「直線」「半直線」「線分」——この3つの違いを説明できるだろうか。
中学校の図形で最初につまずくポイントは、実はこの「線の名前」の区別である。教科書を読んでも「どれも線じゃないか」と感じてしまい、問題文で「線分ABの長さ」と言われても何を指しているのかピンとこない。
安心してほしい。この3つは「端があるかないか」という1点だけで区別できる。この記事では、図とアニメーションを使って、直線・半直線・線分の違いを完全に理解できるようになるまで解説する。
そもそも「点」と「線」とは?
図形のすべては「点」から始まる。点とは、位置だけを表すもので、大きさは持たない。ノートに打つ「・」は厳密には点ではないが、位置を示すための印として使う。
点には大きさがない。数学では点をアルファベットの大文字(A, B, Cなど)で表す。
点が動くと、その軌跡として線ができる。では「直線」「半直線」「線分」は何が違うのだろうか。
直線・半直線・線分の違い
この3つの違いは「端があるかないか」である。下の表を見てほしい。
| 名前 | 端の数 | 説明 | 記号 |
|---|---|---|---|
| 直線 | 0個(両方向に無限に伸びる) | 2点を通り、両方向にどこまでも伸びる | 直線AB |
| 半直線 | 1個(片方だけ端がある) | 1点を端として、一方向にどこまでも伸びる | 半直線AB(Aが端点) |
| 線分 | 2個(両方に端がある) | 2点を結ぶ、限られた長さの線 | 線分AB |
端点とは、線の「端っこ」の点のことである。線分には2つの端点があり、半直線には1つの端点がある。
図で理解する
言葉だけではイメージしにくい。下のアニメーションで、それぞれの線がどのように伸びるか確認しよう。
アニメーションで確認できたように、
- 直線:両方向に無限に伸びる(端がない)
- 半直線:片方だけ無限に伸びる(端が1つ)
- 線分:両端で止まる(端が2つ)
赤い四角で囲んだ部分が「端点」である。端点がある場所では、線はそこで終わる。
記号の書き方
それぞれの線には、書き方のルールがある。
直線AB
2点A, Bを通る直線を「直線AB」と書く。AとBの順番を入れ替えて「直線BA」と書いてもよい。両方向に無限に伸びるので、どちらから書いても同じ直線を指す。
半直線AB
点Aを端点として、点Bの方向に伸びる半直線を「半直線AB」と書く。最初に書いた点が端点である。「半直線BA」と書くと、Bが端点になり、別の半直線を指すので注意。
線分AB
点Aと点Bを結ぶ線分を「線分AB」と書く。「線分BA」と書いても同じ線分を指す。長さを表すときは $\text{AB} = 5\text{cm}$ のように書く。
「直線」「線分」は順番を入れ替えても同じものを指すが、「半直線」だけは順番が意味を持つ。これはテストでよく間違えるポイントである。
2点間の距離
2点A, Bの間の距離は、線分ABの長さで表す。これを「2点間の距離」という。
例えば、点Aと点Bの距離が5cmなら、
と表す。このとき「線分AB」と「AB」は同じ意味で使われることが多い。
直線上の点
「点Pは直線AB上にある」とは、点Pが直線ABのどこかに位置していることを意味する。
点Pは、AとBの間だけでなく、Aの外側やBの外側にあってもよい。「直線上」なので、直線が伸びている範囲ならどこでもよいのである。
一方、「点Pは線分AB上にある」と言われた場合は、点Pは必ずAとBの間にある。線分には端があるからである。
よくある間違いと対策
半直線の順番を間違える
「半直線AB」と「半直線BA」は別物である。半直線は「最初に書いた点が端点」と覚えよう。端点を間違えると、全く違う方向を向いた半直線になってしまう。
直線と線分を混同する
「直線ABの長さ」という言い方は存在しない。直線は無限に伸びるので、長さは測れない。長さがあるのは「線分」だけである。
「直線上」と「線分上」を混同する
「直線AB上の点」は、AとBの間だけでなく、外側にあってもよい。「線分AB上の点」は、必ずAとBの間にある。問題文をよく読んで区別しよう。
この単元のよくある質問
Q. 直線は2点がないと決まらないのですか?
A. そのとおりである。1点だけでは、その点を通る直線は無数に引ける。2点を決めると、その2点を通る直線はただ1本に決まる。これを「2点を通る直線は1本だけ」という。
Q. 線分ABと線分BAは同じですか?
A. 同じである。線分は両端があるだけで、向きを持たない。AからBへ向かうか、BからAへ向かうかの区別はなく、どちらも同じ線分を指す。
Q. 半直線にはなぜ向きがあるのですか?
A. 半直線は「端点」と「伸びる方向」の2つで決まるからである。端点Aから点Bの方向に伸びるのが「半直線AB」、端点Bから点Aの方向に伸びるのが「半直線BA」であり、これらは全く別の半直線になる。
練習問題
(ア)直線AB (イ)半直線AB (ウ)線分AB
(ア)半直線AB (イ)半直線CA (ウ)半直線BC
まとめ
この記事では、直線・半直線・線分の違いを学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 直線:端がなく、両方向に無限に伸びる
- 半直線:端点が1つあり、一方向に無限に伸びる(順番が重要)
- 線分:端点が2つあり、長さが測れる
- 「直線上の点」と「線分上の点」では、点の位置の範囲が異なる
この3つの区別ができれば、図形の問題文を正確に読み取れるようになる。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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