「グラフの交点を求めよ」という問題で、何をすればいいかわからなくなったことはないだろうか。
グラフは描けるのに、交点の座標となると手が止まる。そんな経験をしている人は多い。
実は、交点を求めるのに難しい計算は必要ない。連立方程式を解くだけである。
この記事では、二次関数と直線の交点を確実に求める手順を、ステップバイステップで解説する。
🔰 初めての方へ:数学が苦手でも大丈夫。「代入して方程式を解く」という基本操作の組み合わせだけで、必ず交点が求められる。
この記事で使う用語
先に、この記事で登場する専門用語をまとめておく。わからない言葉が出てきたら、ここに戻って確認しよう。
- 交点
- 2つのグラフが交わる点のこと。交点の座標とは、その点の $(x, y)$ の値である。
- 連立方程式
- 2つ以上の方程式を同時に満たす解を求めること。ここでは「2つの式に共通する $(x, y)$」を見つける。
- 代入
- 文字の部分に、別の式や数値を当てはめること。$y = x + 1$ を $y = x^2$ に代入するとは、$y$ の部分を $x + 1$ に置き換えること。
- 二次方程式
- $x^2$ を含む方程式のこと。$ax^2 + bx + c = 0$ の形で表される。
- 因数分解
- 式をかけ算の形に戻すこと。$x^2 – 3x + 2 = (x-1)(x-2)$ のように変形する。
道具(考え方)を手に入れる
難しい公式はない。「交点とは何か」を理解すれば、やることは自然に決まる。
二次関数 $y = ax^2 + bx + c$ と直線 $y = mx + n$ が交わる点の座標を求められる。
交点とは何か?
交点とは、2つのグラフの両方を通る点である。
つまり、交点の座標 $(x, y)$ は:
- 二次関数の式を満たす($y = ax^2 + bx + c$ が成り立つ)
- 直線の式も満たす($y = mx + n$ が成り立つ)
この「両方の式を同時に満たす $(x, y)$」を求めればよい。これが連立方程式である。
使い方マニュアル
交点を求める手順は以下の通りである。
2つの式の $y$ を等しいとおく。
(なぜ?:交点では同じ $y$ の値になるので、右辺どうしを等号で結べる)
整理して二次方程式を作る。
(なぜ?:右辺を0にすることで、因数分解や解の公式が使える形になる)
二次方程式を解いて $x$ の値を求める。
(なぜ?:この $x$ が交点の $x$ 座標になる)
求めた $x$ をどちらかの式に代入して $y$ を求める。
(なぜ?:$x$ がわかれば、元の式から $y$ が計算できる。直線の式を使うと計算が簡単)
Step4で $y$ を求めるとき、直線の式を使うと計算が楽である。二次関数の式を使っても答えは同じになるが、二乗の計算が必要になる分、手間がかかる。
図で理解する
二次関数と直線がどのように交わるかを示している。
- 青い曲線:二次関数 $y = x^2 – 2x – 3$ のグラフ(放物線)
- オレンジの直線:$y = x + 1$ のグラフ
- 赤い点:2つのグラフの交点
- 放物線と直線は2点で交わっている(交点が2つ)
- 交点の座標は $(-1, 0)$ と $(4, 5)$
- これらの点は、放物線上にも直線上にも存在している
実際に解いてみよう
ステップ1:まずは簡単な問題で練習
$y = x^2$ と $y = 2x$ の交点を求めよ。
(💡 $y$ どうしを等しいとおくだけ!)
$y$ を等しいとおく。
右辺を左辺に移項して整理する。
$x$ でくくる(因数分解)。
よって $x = 0$ または $x = 2$
$y = 2x$ に代入して $y$ を求める。
$x = 0$ のとき:$y = 2 \times 0 = 0$
$x = 2$ のとき:$y = 2 \times 2 = 4$
答え:$(0, 0)$ と $(2, 4)$
(💡 確認:$(2, 4)$ を $y = x^2$ に代入すると $y = 4$ ✓、$y = 2x$ に代入しても $y = 4$ ✓)
ステップ2:標準的な問題に挑戦
二次関数 $y = x^2 – 2x – 3$ と直線 $y = x + 1$ の交点の座標を求めよ。
$y$ を等しいとおく。
(交点では、放物線上の $y$ と直線上の $y$ が同じ値になる)
右辺をすべて左辺に移項する。
($= 0$ の形にすると因数分解できる)
因数分解して $x$ を求める。
(かけて $-4$、足して $-3$ になる2数は $-4$ と $1$)
よって $x = 4$ または $x = -1$
$y = x + 1$(直線の式)に代入して $y$ を求める。
(直線の式を使うと計算が簡単)
$x = 4$ のとき:$y = 4 + 1 = 5$
$x = -1$ のとき:$y = -1 + 1 = 0$
答え:$(-1, 0)$ と $(4, 5)$
ステップ3:解の公式を使う場合
$y = x^2 – 4x + 1$ と $y = 2x – 5$ の交点の座標を求めよ。
$y$ を等しいとおく。
整理する。
因数分解できないので、解の公式を使う。
(かけて6、足して−6になる整数の組がないため)
$y = 2x – 5$ に代入する。
$x = 3 + \sqrt{3}$ のとき:$y = 2(3 + \sqrt{3}) – 5 = 1 + 2\sqrt{3}$
$x = 3 – \sqrt{3}$ のとき:$y = 2(3 – \sqrt{3}) – 5 = 1 – 2\sqrt{3}$
答え:$(3 + \sqrt{3}, 1 + 2\sqrt{3})$ と $(3 – \sqrt{3}, 1 – 2\sqrt{3})$
よくある間違いと対策
移項時の符号ミス
$x^2 – 2x – 3 = x + 1$ を整理するとき、右辺の符号を間違えやすい。
$x^2 – 2x – 3 – x + 1 = 0$($+1$ を $-1$ にし忘れ)
✅ 正しくは:$x^2 – 2x – 3 – x – 1 = 0$(右辺のすべての項の符号を変える)
$y$ の求め忘れ
$x$ を求めただけで終わってしまう人が多い。
「$x = 4, -1$」で答えとする
✅ 正しくは:$y$ も求めて「$(-1, 0)$ と $(4, 5)$」と答える
$y$ を二次関数で計算して複雑になる
直線の式を使うと計算が楽である。
$y$ を求めるときは、計算が簡単な方の式(通常は直線)を使う。
練習問題
この単元のよくある質問
Q. 交点が1つだけ、または存在しないことはありますか?
A. ある。二次方程式の解が1つだけの場合(直線が放物線に接する場合)は交点が1つ、解がない場合(判別式が負の場合)は交点が存在しない。
Q. どちらの式で $y$ を求めてもいいのですか?
A. どちらでも答えは同じになる。ただし、直線の式を使うと一次式なので計算が楽である。テストでは計算ミスを減らすために、簡単な方を選ぼう。
Q. 因数分解できないときはどうすればいいですか?
A. 解の公式 $x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 – 4ac}}{2a}$ を使う。中学3年で学ぶこの公式を使えば、必ず解を求められる。
まとめ
この記事では、二次関数と直線の交点の求め方を学んだ。ポイントは以下の通りである。
✅ これができればOK
- □ 2つの式の $y$ を等しいとおける
- □ 整理して二次方程式を作れる
- □ 因数分解(または解の公式)で $x$ を求められる
- □ 直線の式に代入して $y$ を求められる
- □ 答えを $(x, y)$ の形で書ける
📝 手順のまとめ
- $y$ どうしを等しいとおく
- 右辺を0にして整理する
- 二次方程式を解いて $x$ を求める
- 直線の式に代入して $y$ を求める
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