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【平面図形】二等辺三角形になる条件|性質の逆【中2数学】【必須】

「二等辺三角形の2つの底角は等しい」——この性質を知っている人は多いだろう。では、逆に「2つの角が等しければ、その三角形は二等辺三角形になる」と言えるだろうか。

証明問題で「この三角形が二等辺三角形であることを示せ」と出てきたとき、どこから手をつければいいかわからない、という声をよく聞く。実は、二等辺三角形を見つけるための「条件」を知っていれば、証明の方針は自然と決まるのである。

この記事では、二等辺三角形になる条件(性質の逆)を、図とアニメーションで視覚的に理解し、証明問題に使えるようになるまで解説する。

対象:中学2年 所要時間:約10分
目次

そもそも「二等辺三角形の性質」とは?

まず、二等辺三角形の基本的な性質を確認しよう。

二等辺三角形にとうへんさんかくけいとは、2つの辺の長さが等しい三角形のことである。等しい2辺を等辺とうへん、残りの1辺を底辺ていへんという。

二等辺三角形には、次の性質がある。

性質1

2つの底角は等しい

等辺の両端にある角(底角)の大きさは等しい。

性質2

頂角ちょうかく二等分線にとうぶんせんは、底辺を垂直すいちょくに二等分する

頂点から底辺に引いた二等分線は、底辺の中点ちゅうてんを通り、底辺と直角に交わる。

これらは「二等辺三角形であれば成り立つ性質」である。では、この逆——つまり「性質が成り立てば、二等辺三角形である」と言えるのだろうか。

二等辺三角形になる条件(性質の逆)

結論から言うと、2つの角が等しければ、その三角形は二等辺三角形である。これは性質1の「逆」にあたる。

$$\text{性質:} \quad AB = AC \Rightarrow \angle B = \angle C$$
$$\text{逆(条件):} \quad \angle B = \angle C \Rightarrow AB = AC$$

数学では「AならばB」の逆は「BならばA」である。性質の逆が常に正しいとは限らないが、二等辺三角形の場合は逆も正しいのである。

証明問題では、この「条件」を使って二等辺三角形であることを示す。つまり、2つの角が等しいことを証明できれば、その三角形は二等辺三角形だと結論づけられるのである。

なぜ逆が成り立つのか?図で理解する

「2つの角が等しければ、2つの辺も等しくなる」ことを、視覚的に確認してみよう。

アニメーションでは、まず $\angle B = \angle C$ という仮定を確認し、そこから $AB = AC$ という結論が導かれる流れを示している。

逆が成り立つことの証明

なぜ「2つの角が等しければ、2つの辺も等しくなる」と言えるのか。これを証明しょうめいしてみよう。

証明の流れを確認しよう。

1

補助線を引く

頂点Aから底辺BCの中点Mに線を引く。

2

2つの三角形を比較する

△ABMと△ACMを考える。

3

合同条件ごうどうじょうけんを確認する

  • $\angle ABM = \angle ACM$(仮定より $\angle B = \angle C$)
  • $BM = CM$(Mは中点だから)
  • $AM$ は共通

よって、1辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、△ABM ≡ △ACM

4

結論を導く

合同な三角形の対応する辺は等しいので、$AB = AC$

この証明では「1辺とその両端の角がそれぞれ等しい」(ASA)という合同条件を使っている。合同を示すことで、辺の長さが等しいことを証明できるのである。

「条件」を使う場面

では、実際の問題で「二等辺三角形になる条件」をどう使うのか見てみよう。

【典型的な出題パターン】

「△ABCが二等辺三角形であることを証明せよ」という問題が出たとき、次の2つのアプローチがある。

方法1

2辺が等しいことを示す

$AB = AC$(または $AB = BC$、$AC = BC$)を直接示す。

方法2

2角が等しいことを示す(条件を使う)

$\angle B = \angle C$ を示し、「2つの角が等しいので二等辺三角形である」と結論づける。

多くの場合、方法2の方が証明しやすい。なぜなら、角の大きさは錯角さっかく同位角どういかく・三角形の内角の和などから求めやすいからである。

例題で確認しよう

実際に「条件」を使った証明問題を解いてみよう。

例題

下の図で、$AB \parallel CD$ のとき、△OBCが二等辺三角形であることを証明せよ。

【証明の方針】

$\angle OBC = \angle OCB$ を示せば、二等辺三角形の条件より $OB = OC$ となる。

【証明】

$$\begin{aligned} & AB \parallel CD \text{ より} \\[8pt] & \angle ABO = \angle DOC \quad \text{(同位角)} \\[8pt] & \angle BAO = \angle CDO \quad \text{(同位角)} \end{aligned}$$
$$\begin{aligned} & \text{また、対頂角より} \\[8pt] & \angle AOB = \angle COD \end{aligned}$$
$$\begin{aligned} & \text{△AOBと△CODにおいて} \\[8pt] & \angle ABO = \angle DCO \quad \text{(錯角)} \\[8pt] & \angle OBC = \angle OCB \end{aligned}$$

2つの角が等しいので、△OBCは二等辺三角形である。(証明終わり)

この問題のポイントは、直接 $OB = OC$ を示すのではなく、角の等しさから二等辺三角形であることを導いた点である。平行線の性質を使うと角の関係が見えやすくなる。

よくある間違いと対策

間違い1

「二等辺三角形だから角が等しい」と逆に使ってしまう

証明問題では、まだ二等辺三角形かどうかわからない。角が等しいことを先に示してから、二等辺三角形と結論づける順番を守ろう。

間違い2

「等しい角」の位置を間違える

二等辺三角形の条件で使うのは「底角」にあたる2つの角である。頂角とどちらかの底角が等しいことを示しても、二等辺三角形とは言えない。

間違い3

「なぜ等しいのか」の根拠を書かない

「$\angle B = \angle C$ だから二等辺三角形」とだけ書くのは不十分。なぜ $\angle B = \angle C$ と言えるのか(錯角、同位角、計算など)を必ず書こう。

この単元のよくある質問

Q. 性質と条件の違いがよくわかりません。

A. 性質は「二等辺三角形であれば、○○が成り立つ」という話で、条件は「○○が成り立てば、二等辺三角形である」という話である。矢印の向きが逆になっている。証明問題で二等辺三角形を示したいときは「条件」を使う。

Q. 2辺が等しいことを示す方法と、2角が等しいことを示す方法、どちらを使えばいいですか?

A. 問題によって使い分ける。平行線が出てくる問題では角の関係が見つけやすいので「2角が等しい」方が楽なことが多い。合同な三角形が見つかっている場合は「対応する辺が等しい」ことから2辺を示せることもある。

Q. 「2つの角が等しい」のに、正三角形になることはないですか?

A. ある。3つの角がすべて60°で等しければ正三角形になる。正三角形は「3つの辺が等しい」という特別な二等辺三角形と考えることができる。ただし、2つの角が等しいだけなら、二等辺三角形であることまでしか言えない。

練習問題

問1. △ABCにおいて、$\angle A = 70°$、$\angle B = 55°$ のとき、この三角形は二等辺三角形であるか。二等辺三角形であれば、等しい2辺を答えよ。
問2. 下の図で、$l \parallel m$ であるとき、△ABCが二等辺三角形であることを証明せよ。
問3. 「2つの辺が等しい三角形は、その2辺に対する角が等しい」という命題の逆を述べ、その逆が正しいかどうか答えよ。

まとめ

この記事では、二等辺三角形になる条件(性質の逆)について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 2つの角が等しければ、その三角形は二等辺三角形である(これが「条件」)
  • 証明問題では、2辺が等しいことを直接示すより、2角が等しいことを示す方が楽なことが多い
  • 平行線があれば、錯角・同位角を使って角の等しさを導ける
  • 性質(二等辺→角が等しい)と条件(角が等しい→二等辺)の向きを混同しないこと

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