「二次方程式の解き方は覚えたのに、見た目が複雑な問題になると手が止まる」——そんな経験はないだろうか。
展開すると式が長くなりすぎる。かといって、どこから手をつければいいのかわからない。実は、そのような問題には「置き換え」という強力な武器がある。
置き換えとは、複雑な部分をひとつの文字にまとめてしまうことで、見慣れた形に変える技術である。この記事では、置き換えを使った二次方程式の解き方を、手順に沿ってひとつずつ確認していく。
置き換えとは何か
置き換えとは、式の中にある共通部分を別の文字で表すことである。
共通部分とは、式の中で何度も登場する同じ形のかたまりのこと。例えば $(x+3)$ が2回出てくるなら、それが共通部分である。
例えば、次のような方程式を考えてみよう。
このまま展開すると計算が面倒だが、$(x+3)$ という部分が2回登場していることに気づくだろうか。この共通部分を $t$ と置き換えると、式は次のように変わる。
これなら、見慣れた二次方程式として解くことができる。
置き換えのしくみを図で理解する
置き換えによって、複雑な式がどのように変化するかを視覚的に確認しよう。
このように、共通部分を見つけて $t$ などの新しい文字に置き換えることで、複雑に見える式をシンプルな形に変換できる。
置き換えを使った解き方の手順
置き換えを使って二次方程式を解くには、次の4つの手順を順番に行う。
式の中で繰り返し登場する部分を探す。$(x+2)$ や $(x-1)$ のような形が多い。
共通部分を $t$(または別の文字)とおく。式が二次方程式の形になることを確認する。
因数分解や解の公式を使って、$t$ の値を求める。
$t$ の値がわかったら、置き換えの式に戻して $x$ を求める。
例題1:基本的な置き換え
次の方程式を解いてみよう。
手順1:共通部分を見つける
式をよく見ると、$(x+3)$ が2回登場している。これが共通部分である。
手順2:置き換えを行う
$x+3 = t$ とおくと、式は次のように変わる。
手順3:$t$ についての方程式を解く
この二次方程式を因数分解で解く。
かけて $6$、足して $-5$ になる2数は $-2$ と $-3$ である。よって $(t-2)(t-3)$ と因数分解できる。
手順4:$x$ の値を求める
$t = x + 3$ だったので、それぞれの $t$ の値を代入して $x$ を求める。
$t = 2$ のとき:
$t = 3$ のとき:
よって、答えは $x = -1, 0$ である。
例題2:係数がついている場合
次の方程式を解いてみよう。
手順1・2:置き換え
$(2x-1)$ が共通部分である。$2x – 1 = t$ とおくと、
手順3:$t$ についての方程式を解く
かけて $-10$、足して $3$ になる2数は $5$ と $-2$ である。
手順4:$x$ の値を求める
$t = -5$ のとき:
$t = 2$ のとき:
よって、答えは $x = -2, \dfrac{3}{2}$ である。
置き換えの手順をアニメーションで確認
例題1の解き方を、ステップごとに確認してみよう。
よくある間違いと対策
置き換えを使うときに、つまずきやすいポイントを確認しておこう。
間違い1:置き換えを戻し忘れる
誤り:$t = 2, 3$ で終わってしまう。
対策:$t$ の値を求めたら、必ず置き換えの式($t = x + 3$ など)に戻す。最終的な答えは $x$ の値である。
間違い2:置き換えの式を間違える
誤り:$2x – 1 = t$ とおいたのに、戻すとき $x – 1 = t$ として計算してしまう。
対策:置き換えの式は問題の余白にメモしておき、戻すときに必ず確認する。
間違い3:共通部分を見落とす
誤り:そのまま展開してしまい、計算が複雑になる。
対策:式を見たとき、同じ形のかたまりが2回以上登場していないか、最初に確認する習慣をつける。
この単元のよくある質問
Q. どんなときに置き換えを使えばいいですか?
A. 式の中に同じ形の部分が2回以上登場しているときに使える。特に $(x+a)^2$ や $(x+a)$ のような形が繰り返し出てきたら、置き換えを検討しよう。
Q. 置き換える文字は $t$ 以外でもいいですか?
A. もちろん大丈夫である。$u$、$s$、$A$ など、何でも構わない。ただし、元の式で使っている文字($x$ や $y$ など)は避けること。混乱の原因になる。
Q. 置き換えをしないで解いてもいいですか?
A. 可能である。ただし、展開すると式が長くなり、計算ミスが起きやすい。置き換えを使うと計算量が減り、ミスも減る。テストでは効率も大切である。
練習問題
まとめ
この記事では、置き換えを使った二次方程式の解き方を学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 置き換えとは、共通部分を別の文字で表すこと
- 手順は「共通部分を見つける → 置き換える → 解く → 戻す」の4ステップ
- 最後に必ず元の式に戻して $x$ の値を求める
- 置き換えの式はメモしておき、戻すときに確認する
複雑に見える式でも、共通部分を見つけられれば、シンプルな形に変えられる。練習問題を繰り返し解いて、この技術を身につけよう。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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