「関数って何?」「一次関数と比例は何が違うの?」——そんな疑問を抱えていないだろうか。
実は、一次関数は小学校で習った比例の「少しだけ進化した形」にすぎない。比例がわかれば、一次関数も必ず理解できる。
この記事では、$y = ax + b$ という式の意味を、グラフと具体例を使ってゼロから解説する。読み終わるころには「一次関数ってこういうことか」と納得できるはずである。
そもそも「関数」とは?
まず、「関数」という言葉の意味を確認しよう。
関数とは、「ある値が決まると、それに応じて別の値がただ1つ決まる関係」のことである。
具体例で考えてみよう。
例:ジュースの自動販売機
120円のジュースを買うとき、買う本数を決めると支払う金額が決まる。
- 1本買う → 120円
- 2本買う → 240円
- 3本買う → 360円
「本数」を決めれば「金額」がただ1つに決まる。このとき、「金額は本数の関数である」という。
数学では、決める方の値を $x$、決まる方の値を $y$ と表す。この例では次のように書ける。
$x$ に値を代入すれば $y$ が求まる。これが関数の基本である。
一次関数とは?
一次関数とは、$y$ が $x$ の式で次の形になる関数のことである。
$a$ と $b$ は決まった数(定数)である。$a$ は 0 ではない。
$a$ と $b$ にはそれぞれ名前がついている。
- $a$:傾き(グラフの傾斜を決める)
- $b$:切片(グラフが $y$ 軸と交わる点を決める)
いくつか具体例を見てみよう。
| 式 | 傾き $a$ | 切片 $b$ |
|---|---|---|
| $y = 2x + 3$ | 2 | 3 |
| $y = -x + 5$ | −1 | 5 |
| $y = \dfrac{1}{2}x – 4$ | $\dfrac{1}{2}$ | −4 |
| $y = 3x$ | 3 | 0 |
最後の $y = 3x$ のように、$b = 0$ のとき(つまり $y = ax$ の形)は、小学校で習った「比例」と同じである。比例は一次関数の特別な場合なのだ。
傾きと切片を図で理解する
$y = ax + b$ の $a$ と $b$ がグラフにどう影響するか、視覚的に確認しよう。
切片 $b$ の意味:グラフが $y$ 軸と交わる点の $y$ 座標である。$y = 2x + 1$ では $b = 1$ なので、点 $(0, 1)$ を通る。
傾き $a$ の意味:$x$ が 1 増えたとき、$y$ がどれだけ増えるかを表す。$a = 2$ なら、$x$ が 1 増えると $y$ は 2 増える。
傾きが変わるとグラフはどう変わる?
傾き $a$ の値によって、グラフの「急さ」や「向き」が変わる。実際に比べてみよう。
傾きの特徴をまとめる
| 傾き $a$ の値 | グラフの特徴 |
|---|---|
| $a > 0$(正) | 右上がり |
| $a < 0$(負) | 右下がり |
| $|a|$ が大きい | 急な直線 |
| $|a|$ が小さい | ゆるやかな直線 |
$|a|$ は $a$ の絶対値である。符号を無視した大きさを表す。
一次関数と比例の違い
小学校で習った比例と一次関数の関係を整理しよう。
| 比例 | 一次関数 | |
|---|---|---|
| 式 | $y = ax$ | $y = ax + b$ |
| 切片 | $b = 0$ | $b$ は任意 |
| グラフ | 原点を通る直線 | 原点を通るとは限らない直線 |
つまり、比例は $b = 0$ の特別な一次関数である。一次関数の方が比例より広い概念なのだ。
上のグラフを見ると、$y = 2x$ と $y = 2x + 2$ は傾きが同じ(平行)で、切片の分だけ上下にずれていることがわかる。
一次関数かどうかの見分け方
ある式が一次関数かどうかを判断する手順を確認しよう。
例題:次の式は一次関数かどうか判断せよ。
(1) $y = 3x – 5$
$a = 3$, $b = -5$ なので一次関数である。
(2) $y = x^2 + 1$
$x^2$(xの2乗)があるので、$y = ax + b$ の形ではない。一次関数ではない。
一次関数の「一次」とは、$x$ の次数が1であることを意味する。$x^2$ は二次、$x^3$ は三次である。
(3) $y = 7$
$x$ が含まれていないので、$y = 0 \cdot x + 7$ と書ける。しかし $a = 0$ なので一次関数ではない(定数関数という)。
(4) $2y = 4x + 6$
両辺を 2 で割ると
$a = 2$, $b = 3$ なので一次関数である。
よくある質問と答え
Q. 一次関数のグラフはなぜ直線になるのですか?
A. 傾き $a$ が一定だからである。$x$ が 1 増えるごとに $y$ は常に $a$ だけ増える。この「一定の割合で増える」という性質が、グラフを直線にする。
Q. $y = ax + b$ の $a$ と $b$ を逆に覚えてしまいます。どうすればいいですか?
A. 「$a$ は $x$ にくっついている」と覚えよう。$ax$ で「aとxはセット」と意識すれば、残った $b$ が切片だとわかる。
Q. 傾きがマイナスのとき、グラフが右下がりになる理由がわかりません。
A. 傾き $a = -1$ なら、$x$ が 1 増えると $y$ は $-1$ 増える、つまり 1 減る。$x$ が大きくなるほど $y$ が小さくなるので、右下がりになる。
練習問題
(1) $y = 4x + 3$
(2) $y = -2x + 7$
(3) $y = \dfrac{3}{2}x – 1$
ア. $y = 5x$
イ. $y = x^2 – 3$
ウ. $y = -x + 4$
エ. $y = \dfrac{2}{x}$
オ. $3y = 6x – 9$
まとめ
この記事では、一次関数の基本について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 一次関数は $y = ax + b$ の形で表される関数である
- $a$ は傾き(グラフの急さと向きを決める)、$b$ は切片($y$ 軸との交点)
- 比例 $y = ax$ は、切片 $b = 0$ の特別な一次関数である
- 傾きが正なら右上がり、負なら右下がりのグラフになる
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

コメント