「分数が出てきた瞬間、やる気がなくなる」「通分ってどうやるんだっけ?」と困っていないだろうか。
安心してほしい。分数係数の計算は、通分のルールさえ守れば、整数の計算と同じである。
この記事を読めば、分数が混じった1次式の加減もスムーズに解けるようになる。
そもそも分数係数の1次式とは?
分数係数の1次式とは、文字の前についている数(係数)が分数になっている式のことである。
係数とは、文字の前についている数のことである。例えば $3x$ の係数は $3$、$\dfrac{1}{2}x$ の係数は $\dfrac{1}{2}$ である。
具体的には、次のような式である。
これらの式を計算するには、通分が必要になる。
通分とは、分母をそろえることである。分母がそろっていないと、分数どうしの足し算・引き算はできない。
分数係数の計算を図で理解する
$\dfrac{1}{2}x + \dfrac{1}{3}x$ を例に、通分の仕組みを視覚的に確認しよう。
図のように、$\dfrac{1}{2}x$ を $\dfrac{3}{6}x$ に、$\dfrac{1}{3}x$ を $\dfrac{2}{6}x$ に変換する。分母が同じ $6$ になれば、分子どうしを足して $\dfrac{5}{6}x$ が得られる。
分数係数の計算手順
分数係数の1次式を計算する手順は、次の3ステップである。
すべての分数の分母を見て、最小公倍数(LCM)を求める。
各分数の分母を最小公倍数にそろえる。分母を何倍したか、分子も同じだけ掛ける。
分母がそろったら、分子の係数どうしを足したり引いたりする。
例題で手順を確認しよう
例題1:足し算
$\dfrac{1}{2}x + \dfrac{2}{3}x$ を計算せよ。
$2$ と $3$ の最小公倍数は $6$ である。$\dfrac{1}{2}$ は分母・分子を $3$ 倍して $\dfrac{3}{6}$、$\dfrac{2}{3}$ は分母・分子を $2$ 倍して $\dfrac{4}{6}$ になる。
例題2:引き算
$\dfrac{3}{4}a - \dfrac{1}{6}a$ を計算せよ。
$4$ と $6$ の最小公倍数は $12$ である。$4 \times 3 = 12$、$6 \times 2 = 12$ と考えるとよい。
例題3:3つ以上の項
$\dfrac{1}{2}x + \dfrac{1}{3}x - \dfrac{1}{4}x$ を計算せよ。
$2$、$3$、$4$ の最小公倍数は $12$ である。3つ以上あっても、すべての分母を同じ数にそろえれば計算できる。
通分の最小公倍数の見つけ方
最小公倍数がすぐに分からないときは、次の方法を使おう。
慣れてくると、よく使う組み合わせは覚えてしまうのが早い。
| 分母の組み合わせ | 最小公倍数 |
|---|---|
| 2 と 3 | 6 |
| 2 と 4 | 4 |
| 2 と 5 | 10 |
| 3 と 4 | 12 |
| 3 と 5 | 15 |
| 4 と 6 | 12 |
| 2, 3, 4 | 12 |
| 2, 3, 6 | 6 |
よくある間違いと対策
❌ $\dfrac{1}{2}x + \dfrac{2}{3}x = \dfrac{3}{2}x + \dfrac{4}{3}x$
✅ 分母も分子も同じ数を掛ける。$\dfrac{1}{2} \times \dfrac{3}{3} = \dfrac{3}{6}$ のように、分母・分子両方を $3$ 倍する。
❌ $\dfrac{1}{2}x + \dfrac{1}{3}x = \dfrac{2}{5}x$(分母 $2+3=5$ としてしまう)
✅ 分母は足さない。通分して分母をそろえてから、分子だけを足す。
❌ $\dfrac{4}{6}x$(約分できるのにそのまま)
✅ 答えが出たら、分子と分母に共通する約数がないか確認する。$\dfrac{4}{6}x = \dfrac{2}{3}x$
約分とは、分子と分母を同じ数で割って、より簡単な分数にすることである。
この単元のよくある質問
Q. 通分するとき、最小公倍数でなくてもいいですか?
A. はい、共通の倍数であれば計算できる。例えば $\dfrac{1}{2}x + \dfrac{1}{3}x$ で分母を $6$ ではなく $12$ にしても答えは同じ。ただし、数が大きくなって計算ミスしやすくなるため、最小公倍数を使うのがおすすめである。
Q. 答えが仮分数(分子>分母)になったら、帯分数に直すべきですか?
A. 中学数学では、仮分数のままでよい。$\dfrac{7}{6}x$ を $1\dfrac{1}{6}x$ と書く必要はない。むしろ仮分数の方が後の計算で扱いやすい。
Q. 整数と分数が混じった式はどうすればいいですか?
A. 整数は「分母が1の分数」と考える。例えば $2x + \dfrac{1}{3}x$ なら、$2x = \dfrac{2}{1}x = \dfrac{6}{3}x$ と変形してから計算する。
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まとめ
この記事では、分数係数の1次式の計算について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 分数係数の計算は通分してから分子を計算する
- 通分には最小公倍数を使うと楽である
- 分母・分子両方に同じ数を掛けることを忘れない
- 答えが出たら約分できないか確認する
理解できたら、あとは手を動かすだけである。
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