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【1次関数】1次関数の利用⑤|図形とグラフの融合【中2数学】【応用】

「グラフは描けるのに、図形が絡むと急に解けなくなる」——そんな経験はないだろうか。

座標平面上を点が動く問題、三角形の面積が変化する問題。問題文を読むだけで頭が混乱し、どこから手をつければいいかわからなくなる。式を立てようとしても、何を $x$ にして何を $y$ にすればいいのか見当がつかない。

実は、図形とグラフの融合ゆうごう問題には「型」がある。その型さえ身につければ、複雑に見える問題も同じ手順で解けるようになる。この記事では、動点問題を中心に、図形の変化を1次関数で表す方法を順を追って解説する。

対象:中学2年 所要時間:約15分
目次

そもそも「図形とグラフの融合」とは?

図形とグラフの融合問題とは、座標平面上の図形に関する量(長さ・面積など)を、1次関数の式やグラフで表す問題である。

座標平面ざひょうへいめんとは、横軸($x$ 軸)と縦軸($y$ 軸)で位置を表す平面のことである。点の位置は $(x, y)$ の形で表す。

具体的には、次のようなパターンがある。

パターン1:動点問題
点Pが辺上を一定の速さで動くとき、三角形の面積がどう変化するかを式で表す。

パターン2:直線と図形の交点
直線が図形を切り取るとき、切り取られた部分の面積を求める。

パターン3:2直線の交点と面積
2つの直線と軸で囲まれた三角形の面積を求める。

この記事では、最も出題頻度が高い動点問題を中心に解説する。

動点問題を図で理解する

動点問題では、点が動くにつれて図形がどう変化するかを把握することが最も重要である。まずは、アニメーションで動きを確認しよう。

アニメーションを見ると、点Pが右に動くほど三角形ABPの面積が大きくなることがわかる。この「底辺が伸びると面積が増える」という関係を式で表すのが、動点問題の本質である。

動点問題の解き方:3ステップ

動点問題は、次の3ステップで解く。この手順を覚えれば、どんな問題でも同じように解ける。

1
変数を決める
「動く量」を $x$ とおく。多くの場合、出発点からの距離や経過時間を $x$ とする。
2
求めたい量を $y$ で表す
面積や長さなど、問題で求められている量を $y$ として、$x$ を使った式で表す。
3
$x$ の変域へんいきを確認する
$x$ が取りうる値の範囲(変域)を確認する。点が辺からはみ出さない範囲である。

変域へんいきとは、変数が取りうる値の範囲のことである。例えば「$0 \leq x \leq 5$」は「$x$ は0以上5以下」という意味である。

例題で手順を確認する

具体的な例題で、3ステップを実践してみよう。

例題
右の図で、点Pは辺BC上をBからCまで毎秒2cmの速さで動く。AB = 6cm、BC = 10cm のとき、出発してから $x$ 秒後の△ABPの面積を $y$ cm² として、$y$ を $x$ の式で表せ。また、$x$ の変域を求めよ。

ステップ1:変数を決める

出発してからの時間を $x$ 秒とする。これは問題文で指定されている。

ステップ2:求めたい量を $y$ で表す

△ABPの面積を求める。三角形の面積は「底辺 × 高さ ÷ 2」である。

底辺BP:点Pは毎秒2cmで動くので、$x$ 秒後には $2x$ cm 進んでいる。

速さ × 時間 = 距離 なので、2 × $x$ = $2x$ cm である。

高さAB:点Aから底辺BCまでの距離は、AB = 6cm で一定である。

$$\begin{aligned} y &= \frac{1}{2} \times \text{底辺} \times \text{高さ} \\[8pt] &= \frac{1}{2} \times 2x \times 6 \\[8pt] &= 6x \end{aligned}$$

よって、$y = 6x$ となる。

ステップ3:$x$ の変域を確認する

点Pは点Bを出発して点Cまで動く。BC = 10cm、速さは毎秒2cmなので、点Cに到着するまでの時間は

$$10 \div 2 = 5 \text{(秒)}$$

したがって、$x$ の変域は $0 \leq x \leq 5$ である。

答え

$$y = 6x \quad (0 \leq x \leq 5)$$

グラフで確認する

求めた式 $y = 6x$ をグラフに表すと、面積の変化がより直感的にわかる。

グラフから、次のことが読み取れる。

・$x = 0$ のとき $y = 0$(点Pが点Bにあり、面積は0)
・$x = 5$ のとき $y = 30$(点Pが点Cに到達し、面積は最大の30cm²)
・グラフは原点を通る直線で、面積は時間に比例して増加する

場合分けが必要なパターン

動点問題では、点が複数の辺を移動する場合がある。このとき、辺ごとに式が変わるため、場合分けが必要になる。

このように点Pが複数の辺を通過する場合、それぞれの辺で別々の式になる。グラフも折れ線になることが多い。

よくある間違いと対策

1
速さと距離を混同する
「毎秒2cm」は速さであり、距離ではない。$x$ 秒後の距離は「速さ × 時間 = $2x$」である。問題文の「毎秒○cm」に下線を引き、必ず「距離 = 速さ × 時間」で計算する習慣をつけよう。
2
変域を書き忘れる
動点問題では変域も答えの一部である。点がどこからどこまで動くかを確認し、必ず変域を書く。変域を求めるには「辺の長さ ÷ 速さ」で到着時間を計算する。
3
底辺と高さを取り違える
三角形の面積で「どこを底辺とするか」を意識することが大切である。底辺を決めたら、高さはその底辺に垂直すいちょくな距離になる。図に底辺と高さを書き込んでから計算しよう。

この単元のよくある質問

Q. なぜ動点問題では $x$ を時間にすることが多いのですか?

A. 時間を $x$ とすると、距離が「速さ × $x$」で簡単に表せるためである。また、問題文で「$x$ 秒後」と指定されていることが多い。ただし、「出発点からの距離を $x$ とせよ」という問題もあるので、問題文をよく読むことが大切である。

Q. 場合分けが必要かどうか、どう判断すればよいですか?

A. 点が通過する辺が複数ある場合、各辺で底辺や高さの変化のしかたが変わるため、場合分けが必要になる。問題文で「点PはB→C→Aと動く」のように複数の辺が示されていたら、場合分けを意識しよう。

Q. グラフが折れ線になるのはどんなときですか?

A. 場合分けをして式が途中で変わるとき、グラフは折れ線になる。例えば、最初は面積が増加し(右上がりの直線)、途中から減少する(右下がりの直線)場合、山の形の折れ線グラフになる。

練習問題

問1. 右の図のような長方形ABCDがある。点Pは辺BC上をBからCまで毎秒3cmの速さで動く。AB = 4cm、BC = 12cm のとき、出発してから $x$ 秒後の△ABPの面積を $y$ cm² として、$y$ を $x$ の式で表せ。また、$x$ の変域を求めよ。
問2. 座標平面上に3点 A(0, 6)、B(0, 0)、C(8, 0) がある。点Pは辺BC上を点Bから点Cまで動く。BP = $x$ のとき、△ABPの面積を $y$ として、$y$ を $x$ の式で表せ。また、$x$ の変域を求めよ。
問3. 問2において、△ABPの面積が12になるときの $x$ の値を求めよ。

まとめ

この記事では、1次関数と図形の融合問題、特に動点問題の解き方を学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 動く量(時間や距離)を $x$ とおき、求めたい量を $y$ で表す
  • 三角形の面積は「底辺 × 高さ ÷ 2」で、どちらが変化するかを見極める
  • 変域は「辺の長さ ÷ 速さ」で求める
  • 点が複数の辺を通過するときは場合分けが必要

動点問題は、一見複雑に見えるが、手順を守れば確実に解ける。3ステップを意識して、繰り返し練習しよう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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