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【平面図形】直角三角形の合同条件|斜辺と他の1要素【中2数学】【必須】

「三角形の合同条件は覚えたのに、直角三角形になると急に解けなくなる」——そんな経験はないだろうか。

実は、直角三角形には普通の三角形にはない「特別な合同条件」が2つ存在する。これを知らないまま問題を解こうとすると、遠回りな証明になったり、そもそも証明できなかったりする。

この記事では、直角三角形だけに許された2つの合同条件を、図解とアニメーションで徹底的に理解できるようにする。読み終わる頃には「斜辺と1つの要素がわかれば合同」という感覚が身についているはずだ。

対象:中学2年 所要時間:約8分
目次

そもそも直角三角形の合同条件とは?

まず、普通の三角形の合同条件を確認しよう。

13組の辺がそれぞれ等しい(SSS)
22組の辺とその間の角がそれぞれ等しい(SAS)
31組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい(ASA)

これらは全ての三角形に使える。しかし、直角三角形には「直角がある」という大きな特徴がある。この特徴を活かすと、より少ない条件で合同を示せるのである。

直角三角形ちょっかくさんかくけいとは、1つの角が90°である三角形のことである。90°の角の向かい側にある辺を斜辺しゃへん(最も長い辺)と呼ぶ。

直角三角形の合同条件は次の2つである。

条件 内容
斜辺と1つの鋭角えいかく 斜辺の長さと、直角以外の1つの角が等しい
斜辺と他の1辺 斜辺の長さと、他の1辺の長さが等しい

鋭角とは、90°より小さい角のことである。直角三角形には、直角が1つと鋭角が2つある。

なぜこの条件で合同といえるのか?

「なぜ斜辺と1つの要素だけで合同になるの?」と疑問に思うかもしれない。その理由を順番に見ていこう。

理由①:直角が「自動的に」決まっている

直角三角形は、すでに1つの角(90°)が確定している。普通の三角形で「2辺と1角」を使うところ、直角三角形では「直角 + 1辺 + 何か」で十分なのである。

理由②:斜辺が決まると「枠」が決まる

斜辺は直角の向かい側にある。斜辺の長さが決まると、直角三角形の「大きさの上限」が決まる。これに加えて、もう1つの情報があれば、三角形は1つに定まる。

条件①:斜辺と1つの鋭角を図で理解する

斜辺が5cm、1つの鋭角が30°の直角三角形を考えよう。このとき、三角形の形は1通りしかないことをアニメーションで確認する。

アニメーションの説明:青い三角形と緑の破線三角形は、どちらも「斜辺5cm、1つの鋭角30°」という条件を満たしている。緑の三角形を動かすと、青い三角形にぴったり重なる。これが「合同」である。

条件②:斜辺と他の1辺を図で理解する

次に、斜辺が5cm、他の1辺が3cmの直角三角形を考えよう。

アニメーションの説明:底辺(4cm)を固定し、点Aを中心に斜辺(5cm)を半径とする円を描く。点Bから垂直に伸ばした線との交点が頂点Cになる。交点は1つしかないので、三角形は1通りに決まる。

普通の三角形との違いを確認する

ここで大事なポイントを整理しよう。

普通の三角形で「2辺と1角」を考えると、角がどこにあるかが重要になる。「2辺とその間の角」なら合同だが、「2辺とそれ以外の角」では合同とは限らない。

しかし直角三角形では、直角の位置が決まっている。だから「斜辺と他の1辺」という条件だけで合同が言えるのである。

証明での使い方

実際の証明問題で、どのように直角三角形の合同条件を使うかを見てみよう。

例題

下の図で、$\triangle ABD$ と $\triangle ACD$ が合同であることを証明せよ。ただし、$\angle ADB = \angle ADC = 90°$、$AB = AC$ とする。

解答

1$\triangle ABD$ と $\triangle ACD$ において
2$\angle ADB = \angle ADC = 90°$(仮定より)
3$AB = AC$(仮定より)……斜辺が等しい
4$AD$ は共通……他の1辺が等しい
5直角三角形で、斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいから
6$\triangle ABD \equiv \triangle ACD$

証明の書き方のポイント:①まず「直角三角形である」ことを示す。②次に「斜辺が等しい」ことを示す。③最後に「他の1辺(または1つの鋭角)が等しい」ことを示す。

よくある間違いと対策

1 間違い:普通の三角形に直角三角形の合同条件を使う
直角三角形の合同条件は、直角三角形にしか使えない。まず「$\angle ○○○ = 90°$」を確認してから使うこと。
2 間違い:斜辺ではない辺を「斜辺」として使う
斜辺は必ず直角の向かい側にある辺(最も長い辺)である。図をよく見て確認すること。
3 間違い:「他の1辺」と「他のもう1辺」を混同する
「斜辺と他の1辺」とは、斜辺以外の2辺のうちどちらか1つが等しければよい。両方等しい必要はない。

直角三角形の合同条件・まとめ表

合同条件 必要な情報 覚え方
斜辺と1つの鋭角 斜辺の長さ + 90°以外の角 「斜角(シャカク)」
斜辺と他の1辺 斜辺の長さ + 他の辺の長さ 「斜辺(シャヘン)プラス1」

この単元のよくある質問

Q. 普通の三角形の合同条件と直角三角形の合同条件、どちらを先に確認すべき?

A. まず図形が直角三角形かどうかを確認しよう。直角がある場合は直角三角形の合同条件を使った方が楽なことが多い。直角がない場合や、直角であることが示されていない場合は、普通の三角形の合同条件を使う。

Q. 「斜辺と他の1辺」で、どちらの辺が等しいかを間違えたらどうなる?

A. 証明は成り立たない。例えば、$\triangle ABC$ で AB が斜辺なのに、AC と BC が等しいことを示しても「斜辺と他の1辺」にはならない。必ず「斜辺(直角の向かい側)」と「それ以外の1辺」のペアで考えること。

Q. 直角三角形で、普通の三角形の合同条件(SSSなど)を使ってもいい?

A. もちろん使ってよい。直角三角形も三角形の一種なので、SSS・SAS・ASAはすべて有効である。ただし、直角三角形の合同条件を使えば、より少ない条件で証明できることが多い。

練習問題

問1. 次のうち、直角三角形の合同条件として正しいものをすべて選べ。
(ア)3組の辺がそれぞれ等しい
(イ)斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい
(ウ)2つの鋭角がそれぞれ等しい
(エ)斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい
問2. 下の図で、$\angle ABD = \angle CBD = 90°$、$AD = CD$ のとき、$\triangle ABD \equiv \triangle CBD$ を証明せよ。
問3. 直角三角形の合同条件「斜辺と1つの鋭角」を使って合同を証明するとき、なぜ「斜辺と直角」ではダメなのか、理由を説明せよ。

まとめ

この記事では、直角三角形の合同条件について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 直角三角形には「斜辺と1つの鋭角」「斜辺と他の1辺」という2つの特別な合同条件がある
  • これらの条件は、直角が固定されているからこそ成り立つ
  • 証明では、まず「直角三角形である」ことを確認してから使う
  • 斜辺は必ず「直角の向かい側にある辺」である

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