「対称移動って、平行移動や回転移動とどう違うの?」と混乱していないだろうか。
図形を裏返すイメージがつかめず、作図の手順で手が止まってしまう人は多い。実は、対称移動は「鏡に映す」という身近な体験そのものである。
この記事では、対称移動の仕組みと作図方法を、アニメーションで順を追って解説する。読み終えるころには、どんな図形でも迷わず対称移動できるようになるはずだ。
そもそも対称移動とは?
対称移動とは、ある直線を軸として、図形を「裏返す」移動のことである。この軸のことを対称の軸という。
対称の軸とは、折り目になる直線のことである。紙を折ったとき、ぴったり重なる位置に図形が移動する。
日常で最もわかりやすい例は「鏡」である。鏡に自分の姿を映すと、左右が反転して見える。これがまさに対称移動の原理である。
対称移動には、次の重要な性質がある。
- 対応する点は、対称の軸から等しい距離にある
- 対応する点を結ぶ線分は、対称の軸と垂直に交わる
- 図形の形と大きさは変わらない(合同である)
例えば、点Aを対称移動した点A’について考えよう。AとA’を結ぶ線分は対称の軸と垂直に交わり、その交点から両方の点までの距離は等しい。
対称移動を図で理解する
言葉だけではイメージしにくいので、実際に三角形が対称移動する様子をアニメーションで確認しよう。
アニメーションで確認したように、対称移動では次のことが起きている。
- 各頂点から対称の軸に垂線を引く
- 垂線と軸の交点を見つける
- 交点から「元の点と同じ距離」だけ反対側に進んだ位置が移動後の点
- 移動後の各点を結んで図形を完成させる
対称移動の作図手順
ここでは、三角形ABCを直線ℓについて対称移動させる作図の手順を解説する。
頂点から対称の軸に垂線を引く
まず、頂点Aから直線ℓに垂線を引く。コンパスで垂線を作図するか、定規と三角定規を使う。
交点から同じ距離を測る
垂線と直線ℓの交点をHとする。コンパスでAHの長さを測り、Hから反対側に同じ長さをとって点A’を決める。
他の頂点も同様に移動させる
頂点B、Cについても手順1〜2を繰り返し、B’、C’を求める。
移動後の頂点を結ぶ
A’、B’、C’を直線で結び、三角形A’B’C’を完成させる。
例題:座標を使った対称移動
作図だけでなく、座標を使って対称移動後の点を求める問題もよく出題される。
例題:点A(3, 5)をy軸について対称移動した点A’の座標を求めよ。
解き方
y軸について対称移動するとき、次のことが起きる。
- x座標の符号が反転する(正なら負に、負なら正に)
- y座標は変わらない
したがって、A(3, 5)をy軸について対称移動すると、
y軸対称では「x座標の符号だけ変わる」と覚えよう。y軸は縦の線なので、左右の位置(x座標)が反転するイメージである。
軸ごとの対称移動のまとめ
| 対称の軸 | 変化するもの | 変化しないもの | 例:(3, 5)の移動先 |
|---|---|---|---|
| y軸 | x座標の符号 | y座標 | (-3, 5) |
| x軸 | y座標の符号 | x座標 | (3, -5) |
| 原点 | 両方の符号 | なし | (-3, -5)※ |
※原点対称は「点対称」とも呼ばれ、対称移動とは別の移動である。180°の回転移動と同じ結果になる。
よくある質問と答え
Q. 対称移動と回転移動はどう違うの?
A. 対称移動は図形を「裏返す」移動で、回転移動は図形を「回す」移動である。対称移動では鏡に映したように左右(または上下)が反転するが、回転移動では向きが変わるだけで反転しない。例えば、文字の「R」を対称移動すると「Я」のようになるが、回転移動では「R」の向きが変わるだけである。
Q. 作図で垂線を引くとき、どうすればいい?
A. コンパスを使う方法が確実である。①点Aを中心に円を描き、対称の軸との2つの交点を求める。②その2点からそれぞれ同じ半径で円を描き、交点を見つける。③点Aとその交点を結ぶと、対称の軸に垂直な線ができる。この線と軸の交点が垂線の足である。
Q. 対称の軸が斜めのときは難しそう…
A. 軸が斜めでも手順は同じである。①各頂点から軸に垂線を引く、②交点から同じ距離だけ反対側に進む、③移動後の点を結ぶ。コンパスで垂線を引く作業が少し複雑になるだけで、考え方は全く変わらない。まずはy軸やx軸での対称移動に慣れてから、斜めの軸に挑戦しよう。
よくある間違いと対策
対称移動でつまずきやすいポイントを確認しておこう。
垂線ではなく、軸と平行に移動してしまう
対称移動では、対応する点を結ぶ線分は対称の軸と垂直に交わる。軸と平行に移動するのは「平行移動」である。必ず「軸に対して垂直に」を意識しよう。
距離を2倍してしまう
「軸から点Aまでの距離」と「軸から点A’までの距離」は等しい。全体の距離AA’は2倍になるが、軸からの距離は等しいことを忘れないようにしよう。
y軸対称でy座標を変えてしまう
y軸対称では「x座標の符号だけ」が変わる。y座標は変わらない。同様に、x軸対称では「y座標の符号だけ」が変わる。軸の名前と変わる座標を混同しないようにしよう。
練習問題
まとめ
この記事では、対称移動(線対称)について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 対称移動は「鏡に映す」ような移動で、図形を裏返す
- 対応する点を結ぶ線分は、対称の軸と垂直に交わる
- 軸から対応する2点までの距離は等しい
- y軸対称ではx座標の符号が、x軸対称ではy座標の符号が変わる
作図の手順は「垂線を引く→同じ距離をとる→結ぶ」の3ステップである。座標の問題では、どの座標の符号が変わるかを正しく判断できるようにしよう。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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