「二等辺三角形の2つの底角は等しい」と教わったとき、「なぜそうなるのか」を説明できるだろうか。
公式として丸暗記しているだけでは、証明問題や応用問題で手が止まってしまう。実は、この性質は「三角形の合同」を使えば自分で証明できるものである。
この記事では、二等辺三角形の性質を図と証明で完全に理解できるようになるまで、順を追って解説する。
そもそも二等辺三角形とは?
二等辺三角形とは、2つの辺の長さが等しい三角形のことである。
「二等辺」は「2つの辺が等しい」という意味である。英語では isosceles triangle という。
二等辺三角形には、3つの重要な用語がある。
- 頂角:等しい2辺が交わる点の角
- 底角:頂角の反対側にある2つの角
- 底辺:頂角の向かい側にある辺
具体的に見てみよう。下の三角形ABCで、AB = AC のとき、
- 頂角は ∠A
- 底角は ∠B と ∠C
- 底辺は BC
となる。
緑のマーク(短い線)は「長さが等しい」ことを示す記号である。同じ数のマークがついた辺は長さが等しい。
二等辺三角形の性質を図で理解する
二等辺三角形には、次の重要な性質がある。
2つの底角は等しい。
(AB = AC ならば ∠B = ∠C)
この性質がなぜ成り立つのか、アニメーションで確認しよう。
アニメーションの流れを説明する。
- 頂角Aの二等分線を引き、底辺BCとの交点をMとする
- △ABMと△ACMに分割する
- 2つの三角形が合同であることを示す
- 合同な三角形では対応する角が等しいので、∠B = ∠C
二等辺三角形の性質の証明
なぜ底角が等しいのか、証明を書いてみよう。
仮定と結論を確認する
仮定:AB = AC(二等辺三角形)
結論:∠B = ∠C(底角が等しい)
補助線を引く
頂角Aの二等分線を引き、底辺BCとの交点をMとする。
合同を示す三角形を決める
△ABM と △ACM が合同であることを示す。
合同条件を確認する
△ABM と △ACM において、
- AB = AC(仮定より)
- ∠BAM = ∠CAM(AMは∠Aの二等分線より)
- AM = AM(共通な辺)
よって、2辺とその間の角がそれぞれ等しいから、
△ABM ≡ △ACM(SAS:2辺夾角相等)
結論を導く
合同な三角形では、対応する角は等しい。
∠ABM と ∠ACM は対応する角だから、
∠B = ∠C
SASとは「Side-Angle-Side」の略で、「2辺とその間の角」という意味である。日本語では「2辺夾角相等」という。
二等辺三角形の性質の逆
二等辺三角形の性質には「逆」も成り立つ。
2つの角が等しい三角形は、二等辺三角形である。
(∠B = ∠C ならば AB = AC)
つまり、「2つの角が等しい」ことがわかれば、その三角形は二等辺三角形だと判断できる。
よくある間違いと対策
二等辺三角形を扱うとき、次のような間違いをしやすい。注意しよう。
頂角と底角を取り違える
「等しい2辺が交わる点の角」が頂角である。底辺の両端にある角が底角である。
図を描いて確認する習慣をつけよう。
底辺を「下にある辺」と思い込む
底辺は位置ではなく、「頂角の向かい側の辺」である。三角形を回転させても、底辺の定義は変わらない。
証明で「共通な辺」を忘れる
合同を示すとき、「AM = AM」のように同じ辺であることを必ず書く。自明に見えても省略しないこと。
この単元のよくある質問
Q. 二等辺三角形の頂角が90°のとき、底角は何度になりますか?
A. 底角は45°である。三角形の内角の和は180°なので、2つの底角の和は180° – 90° = 90°となる。底角は等しいから、90° ÷ 2 = 45°である。
Q. 正三角形も二等辺三角形に含まれますか?
A. 含まれる。正三角形は3辺すべてが等しいので、「2辺が等しい」という条件を満たしている。つまり正三角形は「特別な二等辺三角形」といえる。
Q. 二等辺三角形の底角が30°のとき、頂角は何度ですか?
A. 頂角は120°である。底角が2つで30° × 2 = 60°、頂角は180° – 60° = 120°となる。
練習問題
まとめ
この記事では、二等辺三角形の性質について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 二等辺三角形とは、2辺の長さが等しい三角形である
- 頂角は等しい2辺が交わる点の角、底角はその反対側の2つの角である
- 二等辺三角形の2つの底角は等しい(性質)
- 2つの角が等しい三角形は二等辺三角形である(性質の逆)
- 証明では、頂角の二等分線を引いて合同を示すのが基本
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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