平方根のかけ算はできるようになったのに、わり算になった途端に手が止まる——そんな経験はないだろうか。
「分数の中に√が入ると、どう計算すればいいかわからない」「√6÷√2 と √6÷√3 で、答えの形が違うのはなぜ?」といった疑問を抱えたまま、なんとなく公式を暗記していないだろうか。
実は、平方根の除法(わり算)は、かけ算とほぼ同じルールで解ける。この記事では、その仕組みを図解とアニメーションで徹底的に理解し、「見た瞬間に手が動く」状態を目指す。
そもそも平方根の除法とは?
平方根の除法とは、√がついた数同士のわり算のことである。例えば、次のような計算を指す。
除法とは「わり算」のことである。数学では「加法(たし算)」「減法(ひき算)」「乗法(かけ算)」「除法(わり算)」と呼ぶ。
平方根の除法には、かけ算と同様に便利な公式がある。
この公式が成り立つ理由を、具体的な数値で確認してみよう。
具体例で確認
$\sqrt{12} \div \sqrt{3}$ を2通りの方法で計算してみる。
方法1:先に√の中を計算する
方法2:それぞれの値を求めてからわる
どちらの方法でも答えは $2$ になる。つまり、√の中でわり算をしても、√同士でわり算をしても、結果は同じである。
平方根の除法を図で理解する
平方根の除法がなぜ成り立つのか、面積の図で視覚的に理解しよう。
面積で考えると、「面積12の正方形」を「面積3の正方形」でわると、4個分になる。これは $12 \div 3 = 4$ に対応している。
1辺の長さで考えると、$\sqrt{12} \div \sqrt{3} = \sqrt{4} = 2$ となる。√の中身同士でわり算ができるというルールが、面積の関係から自然に導かれる。
平方根の除法の計算手順
平方根の除法には、主に2つのパターンがある。それぞれの手順を確認しよう。
パターン1:√同士のわり算
$\sqrt{a} \div \sqrt{b}$ の形の計算である。
√の中身同士をわる
$\sqrt{a} \div \sqrt{b} = \sqrt{a \div b} = \sqrt{\dfrac{a}{b}}$ と変形する。
√の中を簡単にする
わり算を実行し、できるだけ簡単な数にする。
√を簡単にする(√の外に出せる数があれば出す)
$\sqrt{4} = 2$, $\sqrt{9} = 3$ のように整数になる場合は計算する。
例題1
$\sqrt{18} \div \sqrt{2}$ を計算せよ。
$18 \div 2 = 9$ であり、$\sqrt{9} = 3$ と整数になる。
例題2
$\sqrt{30} \div \sqrt{5}$ を計算せよ。
$30 \div 5 = 6$ であり、$\sqrt{6}$ はこれ以上簡単にならない。
パターン2:係数がついた平方根のわり算
$a\sqrt{m} \div b\sqrt{n}$ の形の計算である。
係数同士、√同士に分けて考える
$a\sqrt{m} \div b\sqrt{n} = \dfrac{a}{b} \times \dfrac{\sqrt{m}}{\sqrt{n}}$ と考える。
係数をわる
$\dfrac{a}{b}$ を計算する。約分できる場合は約分する。
√の中身をわる
$\dfrac{\sqrt{m}}{\sqrt{n}} = \sqrt{\dfrac{m}{n}}$ と変形する。
結果をまとめる
係数と√を組み合わせて答えを書く。
例題3
$6\sqrt{10} \div 2\sqrt{5}$ を計算せよ。
係数は $6 \div 2 = 3$、√の中身は $10 \div 5 = 2$ となる。
例題4
$12\sqrt{6} \div 4\sqrt{3}$ を計算せよ。
除法の計算過程をアニメーションで確認
係数つきの平方根の除法を、ステップごとに確認しよう。
このように、係数と√を分けて考えれば、複雑に見える計算も1つずつ処理できる。
わり切れない場合の処理
√の中身がわり切れない場合はどうするか。この場合は分数の形で答える。
例題5
$\sqrt{5} \div \sqrt{3}$ を計算せよ。
$\sqrt{\dfrac{5}{3}}$ と $\dfrac{\sqrt{5}}{\sqrt{3}}$ は同じ値を表す。どちらの形で答えてもよいが、問題の指示に従うこと。
ただし、分母に√がある形は「有理化」が必要になる場合がある。有理化については別の記事で詳しく解説する。
よくある質問と答え(FAQ)
Q. √6÷√2 は √3 で合っていますか?
A. 合っている。$\sqrt{6} \div \sqrt{2} = \sqrt{6 \div 2} = \sqrt{3}$ である。√の中身同士をわり算すればよい。
Q. 係数と√の中身を両方わるのはなぜですか?
A. $6\sqrt{10}$ は「6と√10のかけ算」なので、$6\sqrt{10} \div 2\sqrt{5}$ は $\dfrac{6 \times \sqrt{10}}{2 \times \sqrt{5}}$ と同じである。分数の形にすると、分子・分母それぞれで約分できることがわかる。
Q. √の中がわり切れないときはどうすればいいですか?
A. 分数の形で答える。$\sqrt{5} \div \sqrt{3} = \sqrt{\dfrac{5}{3}}$ または $\dfrac{\sqrt{5}}{\sqrt{3}}$ となる。分母の有理化が必要かどうかは問題の指示に従うこと。
よくある間違いと対策
平方根の除法でよくある間違いを3つ紹介する。
間違い1:係数だけわって√を忘れる
正しくは $6\sqrt{10} \div 2\sqrt{5} = 3\sqrt{2}$ である。
対策:係数と√は別々に計算し、最後に組み合わせる。「係数→√→まとめる」の順番を守ろう。
間違い2:√の中身を引き算してしまう
正しくは $\sqrt{18} \div \sqrt{2} = \sqrt{18 \div 2} = \sqrt{9} = 3$ である。
対策:除法(わり算)は「÷」であり「−」ではない。√の中身はわる。
間違い3:答えの√を簡単にし忘れる
正しくは $\sqrt{50} \div \sqrt{2} = \sqrt{25} = 5$ である。
対策:計算の最後に「√の中身は整数の2乗になっていないか?」を確認する。
除法のパターンを視覚化
いくつかの除法のパターンを切り替えて確認してみよう。
ボタンを押して、それぞれのパターンの計算過程を確認しよう。
練習問題
まとめ
この記事では、平方根の除法(わり算)について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- $\sqrt{a} \div \sqrt{b} = \sqrt{\dfrac{a}{b}}$(√の中身同士をわる)
- 係数つきの場合は、係数同士と√同士を別々に計算する
- 答えが整数の2乗になっていたら、√を外す
- わり切れない場合は分数の形で答える
かけ算と同じ考え方なので、セットで覚えておくと効率がよい。練習問題を繰り返して、計算に慣れていこう。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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