. 正四角錐は「底面が正方形で、角錐の頂点が底面の真上にある」特別な四角錐である。普通の四角錐は底面がどんな四角形でもよく、頂点の位置も自由である。
練習問題
(1)頂点の数
(2)辺の数
(3)面の数
「角錐の側面は、すべて( ア )である。また、角錐の底面は( イ )つである。」
まとめ
この記事では、角錐の構造と各部分の名称について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 角錐は、底面が多角形で、1点(角錐の頂点)に集まる立体である
- 角錐の側面はすべて三角形、底面は1つである
- n角錐の頂点は n + 1 個、辺は 2n 本、面は n + 1 個
- 角柱との違いを混同しないよう注意する
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