「水そうに毎分2リットルずつ水を入れる」——この手の問題、式を立てるところで手が止まっていないだろうか。
「比例の関係なのはわかる。でも、どっちが $x$ でどっちが $y$ かわからない」「表を埋めることはできるけど、式にするとなぜか間違える」——そんな声をよく聞く。
実は、迷う原因は「何が一定か」を意識していないだけである。この記事では、水そうに水を入れる問題を題材に、比例の式を迷わず立てられるようになるまで、順を追って解説する。
そもそも「水そう問題」とは?
水そう問題とは、空の水そうに一定の割合で水を入れていくとき、時間と水の量の関係を考える問題である。
一定の割合で入れるとは、「毎分○リットルずつ」のように、1分あたりに入れる水の量が変わらないことを指す。
例えば、毎分2リットルずつ水を入れるとき:
- 1分後 → 2リットル
- 2分後 → 4リットル
- 3分後 → 6リットル
時間が2倍になれば水の量も2倍、3倍になれば3倍になる。これが比例の関係である。
水そう問題を図で理解する
水そうに水が溜まっていく様子を見てみよう。時間と水の量がどのように変化するかを確認してほしい。
このアニメーションから、次のことがわかる。
- 時間 $x$(分)が増えると、水の量 $y$(リットル)も増える
- グラフは原点を通る直線になる
- 式は $y = 2x$ である(毎分2リットルだから)
水そう問題の解き方
式を立てる手順
何が「一定」かを見つける
「毎分○リットル」のように、1単位あたりの量を探す。これが比例定数になる。
$x$ と $y$ を決める
時間を $x$、水の量を $y$ とするのが基本である。
時間が原因、水の量が結果——原因を $x$、結果を $y$ と考えるとわかりやすい。
$y = ax$ の形で式を立てる
$a$ には手順1で見つけた「1分あたりの量」を入れる。
例題を解いてみよう
例題:空の水そうに、毎分3リットルずつ水を入れる。$x$ 分後の水の量を $y$ リットルとするとき、$y$ を $x$ の式で表せ。
一定なのは「毎分3リットル」→ 比例定数は $3$
$x$ は時間(分)、$y$ は水の量(リットル)
式を立てる
応用:○分後の水の量を求める
例題:$y = 3x$ のとき、8分後の水の量を求めよ。
答え:24リットル
応用:○リットルになるまでの時間を求める
例題:$y = 3x$ のとき、水の量が15リットルになるのは何分後か。
答え:5分後
よくある間違いと対策
$x$ と $y$ を逆にしてしまう
「毎分2リットル」なのに $y = \dfrac{x}{2}$ と書いてしまうケース。
対策:具体的な数値で確認する。「2分後なら4リットル」→ $y = 2 \times 2 = 4$ と計算できればOK。
比例定数に単位をつけてしまう
$y = 2\text{リットル} \times x$ のように書いてしまうケース。
対策:式には数値だけを使い、単位は問題文や答えの欄で書く。
「初めから○リットル入っている」場合に混乱する
この場合は比例ではなく一次関数になる。
対策:「空の水そう」「最初は空」という言葉があれば比例。なければ問題をよく読む。
比例定数の求め方を確認しよう
問題によっては、比例定数が直接書かれていないこともある。そのときの求め方を確認しておこう。
ポイント:「○分後に△リットル」という情報があれば、$a = y \div x$ で比例定数が求められる。
この単元のよくある質問
Q. 水そう問題と「速さの問題」は何が違うの?
A. 基本的な考え方は同じである。速さの問題では「毎時○km」、水そう問題では「毎分○リットル」というように、単位が違うだけである。どちらも「1単位あたりの量×時間=全体の量」という比例の関係を使う。
Q. 最初から水が入っている場合はどうするの?
A. 最初から水が入っている場合は、比例ではなく一次関数になる。例えば「最初に5リットル入っていて、毎分2リットルずつ入れる」なら、式は $y = 2x + 5$ となる。これは中学1年の後半〜2年で学習する。
Q. グラフを描くときのコツは?
A. 比例のグラフは必ず原点(0, 0)を通る。まず原点を打ち、次に $x = 1$ のときの点を打ち、2点を直線で結べばよい。例えば $y = 3x$ なら、原点と (1, 3) を結ぶ。
練習問題
(1)$y$ を $x$ の式で表せ。
(2)水の量が30リットルになるのは何分後か。
まとめ
この記事では、水そうに水を入れる問題について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 「毎分○リットル」が比例定数になる
- 時間を $x$、水の量を $y$ として $y = ax$ の形で式を立てる
- 比例定数がわからないときは $a = y \div x$ で求める
具体的な数値を代入して確かめる習慣をつけると、式の間違いを防げる。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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