MENU
図やアニメーションが崩れている場合はご連絡ください。

【1次関数】グラフの平行と一致|傾きが同じとき【中2数学】【必須】

「傾きが同じなのに、グラフが重なったり重ならなかったりするのはなぜ?」と混乱していないだろうか。

実は、傾きが同じ2つの直線には、「平行」と「一致」という2つのパターンしかない。この違いを理解していないと、連立方程式の解の判定や図形問題でつまずいてしまう。

この記事では、傾きが等しい2直線の関係を、グラフのアニメーションで視覚的に理解できるようになるまで順を追って解説する。

対象:中学2年 所要時間:約8分
目次

そもそも「傾き」とは何か?

1次関数 $y = ax + b$ において、$a$ のことをかたむきという。

かたむきとは、$x$ が1増えたときに $y$ がどれだけ変化するかを表す数である。傾きが正なら右上がり、負なら右下がりのグラフになる。

例えば、$y = 2x + 3$ の傾きは $2$ である。これは「$x$ が1増えると $y$ が2増える」ことを意味する。

$$y = \underbrace{2}_{傾き}x + \underbrace{3}_{切片}$$

切片せっぺんとは、グラフが $y$ 軸と交わる点の $y$ 座標のことである。$y = 2x + 3$ なら、切片は $3$ である。

傾きが同じ2直線の関係

傾きが等しい2つの直線には、次の2パターンしかない。

1
平行:傾きが同じで、切片が異なる場合
2直線は交わらず、どこまでいっても同じ間隔を保つ。
2
一致:傾きも切片も同じ場合
2直線は完全に重なり、実質的に同じ直線である。

式で表すと、次のようになる。

$$\begin{aligned} &\text{直線1:} y = ax + b_1 \\[8pt] &\text{直線2:} y = ax + b_2 \\[12pt] &b_1 \neq b_2 \Rightarrow \text{平行} \\[8pt] &b_1 = b_2 \Rightarrow \text{一致} \end{aligned}$$

グラフで理解する「平行」と「一致」

言葉だけではイメージしにくいので、実際にグラフを動かして確認しよう。

平行のグラフ

$y = 2x + 3$ と $y = 2x – 1$ のグラフを見てみよう。どちらも傾きは $2$ だが、切片が異なる。

2つの直線は同じ傾き $2$ を持つため、どこまで延ばしても交わらない。これが「平行」である。

切片の差が $3 – (-1) = 4$ なので、$y$ 軸方向に4だけずれた位置にある。この距離はどの $x$ の位置でも一定である。

一致のグラフ

$y = 2x + 3$ と $y = 2x + 3$ のグラフを見てみよう。傾きも切片も同じである。

2つの直線は完全に重なってしまう。赤い破線はせんで示した直線が、青い直線の上にぴったり乗っているのがわかるだろうか。これが「一致」である。

切片を動かして変化を見る

切片の値を変えると、2直線の関係がどう変わるか確認しよう。

赤い直線の切片 $b$ :

切片を変えると直線が上下に移動する。切片が3のとき(青い直線と同じ)に一致し、それ以外は平行になる。

判定の手順

2つの1次関数が平行か一致かを判定する手順を整理しよう。

1
2つの式を $y = ax + b$ の形に変形する
2
傾き $a$ を比較する
→ 傾きが異なれば「交わる」(1点で交差)
3
傾きが同じなら、切片 $b$ を比較する
→ 切片が異なれば「平行」
→ 切片も同じなら「一致」

例題

次の2直線の関係を調べよ。

$$\text{直線1:} y = 3x – 2$$ $$\text{直線2:} 6x – 2y = 4$$

解答

まず、直線2を $y = ax + b$ の形に変形する。

$$\begin{aligned} 6x – 2y &= 4 \\[8pt] -2y &= -6x + 4 \\[8pt] y &= 3x – 2 \end{aligned}$$

直線1と直線2は、どちらも $y = 3x – 2$ である。

傾きが $3$ で同じ、切片が $-2$ で同じ。よって、2直線は一致する。

連立方程式との関係

2直線の関係は、連立方程式の解と深く関わっている。

2直線の関係連立方程式の解グラフ上での意味
交わる1組の解交点が1つ
平行解なし交点がない
一致無数の解全ての点が共通

連立方程式を解いたとき「解なし」や「無数の解」になるのは、2直線が平行または一致しているからである。

よくある間違いと対策

1
形を揃えずに比較する
$y = 2x + 1$ と $2x – y + 1 = 0$ を「傾きが違う」と判断してしまう。
→ 必ず $y = ax + b$ の形に変形してから比較する。
2
傾きだけで「平行」と判断する
傾きが同じでも、切片まで同じなら「一致」である。
→ 傾きが同じ場合は、必ず切片も確認する。
3
符号の間違い
$y = -2x + 3$ と $y = 2x + 3$ を「切片が同じだから一致」と判断してしまう。
→ 傾きの符号も含めて正確に比較する。

この単元のよくある質問

Q. 傾きが同じで切片も同じ2直線は、なぜ「2本」ではなく「1本」なのですか?

A. 数学では、式が異なっていても同じグラフを表すなら「同じ直線」と考える。$y = 2x + 3$ と $2y = 4x + 6$ は式は違うが、変形すると同じになるため、1本の直線である。

Q. 傾きが同じ2直線の「距離」はどうやって求めますか?

A. $y$ 軸方向の距離は切片の差の絶対値である。例えば $y = 2x + 5$ と $y = 2x + 1$ なら、$|5 – 1| = 4$ が $y$ 軸方向の距離となる。厳密な最短距離は高校で学ぶ。

Q. 「平行」と「一致」以外に、傾きが同じ2直線のパターンはありますか?

A. ない。傾きが同じ2直線は、切片が違えば平行、切片も同じなら一致の2パターンのみである。これは直線の定義から必然的に決まる。

練習問題

問1. 次の2直線の関係(交わる・平行・一致)を答えよ。
$y = -x + 4$ と $y = -x – 2$
問2. 次の2直線の関係を答えよ。
$2x + y = 5$ と $4x + 2y = 10$
問3. 直線 $y = 3x + 1$ に平行で、点 $(2, 10)$ を通る直線の式を求めよ。

まとめ

この記事では、傾きが同じ2直線の関係について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 傾きが同じ2直線は、「平行」か「一致」の2パターンしかない
  • 切片が異なれば平行、切片も同じなら一致
  • 判定するときは、必ず $y = ax + b$ の形に変形してから比較する
  • 連立方程式の「解なし」は平行、「無数の解」は一致に対応する

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

コメント

コメントする

目次