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【平面図形】円の性質まとめ|入試頻出パターン【中3数学】【応用】

円の問題を見た瞬間、「何から手をつければいいかわからない」と固まってしまう。そんな経験はないだろうか。

実は、入試で問われる円の性質は、たった5つのパターンに集約される。どれだけ複雑に見える問題でも、この5つのどれかを使えば必ず解ける。

問題が解けないのは、知識が足りないからではない。「どの性質を使うか」を判断する練習が足りていないだけである。この記事では、円の性質を体系的に整理し、問題を見た瞬間に解法が浮かぶ状態を目指す。

対象:中学3年 所要時間:約15分
目次

円の5大性質|これさえ押さえれば入試は怖くない

円に関する問題で使う性質は、以下の5つに分類できる。まずは全体像を把握しよう。

性質 内容 使う場面
円周角えんしゅうかくの定理 同じに対する円周角は等しい 角度を求めるとき
② 中心角と円周角 中心角は円周角の2倍 中心が与えられたとき
③ 直径と円周角 直径に対する円周角は90° 直角を見つけるとき
接線せっせんの性質 接線は接点で半径と垂直すいちょく 接線が出てきたとき
⑤ 接線の長さ 1点から引いた2本の接線の長さは等しい 長さを求めるとき

この5つを「見たら反射的に思い出す」レベルまで身につけることが目標である。順番に確認していこう。

性質①|円周角の定理ていり

円周角の定理は、円の問題で最も頻繁に使う性質である。

$$\text{同じ弧に対する円周角は、すべて等しい}$$

言葉だけではわかりにくいので、図で確認しよう。

弧ABに対して、円周上のどこに点Pや点Qをとっても、∠APBと∠AQBは等しくなる。

「同じ弧を見ている」という条件がポイントである。弧が同じなら、角度も同じ。これが円周角の定理の本質である。

性質②|中心角と円周角の関係

円の中心Oを使うと、円周角と中心角には次の関係がある。

$$\text{中心角} = \text{円周角} \times 2$$

逆に言えば、円周角は中心角の半分である。

例えば、円周角が35°なら、中心角は70°になる。

活用場面

問題に円の中心Oが書かれていたら、この関係を使う可能性が高い。中心角がわかれば円周角が求まり、円周角がわかれば中心角が求まる。

性質③|直径に対する円周角は90°

これは性質②の特別な場合である。直径に対する中心角は180°なので、円周角はその半分で90°になる。

$$\text{直径に対する円周角} = 90°$$

直径ABに対して、円周上のどこに点PやQをとっても、∠APBや∠AQBは必ず90°になる。

活用場面

「直角を見つけたい」「直角三角形を作りたい」ときに使う。逆に、円周角が90°なら、その弧は直径である。

性質④|接線は接点で半径と垂直

円の接線とは、円と1点だけで接する直線のことである。この接線と半径には、重要な関係がある。

$$\text{接線} \perp \text{接点における半径}$$

記号「$\perp$」は「垂直」を意味する。接線と半径は、接点で必ず90°で交わる。

活用場面

接線が出てきたら、接点と中心を結んで直角三角形を作る。三平方の定理や三角比が使えるようになる。

性質⑤|1点から引いた2接線の長さは等しい

円の外側の1点から、円に2本の接線を引くことができる。このとき、接点までの距離は等しくなる。

$$PA = PB \quad \text{(Pは円外の点、A・Bは接点)}$$

この性質は、△PAOと△PBOが合同であることから証明しょうめいできる(OA = OB = 半径、∠PAO = ∠PBO = 90°、POは共通)。

活用場面

円に内接ないせつする三角形や四角形の辺の長さを求めるときに使う。「接線の長さが等しい」ことを式にして方程式を立てることが多い。

例題|5つの性質を使い分ける

実際の問題で、どの性質を使うか判断する練習をしよう。

例題1

下の図で、点Pは円周上にある。∠APB を求めよ。ただし、∠AOB = 80° とする。

考え方:中心Oが与えられている → 性質②(中心角と円周角の関係)を使う。

$$\begin{aligned} \text{中心角} &= \text{円周角} \times 2 \\[8pt] 80° &= \angle APB \times 2 \\[8pt] \angle APB &= 40° \end{aligned}$$
例題2

下の図で、ABは円の直径である。∠ACB を求めよ。

考え方:「直径」という言葉がある → 性質③を使う。

$$\angle ACB = 90°$$

直径に対する円周角は、必ず90°になる。

入試での判断フローチャート

問題を見たときに、どの性質を使うか迷わないためのフローチャートを示す。

このフローに従えば、問題を見た瞬間にどの性質を使うか判断できる。

よくある間違いと対策

間違い1

円周角と中心角を逆に計算する

中心角 = 円周角 × 2 である。「÷2」と「×2」を間違えやすい。

対策:中心角は「中央」にあるから「大きい」と覚える。大きい方が×2。

間違い2

異なる弧に対する円周角を等しいと思い込む

円周角の定理が使えるのは「同じ弧」に対する角度だけである。

対策:2つの角が「同じ弧」を見ているか、必ず確認する。

間違い3

接線なのに直角を使い忘れる

接線と半径は接点で90°。この直角を見落とすと、三平方の定理が使えない。

対策:接線を見たら、接点に直角マークを書き込む習慣をつける。

この単元のよくある質問

Q. 円周角の定理と中心角の関係の、どちらを先に使えばいいですか?

A. 問題に円の中心Oが描かれていれば、中心角と円周角の関係(性質②)を優先する。中心が描かれていなければ、円周角の定理(性質①)を使う。この判断を図を見た瞬間に行えるようになることが目標である。

Q. 接線の問題で、どこに直角を作ればいいかわかりません。

A. 接点と円の中心を結ぶ線を引く。この線と接線が90°で交わる。問題文に接点の位置が書いてあるので、そこに直角マークを書き込むのが第一歩である。

Q. 直径に対する円周角が90°になる理由がわかりません。

A. 直径に対する中心角は180°(半円)である。円周角は中心角の半分なので、180° ÷ 2 = 90° になる。性質②の特別な場合として理解するとよい。

練習問題

問1. 下の図で、点A, B, Cは円周上にあり、∠BAC = 35° である。同じ弧BCに対する円周角∠BDC を求めよ。ただし、点Dも円周上にある。
問2. 下の図で、Oは円の中心である。∠APB = 25° のとき、∠AOB を求めよ。
問3. 下の図で、PTは円の接線、Tは接点である。OT = 5cm、OP = 13cm のとき、PTの長さを求めよ。

まとめ

この記事では、入試で頻出する円の5大性質を整理した。ポイントは以下の通りである。

  • 性質①:同じ弧に対する円周角は等しい
  • 性質②:中心角 = 円周角 × 2
  • 性質③:直径に対する円周角 = 90°
  • 性質④:接線は接点で半径と垂直
  • 性質⑤:1点から引いた2接線の長さは等しい

問題を見たら、フローチャートに従ってどの性質を使うか判断する。これを繰り返すことで、考えなくても手が動く状態になる。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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