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【平方根】平方根を含む複雑な計算【alg-sqrt-012】【応用】

平方根へいほうこんの計算で「加減乗除が混ざると、どこから手をつければいいかわからなくなる」という人は多い。

展開はできる。有理化もできる。でも、それらが1つの式に組み合わさった瞬間、頭が真っ白になってしまう——そんな経験はないだろうか。

実は、複雑に見える計算も「正しい順番」と「各ステップでやるべきこと」を守れば、確実に解ける。この記事では、四則混合の計算を迷わず処理できるようになるまで、順を追って解説する。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

そもそも「複雑な計算」とは?

平方根を含む「複雑な計算」とは、次のような要素が組み合わさった式のことである。

  • 加法(足し算)と減法(引き算)
  • 乗法(掛け算)と除法(割り算)
  • 括弧(かっこ)を含む式
  • 有理化ゆうりかが必要な分数
  • 展開公式を使う計算

有理化ゆうりかとは、分母に根号こんごう(ルート)がある分数を、分母が整数になるように変形することである。

例えば、次のような式が「複雑な計算」に該当する。

$$\sqrt{12} + \frac{6}{\sqrt{3}} – \sqrt{27}$$
$$(\sqrt{5} + \sqrt{2})(\sqrt{5} – \sqrt{2}) + \sqrt{18}$$
$$\frac{\sqrt{8} – \sqrt{2}}{\sqrt{2}} \times \sqrt{6}$$

これらを正確に計算するには、「何を先にやるか」という優先順位の理解が不可欠である。

計算の優先順位を図で理解する

平方根を含む四則混合計算には、必ず守るべき「優先順位」がある。この順番を間違えると、答えが合わなくなる。

この図が示す順番を、常に意識しながら計算を進めることが重要である。

ステップ別の処理方法

それぞれのステップで「何をすればよいか」を具体的に確認しよう。

ステップ①:括弧の中を先に計算

括弧がある場合は、まず括弧の中を計算する。展開公式を使う場合もこのステップで行う。

$$(\sqrt{3} + 1)^2 = (\sqrt{3})^2 + 2 \cdot \sqrt{3} \cdot 1 + 1^2 = 3 + 2\sqrt{3} + 1 = 4 + 2\sqrt{3}$$

ステップ②:根号の簡約・有理化

根号こんごうを含む数は、できるだけ簡単な形にする。また、分母に根号があれば有理化ゆうりかする。

$$\sqrt{12} = \sqrt{4 \times 3} = 2\sqrt{3}$$
$$\frac{6}{\sqrt{3}} = \frac{6 \times \sqrt{3}}{\sqrt{3} \times \sqrt{3}} = \frac{6\sqrt{3}}{3} = 2\sqrt{3}$$

ステップ③:乗除を左から順に

掛け算と割り算は、加減より先に計算する。左から順に処理していく。

$$2\sqrt{3} \times \sqrt{6} = 2\sqrt{18} = 2 \times 3\sqrt{2} = 6\sqrt{2}$$

ステップ④:加減を左から順に

最後に、足し算と引き算を行う。同類項どうるいこう(根号の中が同じもの)をまとめる。

$$3\sqrt{2} + 5\sqrt{2} – \sqrt{2} = (3 + 5 – 1)\sqrt{2} = 7\sqrt{2}$$

例題で手順を確認する

実際の問題で、優先順位に従って計算してみよう。

例題1:基本の四則混合

次の式を計算せよ。

$$\sqrt{12} + \frac{6}{\sqrt{3}} – \sqrt{27}$$
1

根号を簡約する

$$\sqrt{12} = \sqrt{4 \times 3} = 2\sqrt{3}$$
$$\sqrt{27} = \sqrt{9 \times 3} = 3\sqrt{3}$$
2

分母を有理化する

$$\frac{6}{\sqrt{3}} = \frac{6 \times \sqrt{3}}{\sqrt{3} \times \sqrt{3}} = \frac{6\sqrt{3}}{3} = 2\sqrt{3}$$
3

式を書き換える

$$2\sqrt{3} + 2\sqrt{3} – 3\sqrt{3}$$
4

同類項をまとめる

$$\begin{aligned} &= (2 + 2 – 3)\sqrt{3} \\[8pt] &= 1 \times \sqrt{3} \\[8pt] &= \sqrt{3} \end{aligned}$$

例題2:展開公式を含む計算

次の式を計算せよ。

$$(\sqrt{5} + \sqrt{2})(\sqrt{5} – \sqrt{2}) + \sqrt{18}$$
1

展開公式を使う

$(a + b)(a – b) = a^2 – b^2$ の公式を適用する。ここでは $a = \sqrt{5}$、$b = \sqrt{2}$ である。

$$(\sqrt{5} + \sqrt{2})(\sqrt{5} – \sqrt{2}) = (\sqrt{5})^2 – (\sqrt{2})^2$$
2

根号の2乗を計算する

$$(\sqrt{5})^2 – (\sqrt{2})^2 = 5 – 2 = 3$$
3

残りの根号を簡約する

$$\sqrt{18} = \sqrt{9 \times 2} = 3\sqrt{2}$$
4

全体を足す

$$3 + 3\sqrt{2}$$

整数と無理数は同類項どうるいこうではないので、これ以上まとめられない。

例題3:分数と乗除の複合

次の式を計算せよ。

$$\frac{\sqrt{8} – \sqrt{2}}{\sqrt{2}} \times \sqrt{6}$$
1

分子の根号を簡約する

$$\sqrt{8} = \sqrt{4 \times 2} = 2\sqrt{2}$$
2

分子を計算する

$$2\sqrt{2} – \sqrt{2} = (2 – 1)\sqrt{2} = \sqrt{2}$$
3

分数を約分する

$$\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}} = 1$$
4

残りの乗算を行う

$$1 \times \sqrt{6} = \sqrt{6}$$

よくある間違いと対策

複雑な計算では、次のような間違いが起きやすい。事前に知っておくことで防げる。

間違い①:計算順序を無視する

$\sqrt{3} + \sqrt{3} \times \sqrt{3}$ という式で、左から順に計算してしまう間違いである。

$$\begin{aligned} &\text{【誤】} \quad \sqrt{3} + \sqrt{3} \times \sqrt{3} = 2\sqrt{3} \times \sqrt{3} = 2 \times 3 = 6 \\[8pt] &\text{【正】} \quad \sqrt{3} + \sqrt{3} \times \sqrt{3} = \sqrt{3} + 3 \end{aligned}$$

乗法を先に計算する。$\sqrt{3} \times \sqrt{3} = 3$ をまず求めてから、$\sqrt{3}$ を足す。

間違い②:有理化を忘れる

分母に根号がある状態のまま、他の項と足し引きしようとする間違いである。

$$\frac{6}{\sqrt{3}} \neq 6\sqrt{3}$$

分母を有理化すると $\dfrac{6}{\sqrt{3}} = \dfrac{6\sqrt{3}}{3} = 2\sqrt{3}$ となる。

間違い③:異なる根号どうしを足す

$\sqrt{2} + \sqrt{3} = \sqrt{5}$ としてしまう間違いである。

$$\sqrt{2} + \sqrt{3} \neq \sqrt{5}$$

根号の中の数が異なる場合、それ以上まとめることはできない。$\sqrt{2} + \sqrt{3}$ が最も簡単な形である。

よくある質問と答え

Q. 計算順序に迷ったときは、どうすればいいですか?

A. まず括弧内を処理し、次に根号の簡約・有理化を行い、その後に乗除、最後に加減という順番を守ればよい。迷ったら「括弧→簡約→乗除→加減」と唱えてから計算を始めよう。

Q. √2 + √8 は 3√2 になりますか?

A. 正解である。$\sqrt{8} = \sqrt{4 \times 2} = 2\sqrt{2}$ なので、$\sqrt{2} + 2\sqrt{2} = 3\sqrt{2}$ となる。根号の中を簡約してから同類項をまとめるのがコツである。

Q. 答えに整数と根号が混ざっていても正解ですか?

A. 正解である。例えば $3 + 2\sqrt{5}$ のように、整数部分と根号部分が混ざった形が最終的な答えになることは多い。これ以上簡単にできなければ、それが正解である。

練習問題

問1. 次の式を計算せよ。
$$\sqrt{50} – \frac{4}{\sqrt{2}} + \sqrt{8}$$
問2. 次の式を計算せよ。
$$(\sqrt{7} + \sqrt{3})(\sqrt{7} – \sqrt{3}) – \sqrt{12}$$
問3. 次の式を計算せよ。
$$\frac{\sqrt{18} + \sqrt{2}}{\sqrt{2}} \times \sqrt{3}$$

まとめ

この記事では、平方根を含む複雑な計算について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 計算の優先順位は「括弧 → 簡約・有理化 → 乗除 → 加減」
  • 根号は必ず最も簡単な形に簡約してから計算する
  • 分母の根号は有理化してから他の項と計算する
  • 同類項(根号の中が同じもの)だけがまとめられる

複雑に見える式も、正しい順番で一つずつ処理すれば必ず解ける。焦らず、確実に進めていこう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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