MENU
図やアニメーションが崩れている場合はご連絡ください。

【平面図形】垂線の作図|点から直線への垂線【中1数学】【必須】

「垂線を引きなさい」と言われて、定規で適当に直角っぽく線を引いていないだろうか。

実はそれ、テストでは減点される。作図問題では「コンパスと定規だけで正確に描く」ことが求められるからだ。

垂線の作図でつまずく人の多くは、「なぜその手順で直角になるのか」を理解せずに丸暗記しようとしている。この記事では、点から直線に垂線を下ろす作図法を、図解とアニメーションで順を追って解説する。手順の意味がわかれば、暗記しなくても自然と手が動くようになる。

対象:中学1年 所要時間:約8分
目次

そもそも垂線とは?

垂線すいせんとは、ある直線に対して垂直すいちょくに交わる線のことである。垂直とは、2つの直線が90°(直角)で交わる状態を指す。

垂直の記号:直線 $\ell$ と直線 $m$ が垂直であることを $\ell \perp m$ と書く。「$\perp$」は「垂直」を表す記号である。

今回学ぶのは、「直線 $\ell$ の外にある点Pから、直線 $\ell$ に垂線を下ろす」という作図である。

$$\text{点Pから直線}\ell\text{に垂線を引く} \Rightarrow \text{PHが最短距離}$$

点Pから直線 $\ell$ に下ろした垂線の足(交点)をHとすると、PHの長さは「点Pと直線 $\ell$ の距離」と呼ばれ、これが最も短い距離となる。

垂線の作図を図で理解する

まずは完成図を見てみよう。点Pから直線 $\ell$ に垂線PHを引いた状態である。

この図を、コンパスと定規だけで正確に描く方法を学んでいく。

作図の原理:なぜこの方法で垂線が引けるのか

作図の手順を覚える前に、「なぜこれで垂直になるのか」を理解しておこう。

アニメーションを再生すると、作図の原理がわかる。

ポイント:点Pから等しい距離にある直線上の2点A, Bを見つけると、線分ABの中点Hは自動的にPの真下に来る。なぜなら、PA = PB かつ HA = HB のとき、PHは線分ABの垂直二等分線すいちょくにとうぶんせんになるからである。

垂線の作図手順

では実際の作図手順を見ていこう。使うのはコンパスと定規だけである。

1

点Pを中心に、直線 $\ell$ と2点で交わる円を描く

コンパスの針を点Pに刺し、直線 $\ell$ と2か所で交わるように円(または円弧)を描く。この2つの交点をA, Bとする。

2

点Aを中心に円弧を描く

コンパスの開きをABの半分より大きくして、点Aを中心に円弧を描く。この円弧は直線 $\ell$ の下側(Pと反対側)に描く。

3

点Bを中心に、同じ半径で円弧を描く

コンパスの開きを変えずに、点Bを中心に円弧を描く。手順2の円弧と交わる点をQとする。

4

点Pと点Qを結ぶ

定規を使って、点Pと点Qを直線で結ぶ。この直線が直線 $\ell$ と交わる点が垂線の足Hである。

作図の様子をアニメーションで確認

アニメーションで確認できたように、作図には4つのステップがある。ポイントは、手順2と手順3で同じコンパスの開きを使うことである。これにより、QA = QB となり、Qは線分ABの垂直二等分線上に位置する。

なぜこれで垂線が引けるのか

作図の正しさを確認しよう。

1

点Pを中心とする円によって、PA = PB である。

2

点A, Bを中心とする同じ半径の円弧によって、QA = QB である。

3

PA = PB、QA = QB より、点Pと点Qはともに「A, Bから等距離にある点」である。

4

2点から等距離にある点の集合しゅうごうは、その2点を結ぶ線分の垂直二等分線である。

5

よって、直線PQは線分ABの垂直二等分線であり、直線 $\ell$ (線分ABを含む直線)と垂直に交わる。

よくある間違いと対策

垂線の作図でよくある間違いを確認しよう。

1. 円弧の半径が小さすぎて交わらない

手順2, 3で描く円弧は、ABの半分より大きい半径でなければならない。半径が小さいと、2つの円弧が交わらず、点Qが決まらない。

対策:コンパスの開きを「ABの長さの半分より明らかに大きく」設定してから描く。

2. 手順2と手順3で半径を変えてしまう

点Aからの円弧と点Bからの円弧は、必ず同じ半径で描かなければならない。半径が異なると、QA ≠ QB となり、垂直にならない。

対策:手順2でコンパスを開いたら、手順3が終わるまでコンパスの開きを絶対に変えない。

3. 円弧を直線の同じ側に描いてしまう

円弧は直線 $\ell$ の下側(点Pと反対側)に描く。上側に描くと点Qが点Pと重なってしまい、垂線が引けない。

対策:「点Pの反対側」と意識して円弧を描く。

この単元のよくある質問

Q. 手順1の円は完全な円を描かなくてもいいのですか?

A. 直線との交点A, Bさえわかれば十分なので、円弧だけでも構わない。ただし、Aが左側、Bが右側に来るように、直線と2か所で交わる程度の大きさは必要である。

Q. 点Qを決めるとき、直線より上側に取ってもいいのですか?

A. 数学的には上側でも問題ない。ただし、点Pと点Qが近すぎると直線を引きにくくなるため、Pと反対側(下側)に取る方が作図しやすい。

Q. 垂線の作図と垂直二等分線の作図は何が違うのですか?

A. 垂直二等分線の作図は「与えられた線分ABの中点を通り、ABに垂直な直線」を引く。今回の作図は「与えられた点Pから直線に垂線を下ろす」であり、出発点が異なる。ただし、どちらも「2点から等距離にある点を結ぶ」という同じ原理を使っている。

練習問題

問1. 次の図で、点Pから直線 $\ell$ に垂線を引く作図をせよ。作図に必要な線はすべて残すこと。
問2. 点Pから直線 $\ell$ への垂線の作図において、手順2と手順3で同じ半径を使う必要がある理由を説明せよ。
問3. 点から直線に垂線を下ろしたとき、その垂線の長さは「点と直線の距離」と呼ばれる。この距離が最短距離となる理由を、三角形の辺の関係を用いて説明せよ。

まとめ

この記事では、点から直線に垂線を下ろす作図法を学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 垂線の作図は「垂直二等分線の原理」を利用している
  • 手順1でPA = PB、手順2・3でQA = QBとなる点を作る
  • P, Qはともに「A, Bから等距離」なので、直線PQはABの垂直二等分線
  • 手順2と手順3では必ず同じコンパスの開きを使う

作図の手順を丸暗記するのではなく、「なぜこれで垂直になるのか」を理解しておけば、どんな問題にも対応できる。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

コメント

コメントする

目次