「正三角形」と聞くと、なんとなく形はわかるけれど、テストで「なぜ60°になるのか説明せよ」と問われると困る——そんな経験はないだろうか。
実は、正三角形の性質を「暗記」だけで済ませている人が多い。しかし、なぜそうなるのかを理解していないと、証明問題や応用問題でつまずいてしまう。
この記事では、正三角形の定義から性質の証明まで、図解とアニメーションで順を追って解説する。読み終わる頃には「正三角形なら60°」と自信を持って言えるようになる。
そもそも正三角形とは?
正三角形とは、3つの辺の長さがすべて等しい三角形のことである。
「正」という字には「ととのった」「偏りがない」という意味がある。正三角形は、どの辺も同じ長さで、最もバランスのとれた三角形である。
例えば、3辺の長さがすべて5cmの三角形は正三角形である。一方、2辺だけが等しい三角形は二等辺三角形であり、正三角形とは区別される。
正三角形の2つの性質
正三角形には、覚えておくべき重要な性質が2つある。
これは正三角形の定義そのものである。$AB = BC = CA$ が成り立つ。
$\angle A = \angle B = \angle C = 60°$ が成り立つ。
三角形の内角の和は180°である。3つの角が等しいので、$180° \div 3 = 60°$ となる。
なぜ3つの角が等しくなるのか?
「正三角形だから60°」と丸暗記するのではなく、なぜそうなるのかを理解しよう。ここでは、二等辺三角形の性質を使って証明する。
証明の流れ
正三角形ABCにおいて、3つの辺が等しいことから、次のように考える。
$AB = AC$ なので、△ABCは辺ABと辺ACを等しい辺とする二等辺三角形である。
二等辺三角形の底角は等しいので、$\angle B = \angle C$ が成り立つ。
$BA = BC$ なので、△ABCは辺BAと辺BCを等しい辺とする二等辺三角形である。
二等辺三角形の底角は等しいので、$\angle A = \angle C$ が成り立つ。
ステップ1より $\angle B = \angle C$、ステップ2より $\angle A = \angle C$ である。
したがって、$\angle A = \angle B = \angle C$ が成り立つ。
三角形の内角の和は180°なので、
3つの角が等しいので、$\angle A = \angle B = \angle C = x$ とおくと、
この証明のポイントは「正三角形を二等辺三角形として見る」ことである。3辺が等しければ、どの2辺を選んでも二等辺三角形になる。
正三角形の性質を図で理解する
正三角形の性質を、アニメーションで確認しよう。「アニメーション再生」ボタンを押すと、3辺が等しいこと、3角が等しいことが順番に表示される。
アニメーションで確認したように、正三角形では「3辺が等しい」と「3角が60°で等しい」という2つの性質が同時に成り立っている。
正三角形の見つけ方
問題を解くとき、正三角形を見つける方法は2通りある。
「$AB = BC = CA$」とわかれば、その三角形は正三角形である。
「$\angle A = \angle B = \angle C = 60°$」とわかれば、その三角形は正三角形である。
実は「3つの角が等しい三角形は正三角形である」という逆も成り立つ。これは、二等辺三角形の性質の逆を使って証明できる。
正三角形と二等辺三角形の関係
正三角形と二等辺三角形はどのような関係にあるのだろうか。
| 三角形の種類 | 辺の条件 | 角の条件 |
|---|---|---|
| 二等辺三角形 | 2辺が等しい | 2角(底角)が等しい |
| 正三角形 | 3辺がすべて等しい | 3角がすべて60° |
正三角形は、二等辺三角形の特別な場合である。2辺が等しいだけでなく、3辺すべてが等しくなった三角形が正三角形である。
したがって、正三角形には二等辺三角形の性質がすべて当てはまる。例えば、正三角形ABCで頂点Aから辺BCに垂線を下ろすと、その垂線は辺BCを二等分する。
よくある質問と答え
Q. 正三角形の1つの角が60°と問題に書いてあれば、残りの角も60°と言えますか?
A. いいえ、それだけでは言えません。「正三角形である」という条件があって初めて、3つの角がすべて60°と言えます。ただの三角形で1つの角が60°の場合、残りの角は60°とは限りません。例えば、角が60°・80°・40°の三角形も存在します。問題文に「正三角形」と書いてあるかどうかを必ず確認しましょう。
Q. 正三角形と正方形はどう違うのですか?
A. 正三角形は「3辺がすべて等しい三角形」、正方形は「4辺がすべて等しく、4つの角がすべて90°の四角形」です。どちらも「正」がつく図形ですが、辺の数が違います。「正」には「すべての辺が等しい」という意味があり、正五角形(5辺が等しい)、正六角形(6辺が等しい)なども同じ考え方です。
Q. 証明問題で「二等辺三角形の底角は等しい」を使ってよいのですか?
A. はい、中学2年で学習済みの性質なので、証明問題で使って構いません。むしろ、正三角形の角が等しいことを示すには、この性質を使うのが最も自然な証明方法です。ただし、「二等辺三角形の底角は等しいから」と理由を明記することを忘れないようにしましょう。
よくある間違いと対策
正三角形の角は60°である。30°は直角(90°)の3分の1、または正三角形の半分に当たる角度であり、混同しやすい。
対策:「$180° \div 3 = 60°$」と計算で確認する習慣をつける。
正三角形は「3辺が等しい」、二等辺三角形は「2辺が等しい」である。正三角形は二等辺三角形の特別な場合だが、逆は成り立たない。
対策:問題文に「正三角形」と書いてあるか、「二等辺三角形」と書いてあるかを必ず確認する。
「$\angle B = \angle C$」と書くだけでなく、「二等辺三角形の底角は等しいから」と理由を添える必要がある。
対策:証明では「〜だから」「〜より」「〜なので」と理由を明記する癖をつける。
練習問題
まとめ
この記事では、正三角形の定義と性質について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 正三角形とは、3つの辺の長さがすべて等しい三角形である
- 正三角形の3つの角は、すべて60°で等しい
- 正三角形を二等辺三角形として見ることで、角が等しいことを証明できる
- 正三角形は二等辺三角形の特別な場合である
正三角形の性質は、合同の証明や作図問題でもよく使われる。「3辺が等しい」と「3角が60°」という2つの性質をしっかり覚えておこう。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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