1次関数の利用④|動点の問題
「点が動くって、どう式にすればいいの?」——そんな戸惑いを感じたことはないだろうか。
動点の問題は、図形の上を点が動くとき、面積や長さがどう変わるかを1次関数で表す問題である。一見難しそうだが、やることは「動いた距離を $x$ とおいて、面積を $y$ で表す」——これだけである。
この記事では、動点の問題を「図で見て」「手順どおりに」解けるようになるまで、ひとつずつ確認していく。
そもそも動点の問題とは?
動点の問題とは、図形の辺の上を一定の速さで動く点があるとき、その点の位置によって変わる量(面積など)を関数で表す問題である。
動点とは、文字どおり「動く点」のことである。問題では「点Pが毎秒1cmの速さで動く」のように設定される。
具体的には、次のような問題である。
【例】右の図のような長方形ABCDがある。点Pは頂点Aを出発し、辺AB上を毎秒1cmの速さでBまで動く。点Pが出発してから $x$ 秒後の△APDの面積を $y$ cm²とするとき、$y$ を $x$ の式で表せ。
この問題では、$x$(時間)が変わると、$y$(面積)も変わる。この関係を式で表すのが動点の問題である。
動点の問題を図で理解する
まずは、点Pがどのように動き、面積がどう変わるかを目で見て確認しよう。下のアニメーションで、点Pの動きと三角形の面積の変化を観察してほしい。
アニメーションを見ると、次のことがわかる。
- 点Pが右に動くほど、底辺APが長くなる
- 高さ(AD)は4cmで変わらない
- 面積は「底辺×高さ÷2」で求まる
つまり、$x$ 秒後には AP $= x$ cm となり、面積 $y$ は次のように表せる。
これが1次関数 $y = 2x$ の式である。
動点の問題を解く手順
動点の問題は、次の3つの手順で解くことができる。
「点Pが動いた距離」または「出発してからの時間」を $x$ とおく。求める量(面積など)を $y$ とおく。
$x$ を使って、変化する辺の長さを表す。変わらない辺の長さも確認する。
三角形の面積なら「底辺×高さ÷2」に代入して、$y$ を $x$ の式で表す。
例題で手順を確認しよう
実際に例題を解いてみよう。
【例題】下の図のような長方形ABCDで、AB $= 6$ cm、AD $= 4$ cm である。点Pは頂点Aを出発し、辺AB上を毎秒1cmの速さでBまで動く。出発してから $x$ 秒後の△APDの面積を $y$ cm²とするとき、$y$ を $x$ の式で表せ。また、$x$ の変域を求めよ。
【解答】
手順1:変数を決める
出発してからの時間を $x$ 秒、面積を $y$ cm²とする。
手順2:図から長さを読み取る
点Pは毎秒1cmで動くので、$x$ 秒後には
高さADは $4$ cmで変わらない。
手順3:公式に代入する
三角形の面積 $=$ 底辺 $\times$ 高さ $\div 2$ より、
変域を求める:
点PはAからBまで動く。AB $= 6$ cm で、毎秒1cmで動くので、
- $x = 0$ のとき:点PはAにいる(出発時)
- $x = 6$ のとき:点PはBに着く
よって、$x$ の変域は
【答え】 $y = 2x$ ($0 \leq x \leq 6$)
グラフで確認しよう
$y = 2x$($0 \leq x \leq 6$)をグラフに表すと、下のようになる。スライダーを動かして、$x$ と $y$ の関係を確認してみよう。
場合分けが必要な動点の問題
点Pが複数の辺を動くときは、辺ごとに式が変わる。これを「場合分け」という。次のアニメーションで確認しよう。
上の例では、点PがAB上を動くときと、BC上を動くときで式が変わる。
| 区間 | $x$ の変域 | $y$ の式 |
|---|---|---|
| PがAB上 | $0 \leq x \leq 6$ | $y = 2x$ |
| PがBC上 | $6 \leq x \leq 10$ | $y = 12$(一定) |
PがBC上にいるとき、△APDの底辺(AD)と高さ(AB)が両方とも変わらないので、面積は一定になる。
よくある間違いと対策
「毎秒2cmで動く」場合、$x$ 秒後の距離は $2x$ cm である。「$x$ cm」ではない。
対策:「距離 $=$ 速さ $\times$ 時間」を確認してから代入する。
三角形の面積を求めるとき、動く辺と固定の辺のどちらが底辺かを確認する。
対策:図に底辺と高さを書き込んでから計算する。
動点の問題では、$x$ がとりうる範囲(変域)も答えの一部である。
対策:「出発点で $x = 0$」「到着点で $x = $ ?」を必ず確認する。
この単元のよくある質問
Q. なぜ点Pの動いた距離を $x$ とおくのですか?
A. 点Pの位置が変わると面積も変わるからである。変わる量を文字でおくことで、2つの量の関係を式で表せるようになる。時間を $x$ とおく場合も、結局「距離 $=$ 速さ $\times$ 時間」で距離に変換して使う。
Q. 場合分けはどんなときに必要ですか?
A. 点Pが複数の辺をまたいで動くときに必要である。辺が変わると、底辺や高さとして使う長さが変わることがあるため、式も変わる。
Q. 変域はなぜ大切なのですか?
A. 動点は無限に動けるわけではなく、図形の辺の上だけを動く。変域を示すことで「この式はこの範囲でのみ成り立つ」と正しく伝えられる。グラフを書くときにも変域が必要になる。
練習問題
まとめ
この記事では、1次関数の利用として「動点の問題」について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 動点の問題は「動いた距離を $x$、面積などを $y$」として式を立てる
- 「距離 $=$ 速さ $\times$ 時間」を使って長さを表す
- 点が複数の辺を動くときは、辺ごとに場合分けする
- 変域($x$ のとりうる範囲)も忘れずに答える
手順どおりに進めれば、動点の問題も確実に解けるようになる。繰り返し練習して、自分のものにしてほしい。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

コメント