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【二次方程式】解の吟味(解の確認と不適解)【alg-quad-eq-014】【必須】

二次方程式を解いたのに、答えが合わない。そんな経験はないだろうか。

「計算は間違っていないはずなのに、問題の条件に合わない」「答えが2つ出たけど、どっちを書けばいいかわからない」——このような悩みを抱える人は多い。

実は、二次方程式には「解いただけでは終わらない」という特徴がある。出てきた答えが本当に問題の条件を満たすかどうか、確認する作業が必要なのだ。この確認作業をかい吟味ぎんみという。

この記事では、解の吟味とは何か、なぜ必要なのか、そしてどのような場合に不適解ふてきかいが生じるのかを、具体例を通じて順を追って解説する。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

そもそも「解の吟味」とは?

解の吟味とは、方程式を解いて得られた答えが、もとの問題の条件を満たすかどうかを確認する作業のことである。

吟味ぎんみとは「よく調べて確かめる」という意味である。料理人が食材を吟味するように、数学でも答えを吟味する。

具体的な例で考えてみよう。

「ある正方形の1辺の長さを $x$ cmとすると、面積は $x^2$ cm²である。この面積が36 cm²のとき、1辺の長さを求めよ。」

方程式を立てると、

$$x^2 = 36$$

これを解くと、

$$x = \pm 6$$

つまり、$x = 6$ または $x = -6$ である。

しかし、ここで考えてほしい。$x$ は正方形の1辺の長さだ。長さが $-6$ cmというのは、現実にはありえない。

このように、方程式の解としては正しくても、問題の意味を考えると使えない解を不適解ふてきかい(または不適な解)という。

不適解とは「問題の条件に適さない解」の略である。方程式の解としては正しいが、問題の答えとしては不適切なものを指す。

したがって、この問題の答えは $x = 6$ のみである。$x = -6$ は不適解として除外する。

解の吟味が必要になる場面を図で理解する

解の吟味が必要になるのは、主に次の3つの場面である。

このアニメーションが示すように、解の吟味では「問題が何を求めているか」を常に意識することが大切である。

解の吟味の手順

解の吟味は、次の3ステップで行う。

1
問題の条件を確認する

問題文を読み、$x$ が何を表すかを確認する。長さなら正の数、人数なら正の整数、など。

2
方程式を解く

通常通り二次方程式を解き、解をすべて求める。

3
各解を条件と照らし合わせる

求めた解が条件を満たすかどうかを1つずつ確認し、満たさないものは不適解として除外する。

例題で手順を確認しよう

例題1:長さを求める問題

問題:ある長方形の縦の長さは横の長さより3 cm長い。この長方形の面積が40 cm²のとき、横の長さを求めよ。

1
条件を確認

横の長さを $x$ cmとする。$x$ は長さなので、$x > 0$ が条件である。

2
方程式を立てて解く

縦の長さは $(x + 3)$ cmなので、面積について、

$$x(x + 3) = 40$$

展開して整理すると、

$$\begin{aligned} x^2 + 3x &= 40 \\[8pt] x^2 + 3x – 40 &= 0 \end{aligned}$$

因数分解いんすうぶんかいすると、

$$\begin{aligned} (x + 8)(x – 5) &= 0 \\[8pt] x = -8 \quad &\text{または} \quad x = 5 \end{aligned}$$
3
解を吟味する

$x$ は長さなので $x > 0$ でなければならない。

  • $x = 5$:正の数なので適する ✓
  • $x = -8$:負の数なので不適 ✗

答え:横の長さは 5 cm

答えを書くときは「$x = -8$ は不適」と明記すると、解の吟味をしたことが採点者に伝わる。

例題2:整数条件がある問題

問題:連続する2つの正の整数がある。それぞれを2乗した数の和が85になるとき、この2つの整数を求めよ。

1
条件を確認

小さい方の整数を $n$ とする。$n$ は正の整数なので、$n \geq 1$ かつ $n$ は整数という条件がある。

2
方程式を立てて解く

連続する2つの整数は $n$ と $n + 1$ なので、

$$n^2 + (n + 1)^2 = 85$$

展開して整理すると、

$$\begin{aligned} n^2 + n^2 + 2n + 1 &= 85 \\[8pt] 2n^2 + 2n + 1 &= 85 \\[8pt] 2n^2 + 2n – 84 &= 0 \\[8pt] n^2 + n – 42 &= 0 \end{aligned}$$

因数分解すると、

$$\begin{aligned} (n + 7)(n – 6) &= 0 \\[8pt] n = -7 \quad &\text{または} \quad n = 6 \end{aligned}$$
3
解を吟味する

$n$ は正の整数でなければならない。

  • $n = 6$:正の整数なので適する ✓
  • $n = -7$:負の数なので不適 ✗

答え:2つの整数は 6と7

例題3:範囲制限がある問題

問題:地上20 mの高さから物体を投げ上げた。$t$ 秒後の高さ $h$ mは $h = -5t^2 + 15t + 20$ で表される。高さが30 mになるのは何秒後か。

1
条件を確認

$t$ は時間なので $t \geq 0$ が条件である。

2
方程式を立てて解く

$h = 30$ を代入すると、

$$-5t^2 + 15t + 20 = 30$$

整理すると、

$$\begin{aligned} -5t^2 + 15t – 10 &= 0 \\[8pt] t^2 – 3t + 2 &= 0 \\[8pt] (t – 1)(t – 2) &= 0 \\[8pt] t = 1 \quad &\text{または} \quad t = 2 \end{aligned}$$
3
解を吟味する

$t \geq 0$ の条件を確認する。

  • $t = 1$:0以上なので適する ✓
  • $t = 2$:0以上なので適する ✓

この問題では両方の解が条件を満たす。物体は上昇中に1回、下降中に1回、高さ30 mを通過するからである。

答え:1秒後2秒後

このように、2つの解がどちらも適する場合もある。解の吟味は「必ず1つに絞る」作業ではなく、「条件に合うかどうか確認する」作業である。

解の吟味の流れを図解で確認

このフローチャートが示すように、解の吟味では「各解を1つずつ条件と照らし合わせる」ことがポイントである。

よくある間違いと対策

間違い 原因 対策
解の吟味をせずに2つの解をそのまま答える 吟味の必要性を忘れている 問題文に「長さ」「個数」などの条件があるか必ず確認
不適解を答えに含めてしまう $x > 0$ などの条件を見落としている 方程式を立てる前に「$x$ の条件」を書き出す習慣をつける
両方とも不適だと勘違いする 条件を厳しく解釈しすぎている 問題文の条件を正確に読み取る(「正の数」なら0は含まない、など)

解の吟味で最も多いミスは「吟味を忘れること」である。「方程式を解いたら、必ず条件を確認」と覚えておこう。

この単元のよくある質問

Q. 不適解は答案に書かなくてもいいですか?

A. 書いた方がよい。答案には「$x = 5, -8$ だが、$x > 0$ より $x = -8$ は不適。よって $x = 5$」のように、解の吟味の過程を示すと、採点者に正しく理解していることが伝わる。

Q. 解の吟味はどんな問題でも必要ですか?

A. 文章題(応用問題)では必要になることが多い。単純に「$x^2 = 9$ を解け」のような問題では、$x = \pm 3$ がそのまま答えになる。問題文に「長さ」「個数」「時間」などの言葉があるときは要注意である。

Q. 2つの解がどちらも適する場合、どう書けばいいですか?

A. 「$t = 1, 2$ であり、どちらも $t \geq 0$ を満たす。よって答えは1秒後と2秒後」のように、両方が条件を満たすことを確認した上で、両方を答えとして書く。

練習問題

問1. ある正方形の1辺の長さを $x$ cmとする。面積が49 cm²のとき、1辺の長さを求めよ。
問2. ある自然数とその数より4大きい数の積が96になる。この自然数を求めよ。
問3. 地上から真上にボールを投げ上げた。$t$ 秒後の高さ $h$ mは $h = 20t – 5t^2$ で表される。高さが15 mになるのは何秒後か。すべて求めよ。

まとめ

この記事では、二次方程式の解の吟味について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 解の吟味とは、求めた解が問題の条件を満たすか確認する作業である
  • 長さ・個数・時間など、問題文の条件に合わない解は不適解として除外する
  • 2つの解がどちらも適する場合もあれば、どちらか一方のみが適する場合もある
  • 答案には「吟味の過程」を書くと、正しく理解していることが伝わる

方程式を解いて終わりではない。「出てきた答えが意味を持つかどうか」を確認する習慣を身につけよう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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