「グラフは描けるのに、変域を聞かれると手が止まる」と困っていないだろうか。
変域の問題は、xの範囲が決まっているときに「yはどこからどこまで動くか」を答える問題である。難しく感じるのは当然だ。グラフの「形」だけでなく「どこからどこまで見るか」を考える必要があるからである。
実は、変域の求め方には決まった手順がある。その手順さえ覚えれば、迷わず答えを出せるようになる。
🔰 初めての方へ:数学が苦手でも大丈夫。この記事では「グラフを描く→端と頂点を調べる→最大・最小を見つける」という3ステップだけをお伝えする。
この記事で使う用語
先に、この記事で登場する専門用語をまとめておく。わからない言葉が出てきたら、ここに戻って確認しよう。
- 変域(へんいき)
- 変数がとりうる値の範囲のこと。「$1 \leq x \leq 5$」のように不等号で表す。「xの変域」「yの変域」のように使う。
- 頂点
- 放物線の「一番下」または「一番上」の点のこと。$y = ax^2$ では原点(0, 0)が頂点になる。
- 最大値・最小値
- 変域の中でyが最も大きくなる値が最大値、最も小さくなる値が最小値。
- 放物線(ほうぶつせん)
- 二次関数のグラフの形のこと。U字型またはn字型のカーブを描く。
- 係数
- 文字の前についている数のこと。$y = 2x^2$ なら「2」が$x^2$の係数である。
道具(ルール)を手に入れる
証明は不要。「こういうルールがある」と知っていれば、あとは使い方を覚えるだけである。
xの範囲が「$a \leq x \leq b$」と決まっているとき、yの範囲(変域)を求められる。
【ルール1】放物線の向きを確認する
- $y = ax^2$ で $a > 0$(aが正)のとき → 下に凸(U字型)→ 頂点で最小
- $y = ax^2$ で $a < 0$(aが負)のとき → 上に凸(n字型)→ 頂点で最大
【ルール2】yの変域を決めるのは「端」か「頂点」
- xの変域の両端($x = a$ と $x = b$)
- 頂点($y = ax^2$ では $x = 0$)
この3つの点のうち、yが最大になる点と最小になる点を見つければ、yの変域が決まる。
放物線は、頂点を境に「ずっと上がる」か「ずっと下がる」かのどちらかである。途中で折り返すことはない。だから、最大値・最小値は必ず「端」か「頂点」で取る。
使い方マニュアル
yの変域を求める手順は以下の通りである。
まず、xの変域に「0」が含まれるかを確認する。
(なぜ?:$y = ax^2$ では $x = 0$ のとき頂点になる。頂点が範囲内にあるかどうかで、求め方が変わるため)
次に、xの変域の両端でyの値を計算する。
(なぜ?:端の値は、最大または最小の候補になるため)
頂点が範囲内にあれば、$x = 0$ のときの $y = 0$ も候補に加える。
(なぜ?:頂点が最大値または最小値になることがあるため)
最後に、候補の中から最大値と最小値を見つけて、yの変域として書く。
(なぜ?:yはこの範囲内のすべての値を取りうるため)
図で理解する
これから表示する図は、$y = x^2$ のグラフと変域の関係を示している。
- 青い曲線:$y = x^2$ のグラフ(放物線)
- 太い青線:xの変域に対応する部分
- 赤い点:変域の両端と頂点(最大・最小の候補)
- 緑の矢印:yの変域(yが動く範囲)
- xが1から3まで動くとき、グラフの太い部分だけを見る
- この範囲でyは1から9まで動く
- $x = 1$ のとき $y = 1$(最小値)、$x = 3$ のとき $y = 9$(最大値)
実際に解いてみよう
ステップ1:まずは簡単な問題で練習
$y = x^2$ で、$1 \leq x \leq 2$ のとき、yの変域を求めよ。
(💡 頂点 $x = 0$ が範囲外のパターン。端だけ見ればOK!)
xの変域に「0」が含まれるか確認する。
$1 \leq x \leq 2$ なので、$x = 0$ は含まれない。
(💡 頂点が範囲外なので、端の値だけで最大・最小が決まる)
xの変域の両端でyの値を計算する。
最小値と最大値を見つける。
$y = 1$ と $y = 4$ を比べて、最小値は $1$、最大値は $4$
yの変域として書く。
ステップ2:頂点が範囲内にあるパターン
$y = x^2$ で、$-2 \leq x \leq 3$ のとき、yの変域を求めよ。
xの変域に「0」が含まれるか確認する。
$-2 \leq x \leq 3$ なので、$x = 0$ は含まれる。
(💡 頂点が範囲内にあるので、頂点も候補に入れる)
xの変域の両端でyの値を計算する。
頂点でのyの値を確認する。
最小値と最大値を見つける。
候補は $y = 0, 4, 9$ の3つ。
最小値は $0$(頂点で取る)、最大値は $9$($x = 3$ で取る)
yの変域として書く。
(💡 答えの意味:xが$-2$から$3$まで動くとき、yは$0$から$9$まで動く。$y = 0$ は頂点 $x = 0$ で取る)
ステップ3:係数がある場合
$y = 2x^2$ で、$-1 \leq x \leq 2$ のとき、yの変域を求めよ。
xの変域に「0」が含まれるか確認する。
$-1 \leq x \leq 2$ なので、$x = 0$ は含まれる。
xの変域の両端でyの値を計算する。
頂点でのyの値を確認する。
最小値と最大値を見つける。
候補は $y = 0, 2, 8$ の3つ。
最小値は $0$、最大値は $8$
yの変域として書く。
よくある間違いと対策
頂点を見落とす
xの変域に $x = 0$ が含まれているのに、端の値だけで判断してしまう。
$y = x^2$、$-2 \leq x \leq 1$ のとき
$x = -2$ で $y = 4$、$x = 1$ で $y = 1$ なので「$1 \leq y \leq 4$」と答える
✅ 正しくは:頂点 $x = 0$ で $y = 0$ が最小値なので「$0 \leq y \leq 4$」
xの変域とyの変域を混同する
xの値をそのままyの変域に書いてしまう。
$1 \leq x \leq 3$ を見て「$1 \leq y \leq 3$」と書く
✅ 正しくは:$y = x^2$ に代入して計算すると「$1 \leq y \leq 9$」
$(-2)^2$ の計算ミス
$(-2)^2 = -4$ と間違える。
$(-2)^2 = (-2) \times (-2) = +4$
マイナス × マイナス = プラス である。
練習問題
この単元のよくある質問
Q. なぜ $x = 0$ のときが重要なの?
A. $y = ax^2$ の形では、$x = 0$ のときに頂点(グラフの一番下または一番上)になる。放物線は頂点を境に向きが変わるため、頂点が範囲内にあるかどうかで最大値・最小値が変わるからである。
Q. $a$ がマイナスのとき(上に凸)はどうなる?
A. 考え方は同じだが、頂点で最大値を取る。例えば $y = -x^2$ で $-2 \leq x \leq 1$ のとき、頂点 $x = 0$ で $y = 0$(最大値)、$x = -2$ で $y = -4$(最小値)となり、$-4 \leq y \leq 0$ が答えになる。
Q. 変域の不等号は $<$ と $\leq$ のどちらを使えばいい?
A. 問題文に合わせる。xの変域が $1 \leq x \leq 3$(等号あり)なら、yの変域も等号を含めて書く。xの変域が $1 < x < 3$(等号なし)なら、yの変域も等号なしで書く場合がある。基本は問題の指示に従おう。
まとめ
この記事では、$y = ax^2$ の形の二次関数でyの変域を求める方法を学んだ。
✅ これができればOK
- □ xの変域に「0」が含まれるか確認できる
- □ 変域の両端でyの値を計算できる
- □ 頂点が範囲内なら、$y = 0$ を候補に加えられる
- □ 候補から最大値・最小値を見つけてyの変域を書ける
📌 変域の求め方【3ステップ】
- $x = 0$ が範囲内か確認する
- 両端と(範囲内なら)頂点でyの値を計算する
- 最大値・最小値を見つけて変域を書く
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