「関数って何?」と聞かれて、うまく説明できる人は意外と少ない。
「$y = 2x$ みたいな式のこと?」「グラフを描くやつ?」——そんなふうに、なんとなくのイメージだけで進んでしまい、後になって「結局、関数って何だったんだろう」と混乱する人が多いのである。
実は、関数の正体は「2つの数の間にある決まったルール」である。この記事では、「変数」と「関数」の意味を、具体例とアニメーションで順を追って解説する。
そもそも「変数」とは何か?
関数を理解するには、まず「変数」という言葉を知る必要がある。
変数とは、「いろいろな値に変わることができる文字」のことである。数学では $x$ や $y$ などのアルファベットで表す。
例えば、次のような場面を考えてみよう。
「1個80円のりんごを $x$ 個買うと、代金は $y$ 円になる」
ここで、$x$ は「買う個数」、$y$ は「代金」を表している。
- $x = 1$ のとき、$y = 80$
- $x = 2$ のとき、$y = 160$
- $x = 3$ のとき、$y = 240$
このように、$x$ の値が変わると、それに応じて $y$ の値も変わる。だから「変数」と呼ぶのである。
「関数」とは何か?
では、いよいよ「関数」の定義に入ろう。
関数とは、「$x$ の値を1つ決めると、$y$ の値がただ1つに決まる関係」のことである。
さきほどのりんごの例を思い出してほしい。
- $x = 2$ と決めると、$y = 160$ にただ1つ決まる
- $x = 5$ と決めると、$y = 400$ にただ1つ決まる
「$x$ を決めれば $y$ が1つに決まる」——この関係があるとき、「$y$ は $x$ の関数である」という。
言い換えると、関数とは「入力($x$)を入れると、出力($y$)が1つだけ出てくる装置」のようなものである。
関数を図で理解する
関数のイメージをつかむために、「入力と出力の関係」をアニメーションで見てみよう。
このように、関数は「$x$ を入れると $y$ が出てくる箱」と考えるとわかりやすい。
大切なのは、同じ $x$ を入れたら、いつも同じ $y$ が出てくるということである。$x = 3$ を入れて、あるときは $y = 240$、別のときは $y = 300$ と出てきたら、それは関数ではない。
関数を式で表す
関数の「ルール」は、式で表すことができる。
りんごの例では、
と表せる。これが「関数を表す式」である。
この式を使えば、$x$ の値からいつでも $y$ の値を計算できる。
$x = 4$ のとき
$x = 10$ のとき
「関数」と「関数でないもの」の違い
ここで、「関数である」と「関数でない」の違いを確認しておこう。
関数の例
例1:正方形の1辺の長さ $x$ と面積 $y$
$x = 3$ と決めれば、$y = 9$ とただ1つに決まる。これは関数である。
例2:時速40kmで $x$ 時間走ったときの距離 $y$
$x = 2$ と決めれば、$y = 80$ とただ1つに決まる。これも関数である。
関数でない例
例3:$x$ 歳の人の身長 $y$
$x = 14$(14歳)と決めても、身長は人によって違う。160cmの人もいれば、170cmの人もいる。$y$ が1つに決まらないので、これは関数ではない。
ポイント:$x$ を決めたとき、$y$ が「ただ1つ」に決まるかどうかが、関数かどうかの判断基準である。
関数を表す2つの表現
関数は、式以外にも「表」や「グラフ」で表すことができる。
表で表す
$y = 80x$ を表にすると次のようになる。
| $x$(個) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| $y$(円) | 80 | 160 | 240 | 320 | 400 |
グラフで表す
表の値を座標にとってグラフを描くと、関数の「形」が見える。
グラフを見ると、すべての点が一直線上に並んでいることがわかる。$y = 80x$ のように、$y = ax$ の形で表される関数は、原点を通る直線になる。
よくある質問と答え
Q. 「関数」と「式」は同じ意味ですか?
A. 同じではない。「関数」は「$x$ を決めると $y$ がただ1つ決まる関係」のことであり、「式」はその関係を表す方法の1つである。関数は式だけでなく、表やグラフでも表すことができる。
Q. $y = 2$ のように $x$ が出てこない式も関数ですか?
A. 関数である。$x$ がどんな値でも、$y$ は常に $2$ という「ただ1つ」の値に決まるからである。このような関数を「定数関数」という。
Q. なぜ「関数」という名前なのですか?
A. 英語の "function"(機能、働き)を漢字に訳したものである。$x$ に対して $y$ を返す「働き」があるということから、この名前がついた。
練習問題
ア. $x$ cmの正方形の周の長さ $y$ cm
イ. 1日に $x$ 時間勉強する人のテストの点数 $y$ 点
ウ. 時速 $x$ kmで2時間走ったときの距離 $y$ km
まとめ
この記事では、「変数」と「関数」の意味について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 変数とは、いろいろな値に変わることができる文字のこと($x$、$y$ など)
- 関数とは、$x$ の値を1つ決めると、$y$ の値がただ1つに決まる関係のこと
- 関数は、式、表、グラフの3つの方法で表すことができる
- $y$ が「ただ1つ」に決まるかどうかが、関数かどうかの判断基準
関数は、この先の「比例」「反比例」「一次関数」「二次関数」などすべての土台になる概念である。「$x$ を決めると $y$ がただ1つ決まる」——このイメージをしっかり持っておこう。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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