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【二次方程式】動点に関する問題【alg-quad-eq-016】【応用】

動点の問題を見ると、「何から手をつければいいかわからない」と固まってしまうことはないだろうか。

点が動く、時間が絡む、面積が変わる——情報が多すぎて、頭の中がぐちゃぐちゃになる。図を描いても、結局どこに文字を置けばいいのかわからない。そんな経験があるはずだ。

実は、動点問題は「時間を文字に置く」「図形の公式に代入する」「二次方程式にじほうていしきを解く」という3つのステップを順番にやるだけである。この記事では、その手順を1つずつ確認し、動点問題が確実に解けるようになるまで導く。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

動点問題とは何か

動点どうてん問題とは、図形のへん上を点が一定の速さで動くとき、ある条件(面積が○○になる、など)を満たす時間を求める問題である。

動点どうてんとは、時間とともに位置が変わる点のことである。止まっている点を「定点」と呼ぶのに対し、動いている点を「動点」と呼ぶ。

具体例を見てみよう。

「長方形ABCDの辺上を点Pが毎秒2cmの速さで動く。$x$ 秒後に三角形APDの面積が24cm²になるのは何秒後か。」

このような問題では、次の流れで解く。

  1. $x$ 秒後の点Pの位置を文字で表す
  2. 面積の式を $x$ で表す
  3. 条件を方程式ほうていしきにして解く

動点問題の考え方を図で理解する

言葉だけではイメージしにくいので、点Pが動く様子をアニメーションで確認しよう。

経過時間:

点Pが動くと、三角形APDの形が変わり、面積も変化することがわかる。

ここで重要なのは、$x$ 秒後の状態を文字で表すことである。

  • $x$ 秒後に点Pが進んだ距離 = 速さ × 時間 = $2x$ cm
  • AP = $2x$ cm
  • AD = 6cm(変わらない)

動点問題の解き方の手順

動点問題を解く手順を、例題を通して確認しよう。

例題

長方形ABCDにおいて、AB = 8cm、AD = 6cmである。点Pは辺AB上をAからBまで毎秒2cmの速さで動く。点Pが出発してから $x$ 秒後の三角形APDの面積が12cm²になるのは何秒後か。

1

$x$ 秒後の点Pの位置を式で表す

点Pは毎秒2cmで動くので、$x$ 秒後に進んだ距離は

$$\text{AP} = 2 \times x = 2x \ \text{(cm)}$$
2

三角形APDの面積を $x$ の式で表す

三角形APDにおいて、

  • 底辺ていへん AP = $2x$ cm
  • 高さ AD = 6cm(長方形なので垂直)

よって、面積は

$$\begin{aligned} \text{面積} &= \frac{1}{2} \times \text{底辺} \times \text{高さ} \\[8pt] &= \frac{1}{2} \times 2x \times 6 \\[8pt] &= 6x \ \text{(cm}^2\text{)} \end{aligned}$$
3

条件を方程式にして解く

面積が12cm²になるとき、

$$\begin{aligned} 6x &= 12 \\[8pt] x &= 2 \end{aligned}$$
4

答えの確認

$x = 2$ は問題の条件に合っているか確認する。

  • 点Pは0秒後から4秒後(AB = 8cm、毎秒2cmなので8÷2=4秒)まで動く
  • $0 < x \leq 4$ の範囲に $x = 2$ は入っている ✓

答え:2秒後

動点問題では、最後に「求めた答えが問題の範囲に入っているか」を必ず確認すること。点がはみ出す時間は答えにならない。

二次方程式になる動点問題

次に、面積の式が二次式になるパターンを見てみよう。これが動点問題の本番である。

例題2

直角三角形ABCにおいて、∠B = 90°、AB = 6cm、BC = 8cmである。点Pは辺AB上をAからBまで毎秒1cmで動き、点Qは辺BC上をBからCまで毎秒2cmで同時に動き始める。△PBQの面積が6cm²になるのは何秒後か。

この問題では、点が2つ同時に動く。それぞれの動きを整理しよう。

1

$x$ 秒後の各点の位置を式で表す

  • 点P:Aから毎秒1cm → AP = $x$ cm、BP = $(6 – x)$ cm
  • 点Q:Bから毎秒2cm → BQ = $2x$ cm

三角形PBQの辺はBP と BQ なので、Bからの距離で表すのがポイントである。

2

△PBQの面積を $x$ の式で表す

∠B = 90° なので、BP と BQ は垂直に交わる。よって、

$$\begin{aligned} \text{面積} &= \frac{1}{2} \times \text{BP} \times \text{BQ} \\[8pt] &= \frac{1}{2} \times (6 – x) \times 2x \\[8pt] &= (6 – x) \times x \\[8pt] &= 6x – x^2 \ \text{(cm}^2\text{)} \end{aligned}$$
3

方程式を立てて解く

面積が6cm²になるとき、

$$\begin{aligned} 6x – x^2 &= 6 \\[8pt] -x^2 + 6x – 6 &= 0 \\[8pt] x^2 – 6x + 6 &= 0 \quad \text{(両辺に$-1$をかけた)} \end{aligned}$$

これは因数分解いんすうぶんかいできないので、解の公式かいのこうしきを使う。

$$\begin{aligned} x &= \frac{-(-6) \pm \sqrt{(-6)^2 – 4 \times 1 \times 6}}{2 \times 1} \\[8pt] &= \frac{6 \pm \sqrt{36 – 24}}{2} \\[8pt] &= \frac{6 \pm \sqrt{12}}{2} \\[8pt] &= \frac{6 \pm 2\sqrt{3}}{2} \\[8pt] &= 3 \pm \sqrt{3} \end{aligned}$$
4

$x$ の範囲を確認して答えを絞る

点Qは BC = 8cm を毎秒2cmで動くので、4秒後にCに到着する。

よって、この問題で $x$ の範囲は $0 < x \leq 4$ である。

  • $x = 3 + \sqrt{3} \approx 3 + 1.73 = 4.73$ → 範囲外 ✗
  • $x = 3 – \sqrt{3} \approx 3 – 1.73 = 1.27$ → 範囲内 ✓

答え:$(3 – \sqrt{3})$ 秒後

動点問題で面積が二次式になる仕組み

なぜ面積が二次式になるのか、視覚的に確認しよう。

面積 $y = 6x – x^2$ は放物線ほうぶつせんになる。$y = 6$(面積6cm²)と交わる点が2つあるが、$x \leq 4$ の範囲に入るのは $x = 3 – \sqrt{3}$ だけである。

二次方程式の解が2つ出てきても、問題の条件に合うものだけが答えになる。これを「吟味ぎんみ」という。

よくある間違いと対策

間違い1:動く点の距離を取り違える

「点PがAから動く」とき、三角形の辺がBPなら「6 – x」のように引き算になる。

点の動きAPの長さBPの長さ
AからBへ$x$$(\text{AB}) – x$
BからAへ$(\text{AB}) – x$$x$

間違い2:範囲の確認を忘れる

動点問題では「点がどこからどこまで動けるか」という範囲が必ずある。解の公式で2つの解が出たら、必ず範囲を確認すること。

間違い3:面積の公式を間違える

三角形の面積 = $\dfrac{1}{2} \times$ 底辺 $\times$ 高さ

「高さ」は底辺に垂直すいちょくな長さである。直角がどこにあるかを確認しよう。

この単元のよくある質問

Q. 動点が2つあるとき、どちらを基準に式を立てればいいですか?

A. どちらも同じ変数 $x$(経過時間)で表せる。2つの点が「同時に動き始める」場合、両方とも $x$ 秒後の位置として式を立てればよい。

Q. 解が2つ出たとき、両方とも答えになることはありますか?

A. ある。両方の解が問題の範囲内に入っていれば、どちらも答えになる。「○○になるのは何秒後か」と聞かれたら、両方を答えること。

Q. 「毎秒○cm」と「○秒で○cm」は同じですか?

A. 「毎秒2cm」は「1秒あたり2cm進む」という意味である。$x$ 秒後に進む距離は $2x$ cmになる。「3秒で6cm」も同じ速さ(6÷3=2cm/秒)である。

練習問題

問1. 長方形ABCDにおいて、AB = 10cm、AD = 4cmである。点Pは辺AB上をAからBまで毎秒2cmで動く。△APDの面積が16cm²になるのは何秒後か。
問2. 直角三角形ABCにおいて、∠A = 90°、AB = 8cm、AC = 6cmである。点Pは辺AB上をAからBまで毎秒1cmで動き、点Qは辺AC上をAからCまで毎秒1cmで同時に動き始める。△APQの面積が8cm²になるのは何秒後か。
問3. 正方形ABCDの1辺の長さは6cmである。点Pは辺AB上をAからBまで毎秒2cmで動き、点Qは辺BC上をBからCまで毎秒2cmで同時に動き始める。△PBQの面積が4cm²になるのは何秒後か。

まとめ

この記事では、動点問題の解き方について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • $x$ 秒後の点の位置を「速さ × 時間」で表す
  • 面積の公式に代入して、$x$ の式を作る
  • 条件を方程式にして解く
  • 必ず $x$ の範囲を確認して、答えを吟味ぎんみする

動点問題は、二次方程式の応用の中でも特に出題頻度が高い。手順を体に染み込ませるまで繰り返し練習しよう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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