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【連立方程式】増減(◯割増・◯%引)と食塩水の問題【中2数学】【応用】

【連立方程式】増減(○割増・○%引)と食塩水の問題

連立方程式の文章題で、「昨年より2割増」「10%引き」といった割合わりあいの問題や、「濃度8%の食塩水」といった食塩水しょくえんすいの問題に苦戦していないだろうか。

「式の立て方がわからない」「何を $x$、$y$ にすればいいか迷う」という声は非常に多い。

安心してほしい。これらの問題は、割合の基本公式「何が等しいか」を見つけるコツさえ押さえれば、確実に解けるようになる。

この記事を読めば、増減問題と食塩水問題の立式パターンが身につき、文章題への苦手意識が薄れるはずである。

対象:中学2年生〜 所要時間:約15分
目次

割合の基本をおさらいしよう

増減や食塩水の問題を解く前に、割合わりあいの基本を確認しておこう。

割合の基本公式:(比べる量)=(もとにする量)×(割合)

この公式は、すべての割合問題の土台である。

「○割」と「○%」の変換

まず、割合の表し方を整理する。

表現小数分数
1割0.1$\dfrac{1}{10}$
2割0.2$\dfrac{2}{10}$
10%0.1$\dfrac{10}{100}$
25%0.25$\dfrac{25}{100}$

「割」は10等分、「%」は100等分と覚えよう。1割=10%=0.1 である。

「○割増」「○%引」の計算

増減の計算で最も重要なのは、次の2つの公式である。

$$\begin{aligned} &\text{○割増} \quad \rightarrow \quad \text{もとの量} \times (1 + 0.\text{○}) \\[8pt] &\text{○割引} \quad \rightarrow \quad \text{もとの量} \times (1 – 0.\text{○}) \end{aligned}$$

具体例で確認しよう。

例1:100円の2割増

$$100 \times (1 + 0.2) = 100 \times 1.2 = 120 \text{円}$$

例2:100円の3割引

$$100 \times (1 – 0.3) = 100 \times 0.7 = 70 \text{円}$$

例3:500円の20%引

$$500 \times (1 – 0.2) = 500 \times 0.8 = 400 \text{円}$$

「増」は足し算、「引(減)」は引き算。$(1 \pm \text{割合})$ を掛ける形を徹底しよう。

増減問題の解き方

増減問題では、「昨年と今年」「定価と売価」など、2つの時点や状態を比較することが多い。

例題1:人数の増減

問題

ある中学校の昨年の生徒数は、男子と女子を合わせて500人だった。

今年は昨年に比べて、男子が10%増え、女子が5%減ったので、全体で490人になった。

昨年の男子と女子の人数をそれぞれ求めよ。

解き方の手順

1

何を $x$、$y$ とするか決める

問われているものを文字で置くのが基本である。

昨年の男子を $x$ 人、昨年の女子を $y$ 人とする。

2

「等しい関係」を2つ見つける

【関係①】昨年の合計は500人

$$x + y = 500$$

【関係②】今年の合計は490人

・今年の男子:$x$ の10%増 → $x \times 1.1 = 1.1x$

・今年の女子:$y$ の5%減 → $y \times 0.95 = 0.95y$

$$1.1x + 0.95y = 490$$
3

連立方程式を解く

$$\begin{cases} x + y = 500 \\ 1.1x + 0.95y = 490 \end{cases}$$

①の式より $y = 500 – x$ を②に代入だいにゅうする。

$$\begin{aligned} 1.1x + 0.95(500 – x) &= 490 \\[8pt] 1.1x + 475 – 0.95x &= 490 \\[8pt] 0.15x &= 490 – 475 \\[8pt] 0.15x &= 15 \\[8pt] x &= \frac{15}{0.15} \\[8pt] x &= 100 \end{aligned}$$

$y = 500 – 100 = 400$

4

答えを確認する

・昨年の合計:$100 + 400 = 500$ ✓

・今年の合計:$100 \times 1.1 + 400 \times 0.95 = 110 + 380 = 490$ ✓

答え:昨年の男子 100人、女子 400人

例題2:売買の問題(定価と売価)

問題

ある店で、商品Aと商品Bを定価ていかで買うと合計3000円である。

商品Aを2割引、商品Bを1割引で買うと合計2500円になる。

商品A、Bの定価をそれぞれ求めよ。

定価とは、値引き前の元の価格のことである。売価ばいかは実際に売る価格(値引き後)を指す。

解き方

1

商品Aの定価を $x$ 円、商品Bの定価を $y$ 円とする。

2

【関係①】定価の合計は3000円

$$x + y = 3000$$

【関係②】値引き後の合計は2500円

・Aの2割引:$x \times 0.8 = 0.8x$

・Bの1割引:$y \times 0.9 = 0.9y$

$$0.8x + 0.9y = 2500$$
3

連立方程式を解く。

$$\begin{cases} x + y = 3000 \\ 0.8x + 0.9y = 2500 \end{cases}$$

①より $y = 3000 – x$ を②に代入。

$$\begin{aligned} 0.8x + 0.9(3000 – x) &= 2500 \\[8pt] 0.8x + 2700 – 0.9x &= 2500 \\[8pt] -0.1x &= 2500 – 2700 \\[8pt] -0.1x &= -200 \\[8pt] x &= 2000 \end{aligned}$$

$y = 3000 – 2000 = 1000$

答え:商品Aの定価 2000円、商品Bの定価 1000円

食塩水問題の解き方

食塩水の問題は、「食塩の量」に着目するのがポイントである。

食塩水の基本公式

$$\text{食塩の量} = \text{食塩水の量} \times \frac{\text{濃度}}{100}$$

濃度のうどとは、食塩水全体に対する食塩の割合を%で表したものである。濃度8%なら、食塩水100gあたり食塩8gが溶けている。

関連する公式をまとめておく。

求めるもの公式
食塩の量食塩水 × $\dfrac{\text{濃度}}{100}$
濃度$\dfrac{\text{食塩}}{\text{食塩水}} \times 100$
食塩水の量食塩 ÷ $\dfrac{\text{濃度}}{100}$

食塩水問題の鉄則

混ぜる前の食塩の合計 = 混ぜた後の食塩の量
食塩は混ぜても消えない。この「食塩の保存ほぞん」が立式の要である。

例題3:2種類の食塩水を混ぜる

問題

濃度が8%の食塩水と濃度が3%の食塩水を混ぜて、濃度が5%の食塩水を600g作りたい。

それぞれ何gずつ混ぜればよいか。

解き方の手順

1

何を $x$、$y$ とするか決める

8%の食塩水を $x$ g、3%の食塩水を $y$ gとする。

2

「等しい関係」を2つ見つける

【関係①】食塩水の量の合計

$$x + y = 600$$

【関係②】食塩の量の合計(これが最重要!)

・8%の食塩水 $x$ gに含まれる食塩:$x \times \dfrac{8}{100} = 0.08x$ g

・3%の食塩水 $y$ gに含まれる食塩:$y \times \dfrac{3}{100} = 0.03y$ g

・5%の食塩水 600gに含まれる食塩:$600 \times \dfrac{5}{100} = 30$ g

$$0.08x + 0.03y = 30$$
3

連立方程式を解く

$$\begin{cases} x + y = 600 \\ 0.08x + 0.03y = 30 \end{cases}$$

②の式を100倍して小数を消す。

$$8x + 3y = 3000 \quad \cdots ②’$$

①を3倍して②’から引く。

$$\begin{aligned} ①\times 3: \quad 3x + 3y &= 1800 \\[8pt] ②’ – ①\times 3: \quad 8x + 3y – (3x + 3y) &= 3000 – 1800 \\[8pt] 5x &= 1200 \\[8pt] x &= 240 \end{aligned}$$

$y = 600 – 240 = 360$

4

答えを確認する

・食塩水の合計:$240 + 360 = 600$ g ✓

・食塩の合計:$240 \times 0.08 + 360 \times 0.03 = 19.2 + 10.8 = 30$ g ✓

答え:8%の食塩水 240g、3%の食塩水 360g

例題4:食塩水に水を加える

問題

濃度10%の食塩水がある。これに水を200g加えたら濃度が6%になった。

最初の食塩水は何gあったか。

は濃度0%の食塩水と考える。水を加えても食塩の量は変わらない。

解き方

1

最初の食塩水を $x$ gとする。

(この問題は未知数が1つなので、1つの方程式で解ける)

2

食塩の量は変わらないことを使う

・最初の食塩の量:$x \times \dfrac{10}{100} = 0.1x$ g

・水を加えた後の食塩水の量:$x + 200$ g

・水を加えた後の食塩の量:$(x + 200) \times \dfrac{6}{100} = 0.06(x + 200)$ g

食塩の量が等しいので、

$$0.1x = 0.06(x + 200)$$
3

方程式を解く。

$$\begin{aligned} 0.1x &= 0.06x + 12 \\[8pt] 0.1x – 0.06x &= 12 \\[8pt] 0.04x &= 12 \\[8pt] x &= \frac{12}{0.04} \\[8pt] x &= 300 \end{aligned}$$

答え:最初の食塩水は 300g

よくある間違いと対策

1

「2割増」を $\times 0.2$ としてしまう

「2割増」は「もとの量 + 2割」なので、$\times 1.2$ が正しい。

「増」がついたら必ず $(1 + \text{割合})$ を掛ける。

2

食塩水の問題で「食塩水の量」で等式を立ててしまう

混ぜると食塩水の量は変わるが、食塩の量は変わらない

必ず「食塩の量」で等式を立てること。

3

小数の計算ミス

$0.08x + 0.03y = 30$ のような式は、100倍して整数に直すと計算しやすい。

$8x + 3y = 3000$ の方がミスが減る。

この単元のよくある質問

Q. 「○割増」と「○倍」はどう違うのですか?

A. 「2割増」は $\times 1.2$(もとの量の1.2倍)、「2倍」は $\times 2$ です。「増」がつくと「1 + 割合」を掛け、「○倍」はそのまま掛けます。例えば、100円の2割増は120円、100円の2倍は200円です。

Q. 食塩水に食塩を加える問題はどう考えますか?

A. 食塩は「濃度100%の食塩水」と考えます。加えた食塩の分だけ食塩の量も食塩水の量も増えます。例えば、100gの食塩水に食塩10gを加えると、食塩水の量は110g、食塩の量は「もとの食塩 + 10g」になります。

Q. 連立方程式を立てずに解ける方法はありますか?

A. 食塩水の問題では「てんびん図」という方法もありますが、連立方程式で解く方法を確実に身につけることをおすすめします。連立方程式なら、どんな複雑な問題にも対応できる汎用性があるからです。

練習問題

問題1

ある商店では、昨年の売上は商品Aと商品Bを合わせて100万円だった。今年は商品Aの売上が20%増え、商品Bの売上が10%減ったので、全体では5万円増えた。昨年の商品A、商品Bの売上をそれぞれ求めよ。

商品Aの昨年の売上を $x$ 万円、商品Bの昨年の売上を $y$ 万円とする。

【関係①】昨年の合計

$$x + y = 100$$

【関係②】今年の合計は105万円

$$1.2x + 0.9y = 105$$

①より $y = 100 – x$ を②に代入。

$$\begin{aligned} 1.2x + 0.9(100 – x) &= 105 \\[8pt] 1.2x + 90 – 0.9x &= 105 \\[8pt] 0.3x &= 15 \\[8pt] x &= 50 \end{aligned}$$

$y = 100 – 50 = 50$

答え:商品A 50万円、商品B 50万円

問題2

定価の3割引で売ると1400円になる商品がある。この商品の定価を求めよ。

定価を $x$ 円とする。

3割引は $\times 0.7$ なので、

$$\begin{aligned} 0.7x &= 1400 \\[8pt] x &= \frac{1400}{0.7} \\[8pt] x &= 2000 \end{aligned}$$

答え:定価 2000円

問題3

濃度12%の食塩水と濃度4%の食塩水を混ぜて、濃度6%の食塩水を400g作りたい。それぞれ何gずつ混ぜればよいか。

12%の食塩水を $x$ g、4%の食塩水を $y$ gとする。

【関係①】食塩水の量の合計

$$x + y = 400$$

【関係②】食塩の量の合計

$$0.12x + 0.04y = 400 \times 0.06 = 24$$

②を100倍:$12x + 4y = 2400$

①を4倍:$4x + 4y = 1600$

$$\begin{aligned} 12x + 4y – (4x + 4y) &= 2400 – 1600 \\[8pt] 8x &= 800 \\[8pt] x &= 100 \end{aligned}$$

$y = 400 – 100 = 300$

答え:12%の食塩水 100g、4%の食塩水 300g

Core-dorill

基礎を、何度でも。

この記事で増減問題と食塩水問題の立式パターンは理解できた。

しかし正直なところ、「テスト本番で自信を持って解けるか」と聞かれたらどうだろう。
もし少しでも不安があるなら、あと10問だけ解いてみてほしい。

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まとめ

この記事では、連立方程式の増減問題と食塩水問題について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 「○割増」は $\times (1 + 0.\text{○})$、「○割引」は $\times (1 – 0.\text{○})$
  • 食塩水問題は「食塩の量は混ぜても変わらない」を使う
  • 小数の式は100倍して整数に直すとミスが減る
  • 求めるものを $x$、$y$ とし、「等しい関係」を2つ見つける

理解できたら、あとは手を動かすだけである。

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