二次関数の変化の割合を毎回 $\dfrac{yの増加量}{xの増加量}$ で計算していないだろうか。
計算量が多くてミスしやすい、時間がかかってテストで焦る——そんな経験はないだろうか。
実は、二次関数 $y = ax^2$ の変化の割合には、一瞬で答えが出る裏ワザ公式がある。
この記事では、その公式 $a(p + q)$ の使い方を徹底解説する。覚えてしまえば、計算時間は半分以下になる。
🔰 初めての方へ:難しい証明は一切省略。「この公式を使えば速く解ける」という事実だけをお伝えする。 まずは手順通りにやってみよう。
この記事で使う用語
先に、この記事で登場する専門用語をまとめておく。わからない言葉が出てきたら、ここに戻って確認しよう。
- 変化の割合
- xが増えたときに、yがどれだけ増えるかの「割合」を表す値。一次関数では傾きと同じ意味である。
- 二次関数
- $y = ax^2$ や $y = ax^2 + bx + c$ のように、xの2乗を含む関数のこと。グラフは放物線になる。
- 増加量
- 値がどれだけ増えたかを表す量。「増加量 = 変化後の値 − 変化前の値」で求める。
- 係数
- 文字の前についている数のこと。$y = 3x^2$ なら「3」が $x^2$ の係数である。
道具(公式)を手に入れる
証明は不要。「こういう道具がある」と知っていれば、あとは使い方を覚えるだけである。
二次関数 $y = ax^2$ で、xが $p$ から $q$ まで変化するときの変化の割合を、足し算とかけ算だけで瞬時に求められる。
この公式の各記号の意味は以下の通りである。
- $a$:二次関数 $y = ax^2$ の係数($x^2$ の前についている数)
- $p$:xの変化前の値(小さい方の値)
- $q$:xの変化後の値(大きい方の値)
この公式は $y = ax^2$ の形($bx$ や $c$ がない形)のときに使える。中学で扱う二次関数の多くはこの形なので、非常に役立つ。
使い方マニュアル
この公式を使う手順は以下の通りである。
まず、$a$ の値を確認する。
(なぜ?:$y = ax^2$ の $a$ が公式に必要だから。$y = 2x^2$ なら $a = 2$)
次に、xの変化する範囲から $p$ と $q$ を読み取る。
(なぜ?:「xが1から3まで」なら $p = 1$、$q = 3$ と確定する)
最後に、$a(p + q)$ を計算する。
(なぜ?:$p + q$ を先に計算し、それに $a$ をかけるだけで答えが出る)
図で理解する
これから表示する図は、二次関数 $y = x^2$ のグラフと、変化の割合を視覚的に表したものである。
- 青い曲線:二次関数 $y = x^2$ のグラフ(放物線)
- 赤い点 P, Q:xが変化する2点
- 緑の直線:点Pと点Qを結んだ直線(この直線の傾きが変化の割合)
- xが1から3まで変化すると、yは1から9まで変化する
- 変化の割合 = $\dfrac{yの増加量}{xの増加量} = \dfrac{9 – 1}{3 – 1} = \dfrac{8}{2} = 4$
- 裏ワザ公式で計算すると:$a(p + q) = 1 \times (1 + 3) = 4$ → 同じ答え!
実際に解いてみよう
ステップ1:まずは簡単な問題で練習
$y = x^2$ で、xが1から3まで変化するときの変化の割合を求めよ。
(💡 上の図で扱った例。公式に当てはめるだけ!)
$a$ の値を確認する。$y = x^2$ なので $a = 1$
$p$ と $q$ を確認する。xが1から3まで変化するので $p = 1$、$q = 3$
公式に代入する。
答え:$4$
(💡 従来の方法だと $\dfrac{9 – 1}{3 – 1} = \dfrac{8}{2} = 4$ と計算量が多いが、公式なら一発!)
ステップ2:標準的な問題に挑戦
$y = 2x^2$ で、xが2から5まで変化するときの変化の割合を求めよ。
$a$ の値を確認する。$y = 2x^2$ なので $a = 2$
$p$ と $q$ を確認する。xが2から5まで変化するので $p = 2$、$q = 5$
公式に代入する。
答え:$14$
従来の方法で計算すると:
$x = 2$ のとき $y = 2 \times 2^2 = 8$
$x = 5$ のとき $y = 2 \times 5^2 = 50$
変化の割合 $= \dfrac{50 – 8}{5 – 2} = \dfrac{42}{3} = 14$ ✓ 同じ答え!
ステップ3:負の数を含む問題
$y = 3x^2$ で、xが $-2$ から4まで変化するときの変化の割合を求めよ。
$p$ や $q$ が負の数でも、そのまま公式に代入すればOK。$p + q$ の計算だけ慎重に!
$a$ の値を確認する。$y = 3x^2$ なので $a = 3$
$p$ と $q$ を確認する。xが $-2$ から4まで変化するので $p = -2$、$q = 4$
公式に代入する。
答え:$6$
なぜこの公式が成り立つのか(参考)
理解しなくても公式は使える。興味がある人だけ読めばOK。
従来の計算方法を整理すると、公式が導ける。
xが $p$ から $q$ まで変化するとき、yの値はそれぞれ:
- $x = p$ のとき $y = ap^2$
- $x = q$ のとき $y = aq^2$
変化の割合の定義に従って計算する。
分子を因数分解(かけ算の形に戻す)する。
(💡 $q^2 – p^2 = (q + p)(q – p)$ という公式を使った)
$(q – p)$ で約分すると:
このように、変化の割合を計算すると、必ず $a(p + q)$ になる。だから公式として使えるのである。
よくある間違いと対策
$a$ を忘れる
$p + q$ だけ計算して終わりにしがち。必ず $a$ をかけること!
$y = 2x^2$ で $p = 1$, $q = 3$ のとき、答えを「4」としてしまう
✅ 正しくは:$2 \times (1 + 3) = 2 \times 4 = 8$
負の数の符号ミス
$p$ や $q$ が負の数のとき、$p + q$ の計算で符号を間違えやすい。
$p = -3$, $q = 5$ のとき、$p + q = -3 + 5 = -8$ としてしまう
✅ 正しくは:$-3 + 5 = 2$
$y = ax^2 + bx + c$ の形では使えない
この公式は $y = ax^2$ の形専用。$y = x^2 + 3x$ のような式では使えないので注意。
$y = ax^2$ の形($x^2$ の項だけ)であること
公式と従来法の比較
どれだけ計算が楽になるか、比較してみよう。
| 問題 | 従来法 | 裏ワザ公式 |
|---|---|---|
| $y = 2x^2$ $x$: 3→5 |
$\dfrac{2 \times 25 – 2 \times 9}{5 – 3}$ $= \dfrac{50 – 18}{2} = 16$ |
$2(3 + 5)$ $= 2 \times 8 = 16$ |
| $y = 3x^2$ $x$: $-1$→4 |
$\dfrac{3 \times 16 – 3 \times 1}{4 – (-1)}$ $= \dfrac{48 – 3}{5} = 9$ |
$3(-1 + 4)$ $= 3 \times 3 = 9$ |
裏ワザ公式を使えば、2乗の計算も引き算も不要。足し算とかけ算だけで答えが出る!
練習問題
この単元のよくある質問
Q. なぜ $p + q$ なのに $p \times q$ ではないのですか?
A. 数学的には、変化の割合を計算すると因数分解で $(p + q)$ が出てくるからである。理由を覚える必要はないが、「足し算」と覚えておこう。「足してかける」が合言葉!
Q. この公式はテストで使っても減点されませんか?
A. 問題なく使える。正しい公式なので、どの方法で解いても正解になる。ただし、途中式を書く問題では「$a(p + q) =$ ○」と公式を使ったことを明示しておくと安心である。
Q. $y = ax^2 + bx + c$ の形だったらどうすればいいですか?
A. その場合は裏ワザ公式は使えない。従来の方法(それぞれのyの値を計算して引き算する方法)で解こう。中学の範囲では $y = ax^2$ の形が圧倒的に多いので、まずはこの公式をマスターすれば十分である。
まとめ
この記事では、二次関数 $y = ax^2$ の変化の割合を一瞬で求める裏ワザ公式を学んだ。
✅ これができればOK
- □ $y = ax^2$ から $a$ の値を読み取れる
- □ 「xが $p$ から $q$ まで」から $p$, $q$ を正しく読み取れる
- □ $a(p + q)$ を計算できる(負の数でも大丈夫!)
- □ この公式は $y = ax^2$ の形のときだけ使えることを理解している
合言葉:「足してかける」
$p$ と $q$ を足して、$a$ をかける。これだけで変化の割合が出る!
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