「因数分解できない二次方程式、どうやって解くの?」そんな壁にぶつかっていないだろうか。
公式を覚えたはずなのに、いざ使おうとすると符号を間違える。$a$、$b$、$c$ のどれをどこに入れるのか混乱する。そして結局、答えが合わない。
実は、解の公式でつまずく人のほとんどは「代入の手順」を曖昧にしたまま進んでいる。この記事では、公式の意味から代入の手順、計算の流れまで、順を追って解説する。
そもそも解の公式とは?
二次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ を解くための万能な公式である。因数分解できなくても、必ず解が求められる。
係数とは、文字の前についている数のことである。$ax^2 + bx + c = 0$ において、$a$ は $x^2$ の係数、$b$ は $x$ の係数、$c$ は定数項(文字を含まない数)である。
$\pm$(プラスマイナス)は「+と−の両方」を意味する。つまり、解は2つあることが多い。
具体例を見てみよう。$x^2 + 5x + 3 = 0$ の場合、$a = 1$、$b = 5$、$c = 3$ である。これを公式に代入すれば解が求まる。
公式を図で理解する
解の公式がどのように解を導くのか、視覚的に確認しよう。下のアニメーションでは、公式の各部分に係数が代入される様子を見ることができる。
ポイントは、まず係数 $a$、$b$、$c$ を正確に読み取ることである。ここを間違えると、すべてが狂ってしまう。
解の公式を使う手順
解の公式を使って二次方程式を解く手順を、一つずつ確認しよう。
右辺が0になるように式を移項する。$x^2$ の係数が負なら、両辺に $-1$ をかけて正にすると計算しやすい。
符号に注意する。$x^2 - 3x + 2 = 0$ なら、$a = 1$、$b = -3$、$c = 2$ である($b$ は「−3」である)。
根号の中の値を先に求める。この値によって解の種類がわかる。
$-b$、$\sqrt{b^2 - 4ac}$、$2a$ をそれぞれ計算し、最後に分数を整理する。
例題で練習しよう
例題1:基本の計算
$x^2 + 5x + 3 = 0$ を解の公式を使って解け。
よって、答えは $x = \dfrac{-5 + \sqrt{13}}{2},\ \dfrac{-5 - \sqrt{13}}{2}$ である。
例題2:係数が負の場合
$2x^2 - 7x + 3 = 0$ を解の公式を使って解け。
$b = -7$ のとき、$-b = -(-7) = 7$ となる。マイナスのマイナスはプラスになる。
ここから2つの解を求める。
よって、答えは $x = 3,\ \dfrac{1}{2}$ である。
例題3:根号が残る場合
$x^2 - 4x + 1 = 0$ を解の公式を使って解け。
$\sqrt{12}$ を簡単にする。$\sqrt{12} = \sqrt{4 \times 3} = 2\sqrt{3}$ である。
よって、答えは $x = 2 + \sqrt{3},\ 2 - \sqrt{3}$ である。
計算の流れをアニメーションで確認
例題2の計算過程をステップごとに見てみよう。
よくある間違いと対策
解の公式を使うとき、多くの人が同じところで間違える。事前に知っておけば防げる。
| 間違いの内容 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| $b$ の符号を取り違える | $-3x$ を見て $b = 3$ としてしまう | 必ず「$b = -3$」と符号込みで書く |
| $-b$ の計算ミス | $b = -7$ のとき $-b = -7$ としてしまう | $-(-7) = +7$ と丁寧に計算する |
| $b^2$ で符号を間違える | $(-7)^2 = -49$ としてしまう | 負の数の2乗は必ず正になる:$(-7)^2 = 49$ |
| 分母の $2a$ を忘れる | 分子だけ計算して終わりにする | 最後に $2a$ で割ることを忘れない |
特に「$b$ の符号」は最もミスが多い。$x^2 - 5x + 6 = 0$ なら $b = -5$ である。「$x$ の前の数を符号ごと抜き出す」と覚えよう。
この単元のよくある質問
Q. 因数分解できる方程式にも解の公式を使っていいの?
A. 使ってよい。ただし、因数分解できる場合はそちらの方が速いことが多い。解の公式は「どんな二次方程式にも使える万能な方法」なので、因数分解が思いつかないときに頼ろう。
Q. $b^2 - 4ac$ が負になったらどうするの?
A. 中学数学の範囲では「解なし」となる。$\sqrt{}$ の中が負の数になると、実数の解は存在しない。高校で「虚数」を学ぶと解けるようになる。
Q. 解の公式を覚えられないときはどうしたらいい?
A. まずは公式を見ながら10問解いてみよう。手を動かしているうちに自然と覚えられる。語呂合わせよりも、実際に使う方が定着する。
練習問題
$x^2 + 3x - 2 = 0$
$3x^2 - 5x + 1 = 0$
$x^2 - 6x + 5 = 0$
まとめ
この記事では、解の公式の使い方について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 解の公式は $x = \dfrac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}$ である
- $a$、$b$、$c$ は符号込みで正確に読み取る
- $b^2 - 4ac$(判別式)を先に計算すると間違いにくい
- $-b$ の計算では、$b$ が負のときマイナスのマイナスでプラスになる
公式を見ながらでよいので、まずは手を動かして問題を解いてみよう。繰り返すうちに、自然と公式が頭に入ってくる。
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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