動点の問題を見ると、「何から手をつければいいかわからない」と固まってしまうことはないだろうか。
点が動く、時間が絡む、面積が変わる——情報が多すぎて、頭の中がぐちゃぐちゃになる。図を描いても、結局どこに文字を置けばいいのかわからない。そんな経験があるはずだ。
実は、動点問題は「時間を文字に置く」「図形の公式に代入する」「二次方程式を解く」という3つのステップを順番にやるだけである。この記事では、その手順を1つずつ確認し、動点問題が確実に解けるようになるまで導く。
動点問題とは何か
動点問題とは、図形の辺上を点が一定の速さで動くとき、ある条件(面積が○○になる、など)を満たす時間を求める問題である。
動点とは、時間とともに位置が変わる点のことである。止まっている点を「定点」と呼ぶのに対し、動いている点を「動点」と呼ぶ。
具体例を見てみよう。
「長方形ABCDの辺上を点Pが毎秒2cmの速さで動く。$x$ 秒後に三角形APDの面積が24cm²になるのは何秒後か。」
このような問題では、次の流れで解く。
- $x$ 秒後の点Pの位置を文字で表す
- 面積の式を $x$ で表す
- 条件を方程式にして解く
動点問題の考え方を図で理解する
言葉だけではイメージしにくいので、点Pが動く様子をアニメーションで確認しよう。
点Pが動くと、三角形APDの形が変わり、面積も変化することがわかる。
ここで重要なのは、$x$ 秒後の状態を文字で表すことである。
- $x$ 秒後に点Pが進んだ距離 = 速さ × 時間 = $2x$ cm
- AP = $2x$ cm
- AD = 6cm(変わらない)
動点問題の解き方の手順
動点問題を解く手順を、例題を通して確認しよう。
例題
長方形ABCDにおいて、AB = 8cm、AD = 6cmである。点Pは辺AB上をAからBまで毎秒2cmの速さで動く。点Pが出発してから $x$ 秒後の三角形APDの面積が12cm²になるのは何秒後か。
$x$ 秒後の点Pの位置を式で表す
点Pは毎秒2cmで動くので、$x$ 秒後に進んだ距離は
三角形APDの面積を $x$ の式で表す
三角形APDにおいて、
- 底辺 AP = $2x$ cm
- 高さ AD = 6cm(長方形なので垂直)
よって、面積は
条件を方程式にして解く
面積が12cm²になるとき、
答えの確認
$x = 2$ は問題の条件に合っているか確認する。
- 点Pは0秒後から4秒後(AB = 8cm、毎秒2cmなので8÷2=4秒)まで動く
- $0 < x \leq 4$ の範囲に $x = 2$ は入っている ✓
答え:2秒後
動点問題では、最後に「求めた答えが問題の範囲に入っているか」を必ず確認すること。点がはみ出す時間は答えにならない。
二次方程式になる動点問題
次に、面積の式が二次式になるパターンを見てみよう。これが動点問題の本番である。
例題2
直角三角形ABCにおいて、∠B = 90°、AB = 6cm、BC = 8cmである。点Pは辺AB上をAからBまで毎秒1cmで動き、点Qは辺BC上をBからCまで毎秒2cmで同時に動き始める。△PBQの面積が6cm²になるのは何秒後か。
この問題では、点が2つ同時に動く。それぞれの動きを整理しよう。
$x$ 秒後の各点の位置を式で表す
- 点P:Aから毎秒1cm → AP = $x$ cm、BP = $(6 – x)$ cm
- 点Q:Bから毎秒2cm → BQ = $2x$ cm
三角形PBQの辺はBP と BQ なので、Bからの距離で表すのがポイントである。
△PBQの面積を $x$ の式で表す
∠B = 90° なので、BP と BQ は垂直に交わる。よって、
方程式を立てて解く
面積が6cm²になるとき、
これは因数分解できないので、解の公式を使う。
$x$ の範囲を確認して答えを絞る
点Qは BC = 8cm を毎秒2cmで動くので、4秒後にCに到着する。
よって、この問題で $x$ の範囲は $0 < x \leq 4$ である。
- $x = 3 + \sqrt{3} \approx 3 + 1.73 = 4.73$ → 範囲外 ✗
- $x = 3 – \sqrt{3} \approx 3 – 1.73 = 1.27$ → 範囲内 ✓
答え:$(3 – \sqrt{3})$ 秒後
動点問題で面積が二次式になる仕組み
なぜ面積が二次式になるのか、視覚的に確認しよう。
面積 $y = 6x – x^2$ は放物線になる。$y = 6$(面積6cm²)と交わる点が2つあるが、$x \leq 4$ の範囲に入るのは $x = 3 – \sqrt{3}$ だけである。
二次方程式の解が2つ出てきても、問題の条件に合うものだけが答えになる。これを「吟味」という。
よくある間違いと対策
間違い1:動く点の距離を取り違える
「点PがAから動く」とき、三角形の辺がBPなら「6 – x」のように引き算になる。
| 点の動き | APの長さ | BPの長さ |
|---|---|---|
| AからBへ | $x$ | $(\text{AB}) – x$ |
| BからAへ | $(\text{AB}) – x$ | $x$ |
間違い2:範囲の確認を忘れる
動点問題では「点がどこからどこまで動けるか」という範囲が必ずある。解の公式で2つの解が出たら、必ず範囲を確認すること。
間違い3:面積の公式を間違える
三角形の面積 = $\dfrac{1}{2} \times$ 底辺 $\times$ 高さ
「高さ」は底辺に垂直な長さである。直角がどこにあるかを確認しよう。
この単元のよくある質問
Q. 動点が2つあるとき、どちらを基準に式を立てればいいですか?
A. どちらも同じ変数 $x$(経過時間)で表せる。2つの点が「同時に動き始める」場合、両方とも $x$ 秒後の位置として式を立てればよい。
Q. 解が2つ出たとき、両方とも答えになることはありますか?
A. ある。両方の解が問題の範囲内に入っていれば、どちらも答えになる。「○○になるのは何秒後か」と聞かれたら、両方を答えること。
Q. 「毎秒○cm」と「○秒で○cm」は同じですか?
A. 「毎秒2cm」は「1秒あたり2cm進む」という意味である。$x$ 秒後に進む距離は $2x$ cmになる。「3秒で6cm」も同じ速さ(6÷3=2cm/秒)である。
練習問題
まとめ
この記事では、動点問題の解き方について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- $x$ 秒後の点の位置を「速さ × 時間」で表す
- 面積の公式に代入して、$x$ の式を作る
- 条件を方程式にして解く
- 必ず $x$ の範囲を確認して、答えを吟味する
動点問題は、二次方程式の応用の中でも特に出題頻度が高い。手順を体に染み込ませるまで繰り返し練習しよう。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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