$\sqrt{2} + \sqrt{3}$ という式を見て、「これってどう計算するの?」と手が止まった経験はないだろうか。
あるいは、$3\sqrt{5} + 2\sqrt{5}$ を計算して $5\sqrt{10}$ と書いてしまい、バツをもらったことはないだろうか。
実は、平方根のたし算・ひき算でつまずく人のほとんどは、「どの場合に計算できて、どの場合にできないか」を整理できていないだけである。この記事では、そのルールをひとつずつ確認し、迷わず手が動く状態を目指す。
そもそも平方根のたし算・ひき算とは?
平方根のたし算・ひき算には、明確なルールがある。
同類項とは、文字の部分が同じ項のことである。$3x$ と $5x$ は同類項だが、$3x$ と $5y$ は同類項ではない。
平方根でも同じ考え方が使える。根号の中が同じ数であれば、まとめることができる。
これは $3x + 2x = 5x$ と全く同じ仕組みである。$\sqrt{5}$ を $x$ に置き換えて考えればよい。
一方、根号の中の数が違う場合は、まとめることができない。
これ以上計算できないので、このままが答えである。$x + y$ がこれ以上まとめられないのと同じである。
計算できる場合とできない場合を図で理解する
このように、平方根のたし算・ひき算は「根号の中が同じかどうか」がすべてである。同じなら係数をまとめ、違うならそのままにする。
計算の手順
平方根のたし算・ひき算は、次の手順で行う。
根号の中の数を確認する
それぞれの項の $\sqrt{\phantom{0}}$ の中の数が何かを見る。
同じ数のものをグループ分けする
根号の中が同じ項を見つけて、グループにまとめる。
係数を計算する
グループごとに、係数($\sqrt{\phantom{0}}$ の前の数)をたし算・ひき算する。
例題で確認しよう
例題1:基本的なたし算
$4\sqrt{3} + 2\sqrt{3}$ を計算せよ。
根号の中がどちらも $3$ なので、係数 $4$ と $2$ をたして $6$ となる。
例題2:ひき算
$7\sqrt{2} – 3\sqrt{2}$ を計算せよ。
根号の中がどちらも $2$ なので、係数 $7$ から $3$ をひいて $4$ となる。
例題3:根号の中が異なる場合を含む式
$3\sqrt{2} + 5\sqrt{3} + 2\sqrt{2} – \sqrt{3}$ を計算せよ。
まず $\sqrt{2}$ どうし、$\sqrt{3}$ どうしをグループにする。次にそれぞれの係数を計算する。$\sqrt{2}$ と $\sqrt{3}$ はまとめられないので、$5\sqrt{2} + 4\sqrt{3}$ が答えである。
$\sqrt{3}$ の係数は $1$ なので、$5\sqrt{3} – 1 \times \sqrt{3} = 4\sqrt{3}$ と考える。
係数が分数の場合
係数が分数でも、考え方は同じである。
例題4
$\dfrac{1}{2}\sqrt{5} + \dfrac{3}{2}\sqrt{5}$ を計算せよ。
係数の分数をたし算するだけである。
まとめられない式の確認
よくある間違いと対策
根号の中どうしを足してしまう
❌ $\sqrt{2} + \sqrt{3} = \sqrt{5}$
✅ $\sqrt{2} + \sqrt{3} = \sqrt{2} + \sqrt{3}$(これ以上計算できない)
対策:$\sqrt{2} \approx 1.41$、$\sqrt{3} \approx 1.73$ なので、たすと約 $3.14$ だが、$\sqrt{5} \approx 2.24$ である。数が合わないので間違いだとわかる。
係数を根号の中に入れてしまう
❌ $3\sqrt{5} + 2\sqrt{5} = 5\sqrt{10}$
✅ $3\sqrt{5} + 2\sqrt{5} = 5\sqrt{5}$
対策:$3x + 2x = 5x$ と同じように考える。$\sqrt{5}$ を $x$ と置き換えて計算してみよう。
係数1を見落とす
❌ $5\sqrt{2} – \sqrt{2} = 5$
✅ $5\sqrt{2} – \sqrt{2} = 4\sqrt{2}$
対策:$\sqrt{2}$ は $1 \times \sqrt{2}$ と同じ。$5 – 1 = 4$ なので $4\sqrt{2}$ となる。
よくある質問と答え(FAQ)
Q. √2 + √3 はなぜこれ以上計算できないのですか?
A. 根号の中の数が違うからです。3x + 2y がこれ以上まとめられないのと同じ理由です。√2 と √3 は全く別の数なので、足し合わせることはできますが、一つの平方根にまとめることはできません。
Q. 3√5 + 2√5 を計算するとき、なぜ5√10ではなく5√5になるのですか?
A. 3√5 は「√5 が3個」、2√5 は「√5 が2個」という意味です。合わせると「√5 が5個」なので 5√5 となります。根号の中の数は変わりません。3x + 2x = 5x と同じ考え方です。
Q. √8 + √2 のように、根号の中が違う場合でも計算できることはありますか?
A. はい、あります。√8 = 2√2 と変形できるので、2√2 + √2 = 3√2 と計算できます。これは「平方根の簡単化」という別の単元で学びます。まずは根号の中がそのまま同じ場合の計算を確実にマスターしましょう。
練習問題
まとめ
この記事では、平方根のたし算・ひき算について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 根号の中が同じ場合のみ、係数をまとめることができる
- 根号の中が違う場合は、そのままが答えになる
- $ax + bx = (a+b)x$ と同じ仕組みで計算する
根号の中を足したり、係数と根号の中を混同したりしないよう注意しよう。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

コメント