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【二次関数】制動距離と平均の速さ(利用問題)【中3数学】【必須】

二次関数の文章題で「制動距離」や「平均の速さ」が出てくると、何をどう代入すればよいのかわからなくなる人が多い。

「公式は知っているのに、問題文を読んでも式が立てられない」「どの数字をどこに入れればいいのかわからない」と困っていないだろうか。

実は、これらの問題は「問題文から数値を読み取り、公式に代入する」という同じ手順で解けるのである。この記事では、制動距離と平均の速さの問題を、手順通りに解く方法を身につける。

🔰 初めての方へ:物理っぽい言葉が出てきて難しそうに見えるが、やることは「公式に数字を入れて計算するだけ」である。手順を覚えれば必ず解ける。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

この記事で使う用語

先に、この記事で登場する専門用語をまとめておく。わからない言葉が出てきたら、ここに戻って確認しよう。

制動距離せいどうきょり
ブレーキをかけてから車が完全に止まるまでに進む距離のこと。速さが速いほど長くなる。
平均の速さ
移動した距離の合計を、かかった時間の合計で割った値のこと。「全体でならすとどのくらいの速さか」を表す。
比例定数ひれいていすう
$y = ax^2$ の $a$ のこと。$x$ と $y$ の関係を決める定数である。
代入だいにゅう
文字の代わりに具体的な数値を入れること。$x = 3$ を代入する、など。

道具(公式)を手に入れる

証明は不要。「こういう道具がある」と知っていれば、あとは使い方を覚えるだけである。

制動距離の公式

🎯 この公式でできること:
車の速さがわかれば、ブレーキをかけてから止まるまでの距離がわかる。速さが2倍になると、制動距離は4倍になる。
$$y = ax^2$$

この公式の各記号の意味は以下の通りである。

  • $y$:制動距離せいどうきょり(m)
  • $x$:速さ(km/h)
  • $a$:比例定数ひれいていすう(道路の状態などで決まる定数)
💡 ポイント
制動距離は速さの「2乗」に比例ひれいする。つまり、速さが2倍になると制動距離は $2^2 = 4$ 倍、速さが3倍になると $3^2 = 9$ 倍になる。

平均の速さの公式

🎯 この公式でできること:
行きと帰りで速さが違うとき、全体としての平均の速さを求められる。
$$\text{平均の速さ} = \frac{\text{合計の距離}}{\text{合計の時間}}$$
💡 注意
平均の速さは「行きの速さと帰りの速さを足して2で割る」のではない。これは非常によくある間違いである。必ず「距離÷時間」で計算すること。

使い方マニュアル

制動距離の問題の解き方

1

まず、問題文から「速さ」と「制動距離」のペアを読み取る。

(なぜ?:この数値のペアを使って、比例定数 $a$ を求めるため)

2

次に、$y = ax^2$ に値を代入だいにゅうして、$a$ を求める。

(なぜ?:$a$ がわかれば、どんな速さでも制動距離が計算できるようになる)

3

最後に、求めた $a$ を使った式 $y = ax^2$ に、問われている値を代入して答えを出す。

(なぜ?:$a$ が決まった式に速さを入れれば、制動距離が計算できる)

平均の速さの問題の解き方

1

まず、行きと帰りそれぞれの「距離」と「速さ」を読み取る。

(なぜ?:距離と速さがわかれば、時間が計算できる)

2

次に、それぞれの時間を「時間 = 距離 ÷ 速さ」で計算する。

(なぜ?:平均の速さを求めるには、合計の時間が必要だから)

3

最後に、「合計の距離 ÷ 合計の時間」で平均の速さを求める。

(なぜ?:これが平均の速さの定義だから)

図で理解する

制動距離と速さの関係

📊 この図の見方

これから表示する図は「速さと制動距離の関係」をグラフにしたものである。

  • 横軸:速さ(km/h)
  • 青い曲線:制動距離(速さの2乗に比例して増える)
  • 赤い点線:速さ40km/hと80km/hのときの制動距離を比較
💡 図から読み取れること
  • 速さ40km/hのとき、制動距離は16m
  • 速さ80km/h(2倍)のとき、制動距離は64m(4倍)
  • 曲線が「放物線」の形をしている → 速さの2乗に比例している

実際に解いてみよう

ステップ1:まずは簡単な問題で練習

🔰 易 ウォームアップ
制動距離 $y$ m は、速さ $x$ km/h の2乗に比例する。速さが 20 km/h のとき、制動距離は 4 m であった。速さが 40 km/h のとき、制動距離は何 m か。
(💡 まずは $a$ を求め、それから代入するだけ!)
1

問題文から読み取れる情報を整理する。

  • $y = ax^2$ の形である(速さの2乗に比例)
  • $x = 20$ のとき $y = 4$
2

$y = ax^2$ に $x = 20$, $y = 4$ を代入して $a$ を求める。

$$\begin{aligned} 4 &= a \times 20^2 \\ 4 &= a \times 400 \\ a &= \frac{4}{400} = \frac{1}{100} = 0.01 \end{aligned}$$
3

$a = 0.01$ がわかったので、式は $y = 0.01x^2$ である。

ここに $x = 40$ を代入する。

$$\begin{aligned} y &= 0.01 \times 40^2 \\ y &= 0.01 \times 1600 \\ y &= 16 \end{aligned}$$

答え:16 m

(💡 答えの意味:速さが2倍(20→40)になると、制動距離は4倍(4→16)になった。$2^2 = 4$ なので正しい!)

ステップ2:標準的な問題に挑戦

📝 標準 例題(制動距離)
ある自動車の制動距離 $y$ m は、ブレーキをかける直前の速さ $x$ km/h の2乗に比例する。速さが 60 km/h のとき、制動距離は 27 m であった。
(1) $y$ を $x$ の式で表せ。
(2) 制動距離が 48 m のとき、速さは何 km/h であったか。

【(1)の解き方】

1

$y = ax^2$ に $x = 60$, $y = 27$ を代入する。

$$\begin{aligned} 27 &= a \times 60^2 \\ 27 &= a \times 3600 \\ a &= \frac{27}{3600} = \frac{3}{400} \end{aligned}$$

答え:$y = \dfrac{3}{400}x^2$

【(2)の解き方】

1

(1)で求めた式に $y = 48$ を代入する。

$$\begin{aligned} 48 &= \frac{3}{400}x^2 \\ x^2 &= 48 \times \frac{400}{3} \\ x^2 &= \frac{48 \times 400}{3} \\ x^2 &= \frac{19200}{3} = 6400 \end{aligned}$$
2

$x^2 = 6400$ より、$x = \pm 80$

速さは正の値なので、$x = 80$

答え:80 km/h

(💡 検算:$y = \dfrac{3}{400} \times 80^2 = \dfrac{3}{400} \times 6400 = \dfrac{19200}{400} = 48$ ✓)

ステップ3:平均の速さの問題

📝 標準 例題(平均の速さ)
A地点からB地点までの道のりは 12 km である。行きは時速 4 km で歩き、帰りは時速 6 km で歩いた。往復の平均の速さを求めよ。
⚠️ よくある間違い
$\dfrac{4 + 6}{2} = 5$ km/h と計算するのは間違いである!
平均の速さは「速さの平均」ではなく「距離÷時間」で計算する。
1

行きの時間を計算する。

(時間 = 距離 ÷ 速さ)

$$\text{行きの時間} = \frac{12}{4} = 3 \text{ 時間}$$
2

帰りの時間を計算する。

$$\text{帰りの時間} = \frac{12}{6} = 2 \text{ 時間}$$
3

平均の速さを計算する。

$$\text{平均の速さ} = \frac{\text{合計の距離}}{\text{合計の時間}} = \frac{12 + 12}{3 + 2} = \frac{24}{5} = 4.8 \text{ km/h}$$

答え:時速 4.8 km(または $\dfrac{24}{5}$ km/h)

(💡 答えの意味:「行き4km/h、帰り6km/h」の平均は5km/hではなく4.8km/h。行きに時間がかかる分、遅い方に引っ張られる)

よくある間違いと対策

⚠️

制動距離で「2乗」を忘れる

$y = ax$ ではなく $y = ax^2$ である。

❌ よくある失敗:
速さが2倍になったら制動距離も2倍と思い込む
✅ 正しくは:速さが2倍 → 制動距離は $2^2 = 4$ 倍
⚠️

平均の速さを「速さの平均」で計算する

行き4km/h、帰り6km/hのとき、$(4+6) \div 2 = 5$ とするのは間違い。

✅ 正しい方法:
平均の速さ = 合計の距離 ÷ 合計の時間
必ず「時間」を計算してから求める。
⚠️

$x^2$ から $x$ を求めるとき、±を忘れる

$x^2 = 6400$ から $x = 80$ だけでなく、$x = -80$ も数学的には解である。

✅ 対策:
速さや距離など、負の値がありえない量の場合は正の値のみを答えにする。「速さは正なので」と一言添えると良い。

練習問題

🔰 易 問1. 制動距離 $y$ m は、速さ $x$ km/h の2乗に比例する。速さが 30 km/h のとき、制動距離は 9 m であった。速さが 60 km/h のとき、制動距離は何 m か。
📝 標準 問2. ある自動車の制動距離 $y$ m は、速さ $x$ km/h の2乗に比例し、速さが 50 km/h のとき制動距離は 20 m である。
(1) $y$ を $x$ の式で表せ。
(2) 制動距離が 45 m のとき、速さは何 km/h か。
🔥 やや難 問3. P地点からQ地点までの道のりは 30 km である。行きは時速 $x$ km で進み、帰りは時速 $(x + 10)$ km で進んだところ、往復の平均の速さが時速 24 km であった。$x$ の値を求めよ。

この単元のよくある質問

Q. 「2乗に比例」と「比例」は何が違うのですか?

A. 「比例」は $y = ax$(1次関数)、「2乗に比例」は $y = ax^2$(二次関数)である。比例では $x$ が2倍になると $y$ も2倍になるが、2乗に比例では $x$ が2倍になると $y$ は4倍になる。グラフの形も、比例は直線、2乗に比例は放物線になる。

Q. なぜ平均の速さは「速さを足して2で割る」ではダメなのですか?

A. 行きと帰りで「かかる時間」が違うからである。遅い速さで進む区間は長い時間がかかるので、その影響が大きくなる。そのため、「合計の距離 ÷ 合計の時間」で正しく計算する必要がある。

Q. 制動距離の問題で比例定数 $a$ が分数になったとき、どうすればいいですか?

A. 分数のまま計算を進めれば問題ない。$a = \dfrac{3}{400}$ なら、$y = \dfrac{3}{400}x^2$ として使う。約分できる場合は約分し、最終的な答えが整数になることも多い。

まとめ

この記事では、二次関数の利用問題として「制動距離」と「平均の速さ」について学んだ。ポイントは以下の通りである。

✅ これができればOK

  • □ 「2乗に比例」の意味がわかる($y = ax^2$ の形)
  • □ 問題文から $x$ と $y$ の値を読み取り、$a$ を求められる
  • □ 求めた $a$ を使って、別の $x$ や $y$ の値を計算できる
  • □ 平均の速さは「距離÷時間」で計算すると覚えている
  • □ $x^2 = k$ から $x$ を求めるとき、正負を意識できる

📝 覚えておくべき公式

$$\text{制動距離:} y = ax^2$$
$$\text{平均の速さ} = \frac{\text{合計の距離}}{\text{合計の時間}}$$

Core-dorill — 基礎を、何度でも。

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