【連立方程式】3元1次連立方程式|1つ消去して2元に帰着
「連立方程式で文字が3つも出てきて、どこから手をつけていいかわからない」と困っていないだろうか。
安心してほしい。3元1次連立方程式の解き方は、実は2元の連立方程式を2回解くだけである。
この記事を読めば、3つの文字がある連立方程式を確実に解けるようになる。
そもそも3元1次連立方程式とは?
3元1次連立方程式とは、文字が3つある連立方程式のことである。
「元」とは、式に含まれる未知数(求めたい文字)の個数のことである。2元なら文字2つ、3元なら文字3つという意味だ。
例えば、次のような式が3元1次連立方程式である。
この式には $x$, $y$, $z$ という3つの文字が含まれている。
3つの文字を求めるには、3つの式が必要である。これは「未知数の数と式の数が同じでなければ解けない」という基本原則による。
解き方の基本方針
3元1次連立方程式を解く方針は非常にシンプルである。
1つの文字を消去して、2元の連立方程式に帰着させる
身近な例で考えてみよう。
「3人でじゃんけんをして勝者を1人決めたい」とき、最初から3人で勝負するのは大変である。まず2人で勝負して1人に絞り、残った1人と最後の勝負をする方がわかりやすい。
連立方程式も同じである。3つの文字をいきなり求めようとせず、まず1つ消して2つにする。2つになれば、いつもの加減法や代入法で解ける。
3元1次連立方程式の解き方手順
消去する文字を1つ決める
係数が揃えやすい文字、または係数が1の文字を選ぶと計算が楽になる。
3つの式から2つを選び、決めた文字を消去する
式①と式②、式①と式③など、2組の式を使って、同じ文字を消去する。
できた2元連立方程式を解く
手順2で得られた2つの式は、文字が2つだけの連立方程式になっている。これを加減法で解く。
残りの文字を求める
求めた値を元の式に代入して、最後の文字を求める。
例題で手順を確認する
次の連立方程式を解いてみよう。
手順1:消去する文字を決める
$z$ の係数を見ると、①と②では $+1$、③では $-1$ である。
①と③を足せば $z$ が消えるので、$z$ を消去することにする。
手順2:文字 $z$ を消去する
【①と②から $z$ を消去】
①と②を引き算する(②から①を引く)。
引き算のとき、カッコ内の全ての項の符号が変わることに注意。$+(x + y + z)$ が $-x – y – z$ になる。
【①と③から $z$ を消去】
①と③を足し算する。
手順3:2元連立方程式を解く
④と⑤から $x$ と $y$ を求める。
④を2倍して⑤から引く。
計算が煩雑になったので、別の方法も試してみる。④を $x = 2y – 3$ と変形して⑤に代入する方法もある。
④から $x$ を求める式を作る。
④”を⑤に代入する。
$y = \dfrac{17}{7}$ を④”に代入して $x$ を求める。
手順4:残りの文字 $z$ を求める
$x = \dfrac{13}{7}$, $y = \dfrac{17}{7}$ を①に代入する。
答え
検算
求めた値を元の式に代入して確かめる。
①の検算:$\dfrac{13}{7} + \dfrac{17}{7} + \dfrac{12}{7} = \dfrac{42}{7} = 6$ ✓
②の検算:$2 \times \dfrac{13}{7} – \dfrac{17}{7} + \dfrac{12}{7} = \dfrac{26 – 17 + 12}{7} = \dfrac{21}{7} = 3$ ✓
③の検算:$\dfrac{13}{7} + 2 \times \dfrac{17}{7} – \dfrac{12}{7} = \dfrac{13 + 34 – 12}{7} = \dfrac{35}{7} = 5$ ✓
よくある間違いと対策
消去する文字を途中で変えてしまう
最初に「$z$ を消す」と決めたら、2組の式両方で $z$ を消す。途中で $x$ を消したりすると、できた式の文字がバラバラになり、2元連立方程式にならない。
符号のミス
引き算のとき、カッコの中身全体の符号を変え忘れることが多い。$(a + b)$ を引くなら $-a – b$ になる。
検算をしない
3元の連立方程式は計算が長いため、ミスが起きやすい。必ず元の3つの式全てに代入して確かめること。
よくある質問と答え
Q. どの文字を消去すればいいですか?
A. 係数が揃えやすい文字を選ぶとよい。例えば、複数の式で係数が同じ文字や、係数が1または-1の文字は計算が楽になる。どの文字を消しても最終的な答えは同じなので、計算しやすさで選んで問題ない。
Q. 式の組み合わせは自由に選んでいいですか?
A. 基本的には自由だが、同じ文字を消す2組の式が、異なる式を含むようにする。例えば、①と②、①と③のように共通の式が1つだけ入る組み合わせが標準的である。①と②、①と②のように同じ組み合わせを使っても意味がない。
Q. 計算結果が分数になってしまったのですが、間違いですか?
A. 分数の答えになることは普通にある。整数解にならなくても、検算して元の式が成り立てば正解である。分数の計算は通分を丁寧に行い、符号ミスに気をつけよう。
練習問題
【問題1】 次の連立方程式を解け。
解答
$z$ を消去する。
①+③:$2x + 2y = 12$ より $x + y = 6$ …④
②+③:$2x = 6$ より $x = 3$
④に代入:$3 + y = 6$ より $y = 3$
①に代入:$3 + 3 + z = 10$ より $z = 4$
【問題2】 次の連立方程式を解け。
解答
$y$ を消去する。
①+②:$3x + z = 6$ …④
①×2+③:$7x – z = 10$ …⑤
④+⑤:$10x = 16$ より $x = \dfrac{8}{5}$
④に代入:$\dfrac{24}{5} + z = 6$ より $z = \dfrac{6}{5}$
①に代入:$\dfrac{16}{5} + y – \dfrac{6}{5} = 1$ より $y = 1 – 2 = -1$
【問題3】 次の連立方程式を解け。
解答
$z$ を消去する。
①×1-②×3:$-5x – 7y = -19$ より $5x + 7y = 19$ …④
②×2-③:$x + 5y = 11$ …⑤
⑤×5-④:$18y = 36$ より $y = 2$
⑤に代入:$x + 10 = 11$ より $x = 1$
①に代入:$1 + 4 + 3z = 14$ より $z = 3$
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この記事で3元1次連立方程式の解き方は理解できた。
しかし正直なところ、「明日テストで出たら迷わず解ける自信があるか」と聞かれたらどうだろう。
もし少しでも不安があるなら、あと10問だけ解いてみてほしい。
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まとめ
この記事では3元1次連立方程式の解き方を学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 3元連立方程式は「1つの文字を消して2元に帰着」させる
- 消去する文字は係数が揃えやすいものを選ぶ
- 2組の式から同じ文字を消し、2元連立方程式を作る
- 計算が長いため、必ず元の3式全てで検算する
理解できたら、あとは手を動かすだけである。
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