「角錐や円錐の体積は、なぜ柱の3分の1なのか」と疑問に思ったことはないだろうか。
公式をただ丸暗記しても、テストで「角柱と角錐、どっちが3分の1だっけ?」と迷ってしまう人は多い。また、底面積と高さを掛けたあと、3で割るのを忘れるミスも頻発する。
実は、なぜ3分の1になるのかを一度だけ「見て」理解すれば、この公式は二度と忘れない。この記事では、角錐・円錐の体積公式を、図解とアニメーションで確実に身につけられるよう解説する。
そもそも角錐・円錐とは?
まず、角錐と円錐がどんな立体かを確認しよう。
角錐とは、底面が多角形(三角形、四角形など)で、側面がすべて三角形となり、1つの頂点に集まる立体である。例えば、ピラミッドは四角錐である。
円錐とは、底面が円で、側面が曲面となり、1つの頂点に集まる立体である。アイスクリームのコーンをイメージするとわかりやすい。
これらの立体には、ある共通点がある。それは「底面から頂点に向かって細くなっていく」という形である。この形のせいで、同じ底面積・同じ高さの柱(角柱や円柱)と比べると、体積が小さくなる。
どれくらい小さくなるか。答えは「ちょうど3分の1」である。
角錐・円錐の体積公式
角錐と円錐の体積は、次の公式で求められる。
ここで、
- $V$:体積
- $S$:底面積
- $h$:高さ
つまり、「底面積 × 高さ」を計算してから、3で割ればよい。
角柱・円柱の体積公式は $V = S \times h$ である。角錐・円錐はその $\dfrac{1}{3}$ になることを覚えておこう。
なぜ3分の1になるのか?図で理解する
「3分の1」と言われても、なかなかピンとこないものである。そこで、立方体を3つの同じ形の四角錐に分割できることを見てみよう。
このように、立方体は同じ形の四角錐3つにぴったり分けることができる。つまり、四角錐1つの体積は立方体の $\dfrac{1}{3}$ である。
この関係は、底面の形が三角形でも円でも成り立つ。だから角錐・円錐の体積は、常に「底面積 × 高さ」の $\dfrac{1}{3}$ になるのである。
体積を求める手順
底面積 $S$ を求める
底面が円なら $S = \pi r^2$、三角形なら $S = \dfrac{1}{2} \times$底辺$\times$高さ、四角形なら辺の長さから面積を求める。
高さ $h$ を確認する
底面から頂点までの垂直距離である。斜辺の長さではないので注意。
公式に代入して計算する
$V = \dfrac{1}{3} \times S \times h$ を計算する。3で割ることを忘れないこと。
例題で確認しよう
例題1:円錐の体積
問題:底面の半径が $3$ cm、高さが $4$ cm の円錐の体積を求めよ。
解答:
底面積を求める。底面は半径 $3$ cm の円だから、
高さは $h = 4$ cm である。
体積公式に代入する。
答え:$12\pi$ cm³
例題2:四角錐の体積
問題:底面が1辺 $6$ cm の正方形、高さが $5$ cm の四角錐の体積を求めよ。
解答:
底面積を求める。底面は1辺 $6$ cm の正方形だから、
高さは $h = 5$ cm である。
体積公式に代入する。
答え:$60$ cm³
よくある間違いと対策
$\dfrac{1}{3}$ を忘れる
角柱・円柱の公式と混同して、「底面積 × 高さ」だけで終わってしまう。「錐」という漢字を見たら「3分の1」とセットで思い出そう。
高さと母線を間違える
円錐の問題で、斜めの長さ(母線)を高さと勘違いすることがある。高さは必ず「底面に垂直な距離」である。
底面積の計算ミス
円の面積で $\pi r^2$ の $r^2$ を忘れたり、正方形の面積で「辺 × 辺」を忘れたりする。公式に代入する前に、底面積だけを先に計算してメモしておくとよい。
柱と錐の公式比較
角柱・円柱と、角錐・円錐の公式を並べて比較しよう。
| 立体 | 体積の公式 |
|---|---|
| 角柱・円柱 | $V = S \times h$ |
| 角錐・円錐 | $V = \dfrac{1}{3} \times S \times h$ |
「錐」がつく立体は、「柱」の3分の1。これさえ覚えれば、公式を間違えることはない。
この単元のよくある質問
Q. なぜちょうど3分の1になるのですか?2分の1や4分の1ではないのはなぜ?
A. 立方体を同じ形の四角錐3つに分けられることから、3分の1になることがわかります。これは数学的に証明されており、底面の形が変わっても(三角形でも円でも)同じ関係が成り立ちます。
Q. 高さと母線の違いがよくわかりません。
A. 高さは底面から頂点までの「垂直な距離」で、底面に対して直角に測ります。母線は円錐の側面に沿った「斜めの長さ」です。体積の計算には必ず「高さ」を使います。
Q. 円錐の体積で、答えに $\pi$ がついたままでいいのですか?
A. はい、中学の問題では $12\pi$ cm³のように $\pi$ をつけたまま答えることが多いです。「小数で答えよ」などの指示がある場合のみ、$\pi \fallingdotseq 3.14$ を代入して計算します。
練習問題
まとめ
この記事では、角錐・円錐の体積公式について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 角錐・円錐の体積は $V = \dfrac{1}{3} \times S \times h$(底面積 × 高さ の3分の1)
- 「錐」がつく立体は、同じ底面積・高さの「柱」の3分の1になる
- 高さは底面に垂直な距離であり、母線(斜めの長さ)ではない
- $\dfrac{1}{3}$ を掛け忘れないことが最も重要
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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