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【二次方程式】置き換えを使った解き方【alg-quad-eq-012】【応用】

二次方程式にじほうていしきの解き方は覚えたのに、見た目が複雑な問題になると手が止まる」——そんな経験はないだろうか。

展開すると式が長くなりすぎる。かといって、どこから手をつければいいのかわからない。実は、そのような問題には「置き換え」という強力な武器がある。

置き換えとは、複雑な部分をひとつの文字にまとめてしまうことで、見慣れた形に変える技術である。この記事では、置き換えを使った二次方程式の解き方を、手順に沿ってひとつずつ確認していく。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

置き換えとは何か

置き換えおきかえとは、式の中にある共通部分を別の文字で表すことである。

共通部分きょうつうぶぶんとは、式の中で何度も登場する同じ形のかたまりのこと。例えば $(x+3)$ が2回出てくるなら、それが共通部分である。

例えば、次のような方程式を考えてみよう。

$$(x+3)^2 – 5(x+3) + 6 = 0$$

このまま展開すると計算が面倒だが、$(x+3)$ という部分が2回登場していることに気づくだろうか。この共通部分を $t$ と置き換えると、式は次のように変わる。

$$t^2 – 5t + 6 = 0$$

これなら、見慣れた二次方程式として解くことができる。

置き換えのしくみを図で理解する

置き換えによって、複雑な式がどのように変化するかを視覚的に確認しよう。

このように、共通部分を見つけて $t$ などの新しい文字に置き換えることで、複雑に見える式をシンプルな形に変換できる。

置き換えを使った解き方の手順

置き換えを使って二次方程式を解くには、次の4つの手順を順番に行う。

1
共通部分を見つける

式の中で繰り返し登場する部分を探す。$(x+2)$ や $(x-1)$ のような形が多い。

2
置き換えを行う

共通部分を $t$(または別の文字)とおく。式が二次方程式の形になることを確認する。

3
$t$ についての方程式を解く

因数分解いんすうぶんかい解の公式かいのこうしきを使って、$t$ の値を求める。

4
$x$ の値を求める

$t$ の値がわかったら、置き換えの式に戻して $x$ を求める。

例題1:基本的な置き換え

次の方程式を解いてみよう。

$$(x+3)^2 – 5(x+3) + 6 = 0$$

手順1:共通部分を見つける

式をよく見ると、$(x+3)$ が2回登場している。これが共通部分である。

手順2:置き換えを行う

$x+3 = t$ とおくと、式は次のように変わる。

$$t^2 – 5t + 6 = 0$$

手順3:$t$ についての方程式を解く

この二次方程式を因数分解で解く。

$$\begin{aligned} t^2 – 5t + 6 &= 0 \\[8pt] (t – 2)(t – 3) &= 0 \\[8pt] t &= 2 \text{ または } t = 3 \end{aligned}$$

かけて $6$、足して $-5$ になる2数は $-2$ と $-3$ である。よって $(t-2)(t-3)$ と因数分解できる。

手順4:$x$ の値を求める

$t = x + 3$ だったので、それぞれの $t$ の値を代入して $x$ を求める。

$t = 2$ のとき:

$$\begin{aligned} x + 3 &= 2 \\[8pt] x &= 2 – 3 \\[8pt] x &= -1 \end{aligned}$$

$t = 3$ のとき:

$$\begin{aligned} x + 3 &= 3 \\[8pt] x &= 3 – 3 \\[8pt] x &= 0 \end{aligned}$$

よって、答えは $x = -1, 0$ である。

例題2:係数がついている場合

次の方程式を解いてみよう。

$$(2x-1)^2 + 3(2x-1) – 10 = 0$$

手順1・2:置き換え

$(2x-1)$ が共通部分である。$2x – 1 = t$ とおくと、

$$t^2 + 3t – 10 = 0$$

手順3:$t$ についての方程式を解く

$$\begin{aligned} t^2 + 3t – 10 &= 0 \\[8pt] (t + 5)(t – 2) &= 0 \\[8pt] t &= -5 \text{ または } t = 2 \end{aligned}$$

かけて $-10$、足して $3$ になる2数は $5$ と $-2$ である。

手順4:$x$ の値を求める

$t = -5$ のとき:

$$\begin{aligned} 2x – 1 &= -5 \\[8pt] 2x &= -5 + 1 \\[8pt] 2x &= -4 \\[8pt] x &= -2 \end{aligned}$$

$t = 2$ のとき:

$$\begin{aligned} 2x – 1 &= 2 \\[8pt] 2x &= 2 + 1 \\[8pt] 2x &= 3 \\[8pt] x &= \frac{3}{2} \end{aligned}$$

よって、答えは $x = -2, \dfrac{3}{2}$ である。

置き換えの手順をアニメーションで確認

例題1の解き方を、ステップごとに確認してみよう。

ステップ 1/5

よくある間違いと対策

置き換えを使うときに、つまずきやすいポイントを確認しておこう。

間違い1:置き換えを戻し忘れる

誤り:$t = 2, 3$ で終わってしまう。

対策:$t$ の値を求めたら、必ず置き換えの式($t = x + 3$ など)に戻す。最終的な答えは $x$ の値である。

間違い2:置き換えの式を間違える

誤り:$2x – 1 = t$ とおいたのに、戻すとき $x – 1 = t$ として計算してしまう。

対策:置き換えの式は問題の余白にメモしておき、戻すときに必ず確認する。

間違い3:共通部分を見落とす

誤り:そのまま展開してしまい、計算が複雑になる。

対策:式を見たとき、同じ形のかたまりが2回以上登場していないか、最初に確認する習慣をつける。

この単元のよくある質問

Q. どんなときに置き換えを使えばいいですか?

A. 式の中に同じ形の部分が2回以上登場しているときに使える。特に $(x+a)^2$ や $(x+a)$ のような形が繰り返し出てきたら、置き換えを検討しよう。

Q. 置き換える文字は $t$ 以外でもいいですか?

A. もちろん大丈夫である。$u$、$s$、$A$ など、何でも構わない。ただし、元の式で使っている文字($x$ や $y$ など)は避けること。混乱の原因になる。

Q. 置き換えをしないで解いてもいいですか?

A. 可能である。ただし、展開すると式が長くなり、計算ミスが起きやすい。置き換えを使うと計算量が減り、ミスも減る。テストでは効率も大切である。

練習問題

問1. 次の方程式を解け。
$$(x-2)^2 – 4(x-2) – 5 = 0$$
問2. 次の方程式を解け。
$$(3x+2)^2 – 7(3x+2) + 12 = 0$$
問3. 次の方程式を解け。
$$(x+1)^2 + 2(x+1) – 8 = 0$$

まとめ

この記事では、置き換えを使った二次方程式の解き方を学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 置き換えとは、共通部分を別の文字で表すこと
  • 手順は「共通部分を見つける → 置き換える → 解く → 戻す」の4ステップ
  • 最後に必ず元の式に戻して $x$ の値を求める
  • 置き換えの式はメモしておき、戻すときに確認する

複雑に見える式でも、共通部分を見つけられれば、シンプルな形に変えられる。練習問題を繰り返し解いて、この技術を身につけよう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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