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【平面図形】補助線テクニック|図形問題の解法【中3数学】【応用】

図形問題で「どこに補助線ほじょせんを引けばいいかわからない」と悩んだことはないだろうか。

公式は覚えたのに、いざ問題を前にすると手が止まる。補助線を引く人の解説を見ても「なぜそこに引くのか」がわからない。そんな経験をしている人は多い。

実は、補助線には「この形を見たら、ここに引く」という定番パターンがある。センスではなく、型を知っているかどうかの問題である。この記事では、中学数学で頻出の補助線パターンを6つ厳選し、「なぜそこに引くのか」まで徹底解説する。

対象:中学3年 所要時間:約15分
目次

そもそも補助線とは?

補助線とは、問題の図には描かれていないが、解くために自分で追加する線のことである。

補助線ほじょせんを引く目的は、「隠れている関係を見えるようにすること」である。例えば、三角形の中に新しい三角形を作って合同ごうどう相似そうじを利用したり、平行線を引いて錯角や同位角を使えるようにしたりする。

補助線を引くかどうかは、問題文や図から判断する。次のような場合に補助線が有効である。

  • 角度や長さを直接求められない
  • 等しい角や等しい辺があるのに、活かせる図形がない
  • 対角線たいかくせん垂線すいせん、中点を結ぶ線などが見当たらない

補助線の6つの定番パターン

ここからは、中学数学で最も使う補助線パターンを6つ紹介する。「この形を見たら、この補助線」という対応を覚えておこう。

パターン1:平行線を引いて錯角・同位角を作る

使う場面:離れた2つの角の関係を求めたいとき

なぜこの補助線か:平行線 ℓ と m があり、斜めの線が交わる点で角度を求めたいとき、途中に平行な補助線 n を引く。すると、ℓ と n、n と m のそれぞれで錯角さっかくが等しいことが使える。

1

交点を通り、平行線と平行な補助線を引く

2

上側の平行線との錯角を見つける(角 a)

3

下側の平行線との錯角を見つける(角 b)

4

求める角 = a + b として計算する

パターン2:頂点から対辺に垂線を下ろす

使う場面:三角形の面積、高さ、または三平方の定理さんへいほうのていりを使いたいとき

なぜこの補助線か:三角形の面積は「底辺 × 高さ ÷ 2」で求める。高さがわからないとき、頂点から対辺(またはその延長)に垂線すいせんを下ろせば、直角三角形ができる。これで三平方の定理が使えるようになる。

垂線を下ろす先は、必ずしも辺の上とは限らない。鈍角三角形どんかくさんかくけいでは、辺の延長線上に垂線の足が来ることもある。

パターン3:中点を結んで中点連結定理を使う

使う場面:「〜の中点」という条件があるとき

なぜこの補助線か:三角形の2辺の中点を結ぶと、中点連結定理ちゅうてんれんけつていりが使える。この定理により、

  • 中点を結んだ線分は、残りの辺に平行
  • 中点を結んだ線分の長さは、残りの辺の半分

という2つの性質が一度に得られる。

パターン4:対角線を引いて三角形を作る

使う場面:四角形の問題を解くとき

なぜこの補助線か:四角形の性質は覚えにくいが、対角線たいかくせんを引けば三角形に分割できる。三角形なら合同・相似・三平方の定理など、使える道具が一気に増える。

平行四辺形なら対角線が互いに他を二等分する、ひし形なら対角線が直交する、など、四角形の種類によって対角線の性質が異なる。これらの性質を使う問題では、対角線を引くのが定石である。

パターン5:円の中心と円周上の点を結ぶ

使う場面:円に関する問題で、半径の長さを使いたいとき

なぜこの補助線か:円の半径はんけいはすべて等しい。中心から円周上の2点に線を引けば、二等辺三角形にとうへんさんかくけいができる。二等辺三角形は底角が等しいので、角度の計算に役立つ。

パターン6:平行線を延長して相似な三角形を作る

使う場面:線分の比を求めたいとき

なぜこの補助線か:DE // BC のとき、△ADE と △ABC は相似である。相似な図形では対応する辺の比が等しいので、

$$\frac{AD}{AB} = \frac{AE}{AC} = \frac{DE}{BC}$$

という関係が成り立つ。この比を使えば、長さがわからない辺も求められる。

例題で補助線の引き方を確認する

ここまでの6パターンを実際に使ってみよう。

例題

下の図で、四角形ABCDは平行四辺形であり、点Eは辺BC上の点である。AEとBDの交点をFとするとき、AF : FE を求めよ。ただし、BE : EC = 1 : 2 とする。

解答

1

相似な三角形を探す

△ABF と △EDF に注目する。AD // BC(平行四辺形の性質)なので、AD // BE である。

2

相似の証明

∠AFB = ∠EFD(対頂角)

∠ABF = ∠EDF(錯角、AD // BE)

よって、△ABF ∽ △EDF(2角相等)

3

辺の比を求める

BE : EC = 1 : 2 より、BE = $\dfrac{1}{3}$BC

平行四辺形では AD = BC なので、AD : BE = BC : $\dfrac{1}{3}$BC = 3 : 1

4

AF : FE を求める

△ABF ∽ △EDF より、対応する辺の比は AD : BE = 3 : 1

したがって、AF : FE = 3 : 1

$$\therefore \quad AF : FE = 3 : 1$$

補助線を引くときの考え方

6つのパターンを覚えたら、次は「どのパターンを使うか」を判断する力をつけよう。

判断のポイント

問題の条件 試す補助線
「平行」が出てきた パターン1(平行線)、パターン6(相似)
「面積」「高さ」を求める パターン2(垂線)
「中点」が出てきた パターン3(中点連結)
四角形の問題 パターン4(対角線)
円が出てきた パターン5(半径)
「〜の比」を求める パターン6(相似)

よくある間違いと対策

1

補助線を引きすぎる

何本も引くと図が複雑になり、かえって混乱する。まずは1本だけ引いて、そこから何がわかるか考えよう。

2

「なんとなく」で引く

補助線は目的を持って引くものである。「合同を作りたいから」「三平方を使いたいから」と理由を明確にしてから引こう。

3

問題の条件を使い忘れる

「〜の中点」「〜に平行」などの条件は、補助線を引くヒントである。使っていない条件がないか確認しよう。

この単元のよくある質問

Q. 補助線が思いつかないときはどうすればいい?

A. まずは問題文の条件を確認しよう。「平行」「中点」「円」などのキーワードがあれば、それに対応するパターンを試す。条件を全く使っていない場合は、その条件を活かす補助線を考えてみよう。

Q. 補助線を引いたのに解けないときは?

A. 別のパターンを試してみよう。補助線は「試して確認」の繰り返しである。最初に引いた線で解けなくても、別の線を引けばうまくいくことが多い。

Q. 補助線は何本まで引いていい?

A. 必要最小限にとどめるのが理想だが、制限はない。ただし、多く引きすぎると図が複雑になるので、1〜2本で足りることが多い。解けたら、余分な線は消しても問題ない。

練習問題

問1. 下の図で、△ABCの辺AB、ACの中点をそれぞれM、Nとする。BC = 12 cm のとき、MNの長さを求めよ。
問2. 円Oの円周上に3点A、B、Cがある。∠BOC = 100° のとき、∠BACを求めよ。ただし、点Aと点Oは直線BCに対して同じ側にあるものとする。
問3. 平行四辺形ABCDの対角線AC、BDの交点をOとする。AC = 10 cm、BD = 14 cm のとき、AOとBOの長さをそれぞれ求めよ。

まとめ

この記事では、図形問題における補助線の引き方を6つのパターンに分けて解説した。ポイントは以下の通りである。

  • 補助線はセンスではなく、定番パターンの知識である
  • 問題の条件(平行、中点、円など)が補助線のヒントになる
  • 1本引いてダメなら、別のパターンを試す
  • 補助線を引く目的(合同、相似、三平方など)を明確にする

6つのパターンを繰り返し練習して、「この形を見たら、この補助線」が自然に浮かぶようにしよう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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