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【平面図形】三平方の定理と平面図形|面積・高さ・対角線【中3数学】【必須】

三平方の定理は覚えたのに、図形の問題になると急に手が止まる——そんな経験はないだろうか。

「どこに三平方を使えばいいかわからない」「補助線を引けと言われても、どこに引くの?」という声をよく聞く。実は、平面図形で三平方の定理を使う場面は、たった3パターンに絞られる。

この記事では、面積めんせき・高さ・対角線たいかくせんの求め方を、図解とアニメーションで順を追って解説する。パターンを覚えれば、考えなくても手が動くようになる。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

三平方の定理の復習

三平方さんへいほう定理ていりとは、直角三角形ちょっかくさんかくけいの3辺の長さの関係を表す公式である。

$$a^2 + b^2 = c^2$$

$a$, $b$ は直角をはさむ2辺、$c$ は斜辺しゃへん(直角の向かい側にある最も長い辺)である。

例えば、直角をはさむ2辺が $3$ と $4$ のとき、斜辺は次のように求まる。

$$\begin{aligned} c^2 &= 3^2 + 4^2 \\[6pt] c^2 &= 9 + 16 \\[6pt] c^2 &= 25 \\[6pt] c &= 5 \end{aligned}$$

この定理を平面図形に応用するには、「図形の中に直角三角形を見つける(または作る)」ことが鍵となる。

パターン1:三角形の高さを求める

三角形の面積を求めるには高さが必要だが、高さが直接与えられないことが多い。そこで三平方の定理を使う。

考え方

頂点ちょうてんから底辺ていへん垂線すいせんを下ろすと、直角三角形ができる。この直角三角形に三平方の定理を適用して高さを求める。

アニメーションでは、次の順番で図形を理解できる。

  1. 元の三角形ABCを確認
  2. 頂点Aから底辺BCに垂線AHを下ろす(赤い点線)
  3. 辺の長さ(AB = 5, BH = 3)を確認
  4. 直角三角形ABHが現れる(赤く塗られた部分)

例題:二等辺三角形の高さと面積

AB = AC = 5, BC = 6 の二等辺三角形にとうへんさんかくけいABCの高さと面積を求めよ。

1

垂線を下ろして直角三角形を作る

頂点Aから底辺BCに垂線AHを下ろす。二等辺三角形では、頂点から底辺への垂線は底辺を二等分にとうぶんする。

よって BH = 6 ÷ 2 = 3

2

三平方の定理を適用

直角三角形ABHで、AB = 5(斜辺)、BH = 3(底辺)、AH = h(高さ)である。

$$\begin{aligned} \text{BH}^2 + \text{AH}^2 &= \text{AB}^2 \\[6pt] 3^2 + h^2 &= 5^2 \\[6pt] 9 + h^2 &= 25 \\[6pt] h^2 &= 16 \\[6pt] h &= 4 \end{aligned}$$
3

面積を計算

$$\begin{aligned} \text{面積} &= \frac{1}{2} \times \text{底辺} \times \text{高さ} \\[6pt] &= \frac{1}{2} \times 6 \times 4 \\[6pt] &= 12 \end{aligned}$$

答え:高さ 4, 面積 12

パターン2:正三角形の高さと面積

正三角形せいさんかくけいは特別な二等辺三角形なので、同じ方法で高さを求められる。ただし、答えに根号こんごう(ルート)が含まれる。

公式の導出

1辺が $a$ の正三角形で、頂点Aから底辺BCに垂線AHを下ろす。

1

底辺を二等分

正三角形も二等辺三角形なので、BH = $\dfrac{a}{2}$

2

三平方の定理を適用

$$\begin{aligned} \text{BH}^2 + h^2 &= \text{AB}^2 \\[6pt] \left(\frac{a}{2}\right)^2 + h^2 &= a^2 \\[6pt] \frac{a^2}{4} + h^2 &= a^2 \\[6pt] h^2 &= a^2 – \frac{a^2}{4} \\[6pt] h^2 &= \frac{4a^2 – a^2}{4} = \frac{3a^2}{4} \\[6pt] h &= \frac{\sqrt{3}}{2}a \end{aligned}$$

正三角形の公式まとめ

1辺の長さ高さ面積
$a$$\dfrac{\sqrt{3}}{2}a$$\dfrac{\sqrt{3}}{4}a^2$

面積の公式は、$\dfrac{1}{2} \times a \times \dfrac{\sqrt{3}}{2}a = \dfrac{\sqrt{3}}{4}a^2$ から得られる。

例題:1辺が6の正三角形

1辺が6の正三角形の高さと面積を求めよ。

$$\begin{aligned} \text{高さ} &= \frac{\sqrt{3}}{2} \times 6 = 3\sqrt{3} \\[8pt] \text{面積} &= \frac{\sqrt{3}}{4} \times 6^2 = \frac{\sqrt{3}}{4} \times 36 = 9\sqrt{3} \end{aligned}$$

答え:高さ $3\sqrt{3}$, 面積 $9\sqrt{3}$

パターン3:長方形・正方形の対角線

長方形や正方形の対角線たいかくせんの長さも、三平方の定理で求められる。対角線を引くと、直角三角形ができるからである。

例題:長方形の対角線

縦3cm、横4cmの長方形ABCDの対角線ACの長さを求めよ。

1

直角三角形を見つける

対角線ACを引くと、直角三角形ABCができる。∠ABCは長方形の角なので90°である。

2

三平方の定理を適用

$$\begin{aligned} \text{AC}^2 &= \text{AB}^2 + \text{BC}^2 \\[6pt] \text{AC}^2 &= 3^2 + 4^2 \\[6pt] \text{AC}^2 &= 9 + 16 = 25 \\[6pt] \text{AC} &= 5 \end{aligned}$$

答え:5cm

正方形の対角線

1辺が $a$ の正方形の対角線 $d$ は次のようになる。

$$\begin{aligned} d^2 &= a^2 + a^2 \\[6pt] d^2 &= 2a^2 \\[6pt] d &= \sqrt{2}a \end{aligned}$$

正方形の対角線は「1辺 × $\sqrt{2}$」と覚えておくと便利である。

パターン4:ひし形の対角線と面積

ひし形ひしがたは4辺がすべて等しい四角形である。ひし形の2本の対角線は垂直すいちょくに交わり、互いを二等分にとうぶんする。この性質を使うと、対角線や面積が求められる。

例題:ひし形の対角線と面積

1辺が5cm、一方の対角線が8cmのひし形の、もう一方の対角線の長さと面積を求めよ。

1

対角線の性質を確認

ひし形の対角線は垂直に交わり、互いを二等分する。対角線ACが8cmなので、AO = OC = 4cmである。

2

直角三角形AOBで三平方の定理を適用

AB = 5cm(1辺)、AO = 4cm、∠AOB = 90°である。BOを $x$ とおく。

$$\begin{aligned} \text{AO}^2 + \text{BO}^2 &= \text{AB}^2 \\[6pt] 4^2 + x^2 &= 5^2 \\[6pt] 16 + x^2 &= 25 \\[6pt] x^2 &= 9 \\[6pt] x &= 3 \end{aligned}$$

BO = 3cm なので、対角線BD = 2 × 3 = 6cm

3

面積を計算

ひし形の面積は「対角線 × 対角線 ÷ 2」で求められる。

$$\text{面積} = \frac{8 \times 6}{2} = 24$$

答え:もう一方の対角線 6cm, 面積 24cm²

よくある間違いと対策

1

斜辺を間違える

三平方の定理 $a^2 + b^2 = c^2$ で、$c$ は必ず斜辺(直角の向かい側の辺)である。直角三角形を見つけたら、まず直角の位置を確認し、向かい側を斜辺と判断しよう。

2

二等分を忘れる

二等辺三角形や正三角形で垂線を下ろすと、底辺は二等分される。この「÷2」を忘れると計算が合わなくなる。必ず図に「÷2」とメモしよう。

3

ルートの計算ミス

$\sqrt{3a^2/4}$ のような計算で、ルートの中を簡単にし忘れることがある。$\sqrt{3a^2/4} = \dfrac{\sqrt{3}a}{2}$ のように、分母・分子を別々にルートを取る。

よくある質問と答え

Q. 三平方の定理はどんな図形に使えるのか?

A. 直角三角形があれば使える。直角三角形がなくても、垂線を引いて直角三角形を作れば使える。高さや対角線を求める問題では、補助線を引いて直角三角形を作ることを考えよう。

Q. 正三角形の高さ $\dfrac{\sqrt{3}}{2}a$ は暗記すべきか?

A. 暗記しておくと時間短縮になる。ただし、暗記に頼りすぎると応用が利かなくなる。導出の手順(垂線を下ろす → 底辺を二等分 → 三平方の定理)を理解した上で暗記するのがよい。

Q. ひし形の面積公式「対角線×対角線÷2」はなぜ成り立つのか?

A. ひし形は2本の対角線で4つの直角三角形に分割される。各三角形の面積を足すと、全体として「対角線×対角線÷2」になる。長方形(縦×横)を半分にしたイメージで覚えるとよい。

練習問題

問1. AB = AC = 10, BC = 12 の二等辺三角形ABCの面積を求めよ。
問2. 1辺が4cmの正三角形の面積を求めよ。
問3. 1辺が5cmの正方形の対角線の長さを求めよ。

まとめ

この記事では、三平方の定理を平面図形に応用する方法を学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 三平方の定理を使うには、図形の中に直角三角形を見つける(または作る)
  • 三角形の高さ → 頂点から底辺に垂線を下ろす
  • 正三角形の高さは $\dfrac{\sqrt{3}}{2}a$、面積は $\dfrac{\sqrt{3}}{4}a^2$
  • 長方形・正方形の対角線 → 対角線を引くと直角三角形ができる
  • 正方形の対角線は「1辺 × $\sqrt{2}$」
  • ひし形 → 対角線は垂直に交わり、互いを二等分する

これらのパターンを覚えておけば、平面図形と三平方の定理の問題はスムーズに解けるようになる。

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