「$\sqrt{2} \times \sqrt{3}$ って、どうやって計算するの?」と手が止まったことはないだろうか。
平方根のかけ算は、普通の数のかけ算とはルールが違うように感じて、戸惑う人が多い。「答えが $\sqrt{6}$ になるのはなぜ?」と聞かれても、うまく説明できないこともあるだろう。
実は、平方根の乗法には「根号の中身同士をかける」というシンプルなルールがあるだけである。この記事では、そのルールを図解とともに順を追って解説し、「見た瞬間に手が動く」状態を目指す。
そもそも平方根の乗法とは?
平方根の乗法とは、$\sqrt{\phantom{0}}$(根号)を含む数同士のかけ算のことである。
例えば、次のような計算が平方根の乗法に当たる。
- $\sqrt{2} \times \sqrt{3}$
- $\sqrt{5} \times \sqrt{5}$
- $3\sqrt{2} \times 2\sqrt{5}$
これらの計算には、共通する1つの公式がある。
この公式は「根号の中身同士をかけて、その結果をまた根号の中に入れる」という意味である。$a \geq 0$、$b \geq 0$ のとき成り立つ。
具体例で確認しよう。
このように、$\sqrt{2}$ と $\sqrt{3}$ をかけると、中身の $2$ と $3$ をかけた $6$ が根号の中に入り、答えは $\sqrt{6}$ となる。
平方根の乗法を図で理解する
「なぜ $\sqrt{a} \times \sqrt{b} = \sqrt{ab}$ なのか」を、面積の考え方で視覚的に確認しよう。
図からわかるように、縦 $\sqrt{a}$、横 $\sqrt{b}$ の長方形の面積は $\sqrt{a} \times \sqrt{b}$ である。一方、この面積は $a \times b$ という値に等しい(なぜなら $\sqrt{a} \times \sqrt{a} = a$、$\sqrt{b} \times \sqrt{b} = b$ だから)。
面積が $ab$ の正方形の1辺は $\sqrt{ab}$ なので、$\sqrt{a} \times \sqrt{b} = \sqrt{ab}$ が成り立つ。
平方根の乗法の手順
平方根のかけ算は、次の手順で計算する。
根号の中身同士をかける
$\sqrt{a} \times \sqrt{b}$ → 中身の $a$ と $b$ をかけて $a \times b$ を求める。
結果を根号の中に入れる
$\sqrt{a \times b}$ の形にする。
根号の中を簡単にする(できれば)
根号の中に平方数(4, 9, 16, 25…)が含まれていれば、外に出す。
平方数とは、$1^2=1$, $2^2=4$, $3^2=9$, $4^2=16$, $5^2=25$ のように、ある整数の2乗になっている数のことである。
例題1:基本の計算
$\sqrt{2} \times \sqrt{5}$ を計算せよ。
10 には平方数が含まれていないので、$\sqrt{10}$ が答えである。
例題2:根号の中を簡単にする
$\sqrt{2} \times \sqrt{8}$ を計算せよ。
$16 = 4^2$ なので、$\sqrt{16} = 4$ となる。根号がなくなり、整数になった。
例題3:係数がある場合
$3\sqrt{2} \times 2\sqrt{5}$ を計算せよ。
係数とは、根号の前についている数のことである。$3\sqrt{2}$ の係数は $3$、$2\sqrt{5}$ の係数は $2$ である。
係数同士をかけ、根号同士もかける。「係数は係数、根号は根号」で分けて計算するのがコツである。
計算の流れを視覚化
係数がある場合の計算手順を、色分けで確認しよう。
係数があっても、「係数は係数同士」「根号は根号同士」と分けて計算すれば、迷わずに解ける。
よくある間違いと対策
間違い:$\sqrt{2} \times \sqrt{3} = \sqrt{5}$ としてしまう
足し算と混同している。かけ算では「中身をかける」。
正しくは $\sqrt{2} \times \sqrt{3} = \sqrt{2 \times 3} = \sqrt{6}$
間違い:$3\sqrt{2} \times 2\sqrt{5} = 5\sqrt{10}$ としてしまう
係数も足してしまっている。係数は「かける」。
正しくは $3 \times 2 = 6$ なので $6\sqrt{10}$
間違い:根号の中を簡単にし忘れる
$\sqrt{2} \times \sqrt{18} = \sqrt{36}$ で終わらず、$\sqrt{36} = 6$ まで計算する。
平方数(4, 9, 16, 25, 36…)が出てきたら、必ず整数に直す。
この単元のよくある質問
Q. なぜ √2 × √3 は √5 ではなく √6 になるのですか?
A. 平方根の乗法では、根号の中身を「足す」のではなく「かける」からです。公式は $\sqrt{a} \times \sqrt{b} = \sqrt{a \times b}$ です。$2 \times 3 = 6$ なので、答えは $\sqrt{6}$ になります。$\sqrt{2} + \sqrt{3}$ の場合は足し算ですが、これは $\sqrt{5}$ にはなりません(そのまま $\sqrt{2} + \sqrt{3}$ が答え)。
Q. 3√2 × 2√5 の係数の計算がわかりません。
A. 係数(根号の前の数)と根号部分を分けて考えましょう。$3\sqrt{2} \times 2\sqrt{5} = (3 \times 2) \times (\sqrt{2} \times \sqrt{5}) = 6 \times \sqrt{10} = 6\sqrt{10}$ です。係数同士をかけ、根号同士もかける、と覚えてください。
Q. 答えの √ の中を簡単にするタイミングがわかりません。
A. 最後に必ずチェックしましょう。根号の中に平方数(4, 9, 16, 25, 36…)が含まれていれば、簡単にできます。例えば $\sqrt{12} = \sqrt{4 \times 3} = 2\sqrt{3}$ です。因数分解して平方数を探すのがコツです。
練習問題
まとめ
この記事では、平方根の乗法について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 公式:$\sqrt{a} \times \sqrt{b} = \sqrt{a \times b}$(根号の中身同士をかける)
- 係数がある場合:係数同士をかけ、根号同士もかける
- 最後に根号の中を簡単にする(平方数があれば外に出す)
「中身をかける」というシンプルなルールを押さえれば、平方根の乗法は確実にできるようになる。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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