反比例のグラフを描こうとして、「なんで2つに分かれるの?」「なぜ軸にくっつかないの?」と疑問に思ったことはないだろうか。
比例のグラフは直線1本で済むのに、反比例になると急に曲線が2つ出てきて、しかも軸に近づくだけで絶対に交わらない。何とも不思議な形である。
実は、この形には「双曲線」という名前がついていて、$xy=k$ という式の性質から必然的に生まれるものである。この記事では、なぜ双曲線がこのような形になるのか、アニメーションで確認しながら理解を深めていく。
そもそも反比例のグラフとは?
反比例とは、$y=\dfrac{a}{x}$($a$は0でない定数)で表される関係のことである。
定数とは、変わらない決まった数のことである。$a=6$ なら、$x$がどう変わっても$a$は常に6のままである。
反比例の式 $y=\dfrac{a}{x}$ を変形すると $xy=a$ となる。つまり「$x$と$y$をかけると常に一定の値$a$になる」というのが反比例の本質である。
この式から点をとってグラフを描くと、滑らかな曲線が現れる。この曲線のことを双曲線という。
双曲線という名前は、「2つに分かれた曲線」という意味からきている。
双曲線の形を図で理解する
まず、反比例 $y=\dfrac{6}{x}$ のグラフを見てみよう。点が1つずつプロットされ、曲線ができあがる様子を確認してほしい。
アニメーションで確認できたように、グラフは2つの曲線に分かれている。これが双曲線の最大の特徴である。
双曲線の3つの特徴
反比例のグラフ(双曲線)には、覚えておくべき重要な特徴が3つある。
原点について対称
グラフを原点を中心に180°回転させると、元の形とピッタリ重なる。
座標軸とは交わらない
$x$軸にも$y$軸にも、どれだけ近づいても絶対に交わらない。
$a$の符号で位置が変わる
$a>0$のとき:右上と左下の領域に曲線がある
$a<0$のとき:左上と右下の領域に曲線がある
なぜ軸と交わらないのか?
これは多くの人が疑問に思うポイントである。理由は式から説明できる。
反比例の式 $y=\dfrac{a}{x}$ を見てみよう。
$x$軸と交わらない理由
$x$軸上の点は $y=0$ である。しかし $y=\dfrac{a}{x}=0$ となるには、分子の$a$が0でなければならない。
$a\neq 0$ と決まっているので、$y$が0になることはない。つまり$x$軸とは交わらない。
$y$軸と交わらない理由
$y$軸上の点は $x=0$ である。しかし $y=\dfrac{a}{0}$ は計算できない(0で割ることはできない)。
だから$x=0$のときの$y$の値が存在せず、$y$軸とは交わらない。
このように、軸に限りなく近づくけれど決して交わらない線のことを「漸近線」という。双曲線にとって$x$軸と$y$軸が漸近線である。
$a$の符号による形の違い
次に、$a$が正の場合と負の場合で、グラフがどう変わるか確認しよう。
このように、$a$の符号によってグラフが現れる象限が変わる。
象限とは、座標軸で分けられた4つの領域のことである。右上が第1象限、左上が第2象限、左下が第3象限、右下が第4象限である。
| $a$の符号 | グラフの位置 |
|---|---|
| $a > 0$(正) | 第1象限と第3象限(右上と左下) |
| $a < 0$(負) | 第2象限と第4象限(左上と右下) |
$|a|$の大きさとグラフの形
次に、$a$の絶対値(符号を無視した大きさ)によって、グラフの曲がり具合がどう変わるか見てみよう。
$|a|$が大きいほど、グラフは原点から離れた位置を通る。逆に$|a|$が小さいと、グラフは原点に近い位置を通る。
双曲線の描き方
反比例のグラフを正確に描くための手順を確認しよう。
座標軸を描く
$x$軸と$y$軸を描き、原点Oを書く。
点をいくつかとる
$x$に具体的な値を代入して、対応する$y$の値を求める。整数になる点を選ぶと楽である。
点をプロットする
求めた点を座標平面上に記入する。
滑らかな曲線で結ぶ
点を滑らかな曲線で結ぶ。直線で結んではいけない。
例題:$y=\dfrac{4}{x}$ のグラフを描く
まず、$x$に値を代入して点を求める。
| $x$ | $-4$ | $-2$ | $-1$ | $1$ | $2$ | $4$ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| $y$ | $-1$ | $-2$ | $-4$ | $4$ | $2$ | $1$ |
例えば $x=2$ のとき:
これらの点をプロットし、滑らかに結べばグラフの完成である。
よくある質問と答え
Q. なぜグラフが2つに分かれるのですか?
A. $x$が正のときと負のときで、$y$の符号が変わるからである。$a>0$の場合、$x>0$なら$y>0$(右上)、$x<0$なら$y<0$(左下)となり、2つの領域に分かれる。
Q. $x=0$ のとき $y$ はいくつになりますか?
A. $x=0$ を代入すると $y=\dfrac{a}{0}$ となり、0で割ることはできないため、$y$の値は存在しない。だからグラフは$y$軸を通らない。
Q. 比例と反比例のグラフの見分け方は?
A. 比例のグラフは原点を通る直線、反比例のグラフは原点を通らない曲線(双曲線)である。形を見れば一目でわかる。
練習問題
(1)グラフはどの象限を通るか。
(2)点$(3, 4)$はこのグラフ上にあるか。
まとめ
この記事では、反比例のグラフ(双曲線)の特徴について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 反比例のグラフは双曲線と呼ばれる滑らかな曲線である
- グラフは原点について対称で、座標軸と交わらない
- $a>0$なら第1・第3象限、$a<0$なら第2・第4象限を通る
- $|a|$が大きいほど、グラフは原点から離れる
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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