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【比例】比例の性質とxの変域【中1数学】【必須】

「比例のグラフは書けるけど、変域へんいきって何?」と聞かれて、うまく答えられないことはないだろうか。

比例の式は覚えた。グラフも書ける。でも「$x$ の変域が $-2 \leq x \leq 5$ のとき、$y$ の変域を求めよ」という問題になると、急に手が止まる。何をどう考えればいいのかわからない。

実は、変域の問題は「比例の性質」をきちんと理解していれば、機械的に解ける。この記事では、比例の3つの性質を確認し、変域の求め方をステップごとに解説する。

対象:中学1年 所要時間:約8分
目次

そもそも「比例の性質」とは?

比例の式 $y = ax$($a$ は比例定数ひれいていすう)には、3つの重要な性質がある。この3つを押さえておけば、変域の問題も確実に解ける。

性質1:$x$ が2倍、3倍になると、$y$ も2倍、3倍になる

比例では、$x$ の値を何倍かにすると、$y$ の値も同じ倍率で変化する。

$$y = 2x \text{ のとき}$$
$x$1234
$y$2468

$x$ が $1 \to 2$(2倍)になると、$y$ も $2 \to 4$(2倍)になっている。

性質2:$\dfrac{y}{x}$ の値が常に一定($= a$)

比例 $y = ax$ の式を変形すると $\dfrac{y}{x} = a$ となる。つまり、どんな $x$, $y$ の組み合わせでも、$y$ を $x$ で割った値は常に比例定数 $a$ に等しい。

$$\dfrac{2}{1} = \dfrac{4}{2} = \dfrac{6}{3} = \dfrac{8}{4} = 2$$

性質3:グラフは原点を通る直線

比例のグラフは必ず原点 $(0, 0)$ を通り、まっすぐな直線になる。

原点を通る理由:$x = 0$ を代入すると $y = a \times 0 = 0$ となるため、必ず $(0, 0)$ を通る。

比例の性質を図で理解する

比例定数 $a$ が正のときと負のときで、グラフの傾きが変わる。この違いが変域を求めるときに重要になる。

アニメーションで確認できるように、比例定数 $a$ の正負によってグラフの傾きが変わる。

  • $a > 0$ のとき:右上がりの直線($x$ が増えると $y$ も増える)
  • $a < 0$ のとき:右下がりの直線($x$ が増えると $y$ は減る)

この「増える・減る」の関係が、変域を求めるときのカギになる。

変域とは何か?

変域とは、「変数がとりうる値の範囲」のことである。

例えば「$x$ の変域は $1 \leq x \leq 5$」とは、「$x$ は 1 以上 5 以下の値をとる」という意味である。

変域の表し方:不等号を使って $1 \leq x \leq 5$ と書く。「$x$ は 1 から 5 まで」という意味。

変域の種類

記号意味
$\leq$以下(その値を含む)$x \leq 5$:$x$ は 5 以下
$<$未満(その値を含まない)$x < 5$:$x$ は 5 未満
$\geq$以上(その値を含む)$x \geq 1$:$x$ は 1 以上
$>$より大きい(その値を含まない)$x > 1$:$x$ は 1 より大きい

$x$ の変域から $y$ の変域を求める手順

比例 $y = ax$ で、$x$ の変域が与えられたとき、$y$ の変域を求める手順は以下の通りである。

1
$x$ の変域の両端の値を確認する

$x$ の最小値と最大値を読み取る。

2
両端の値を式に代入して $y$ の値を求める

$x$ の最小値と最大値をそれぞれ $y = ax$ に代入する。

3
$y$ の最小値と最大値から変域を書く

求めた2つの $y$ の値を比べ、小さい方が最小値、大きい方が最大値となる。

重要:比例のグラフは直線なので、$y$ の最大値・最小値は必ず $x$ の変域の両端で現れる。途中に最大値・最小値がくることはない。

例題で手順を確認する

例題1:$a > 0$ の場合

例題1. $y = 2x$ について、$x$ の変域が $1 \leq x \leq 4$ のとき、$y$ の変域を求めよ。

【解答】

1

$x$ の変域の両端を確認する。

$x$ の最小値は $1$、最大値は $4$ である。

2

両端の値を代入する。

$$\begin{aligned} x = 1 \text{ のとき:} y &= 2 \times 1 = 2 \\[8pt] x = 4 \text{ のとき:} y &= 2 \times 4 = 8 \end{aligned}$$
3

$y$ の変域を書く。

$y$ の最小値は $2$、最大値は $8$ なので、

$$\boldsymbol{2 \leq y \leq 8}$$

例題2:$a < 0$ の場合

例題2. $y = -3x$ について、$x$ の変域が $-2 \leq x \leq 3$ のとき、$y$ の変域を求めよ。

【解答】

1

$x$ の変域の両端を確認する。

$x$ の最小値は $-2$、最大値は $3$ である。

2

両端の値を代入する。

$$\begin{aligned} x = -2 \text{ のとき:} y &= -3 \times (-2) = 6 \\[8pt] x = 3 \text{ のとき:} y &= -3 \times 3 = -9 \end{aligned}$$
3

$y$ の変域を書く。

$y$ の最小値は $-9$、最大値は $6$ なので、

$$\boldsymbol{-9 \leq y \leq 6}$$

注意:$a < 0$ のとき、$x$ が最小値のときに $y$ は最大値、$x$ が最大値のときに $y$ は最小値になる。順番が逆転することに注意する。

変域の対応を図で確認する

このアニメーションでは、$y = 2x$ について $x$ の変域 $1 \leq x \leq 4$ に対応する $y$ の変域を示している。

  • 緑の点線:$x$ の変域($x$ 軸上の $1$ から $4$ まで)
  • 紫の点線:対応する $y$ の変域($y$ 軸上の $2$ から $8$ まで)
  • 赤い線分:グラフ上の対応する部分

よくある間違いと対策

間違い1:$a < 0$ のとき、最大・最小の順番を間違える

間違い例:$y = -3x$ で $x$ の変域が $-2 \leq x \leq 3$ のとき、$y$ の変域を $6 \leq y \leq -9$ と書いてしまう。

正しくは:$-9 \leq y \leq 6$

対策:変域は必ず「小さい方 $\leq$ 変数 $\leq$ 大きい方」の順で書く。代入した後に大小を比較して、小さい方を左に書く。

間違い2:片方だけ代入する

間違い例:$x = 1$ のときだけ計算して、$y$ の変域を $y = 2$ と書いてしまう。

対策:変域は範囲なので、必ず両端($x$ の最小値と最大値)の両方を代入する。

間違い3:不等号の向きを間違える

間違い例:$1 \leq x \leq 4$ を $4 \leq x \leq 1$ と書いてしまう。

対策:不等号の向きは「小 → 大」の順番で統一する。$1 \leq x \leq 4$ は正しく、$4 \leq x \leq 1$ は誤り。

この単元のよくある質問

Q. 変域に $<$ と $\leq$ が混ざっているときはどうすればいい?

A. 代入の方法は同じである。ただし、$<$ の場合は「その値を含まない」ので、$y$ の変域でも同様に $<$ を使う。例えば $1 < x \leq 4$ なら、$x = 1$ のときの $y$ の値は含まないので、$2 < y \leq 8$ となる。

Q. 変域が負の数を含むときも同じ方法でいい?

A. 同じ方法で解ける。両端の値を代入して、$y$ の値を計算する。負の数同士の大小比較に注意すること(例:$-9 < -2$)。

Q. 原点を含む変域(例:$-2 \leq x \leq 3$)のときは何か特別なことがある?

A. 原点を含んでいても、両端の値を代入するだけで解ける。原点 $(0, 0)$ は比例のグラフ上の点だが、$y$ の最大値・最小値は両端で現れるので、特別な処理は不要である。

練習問題

問1. $y = 4x$ について、$x$ の変域が $-1 \leq x \leq 3$ のとき、$y$ の変域を求めよ。
問2. $y = -2x$ について、$x$ の変域が $-3 \leq x \leq 2$ のとき、$y$ の変域を求めよ。
問3. $y = \dfrac{1}{2}x$ について、$x$ の変域が $2 \leq x \leq 8$ のとき、$y$ の変域を求めよ。

まとめ

この記事では、比例の性質と変域の求め方について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 比例の3つの性質:①$x$ が $n$ 倍なら $y$ も $n$ 倍、②$\dfrac{y}{x}$ が一定、③原点を通る直線
  • 変域とは「変数がとりうる値の範囲」のこと
  • $y$ の変域を求めるには、$x$ の変域の両端を代入するだけでよい
  • $a < 0$ のときは、$y$ の最大・最小が逆転することに注意

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