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【文字式】共通因数のくくり出し【中3数学】【必須】

因数分解いんすうぶんかいでつまずく人の多くは、「共通因数が見つけられない」という同じ壁にぶつかっている。

式を眺めても何をくくり出せばいいのかわからない。公式は覚えたのに、どの公式を使えばいいか判断できない。そんな経験はないだろうか。

実は、共通因数のくくり出しは「探し方のコツ」を知っているかどうかで、できるかできないかが決まる。この記事では、共通因数の見つけ方から、くくり出しの手順まで、順を追って解説する。

対象:中学3年 所要時間:約8分
目次

そもそも共通因数とは?

共通因数とは、式の各こうに共通して含まれている因数のことである。

因数いんすうとは、かけ算の形にしたときの「かける数」のことである。例えば $12 = 3 \times 4$ のとき、$3$ と $4$ は $12$ の因数である。

具体的に見てみよう。式 $6x + 9$ を考える。

  • $6x = 2 \times 3 \times x$
  • $9 = 3 \times 3$

両方の項に $3$ が含まれている。この $3$ が共通因数である。

もう一つ例を見よう。式 $4x^2 + 6x$ を考える。

  • $4x^2 = 2 \times 2 \times x \times x$
  • $6x = 2 \times 3 \times x$

両方に $2$ と $x$ が含まれている。つまり $2x$ が共通因数である。

共通因数は、係数けいすう(数の部分)と文字の部分の両方を確認する必要がある。

くくり出しを図で理解する

共通因数をくくり出すとは、分配法則ぶんぱいほうそくを逆向きに使うことである。

分配法則とは、$a(b + c) = ab + ac$ という計算ルールのことである。展開するときに使う法則だ。

くくり出しは、この分配法則を右から左へ読む操作である。

$$ab + ac = a(b + c)$$

下のアニメーションで、くくり出しの仕組みを視覚的に確認しよう。

このように、各項を因数の積に分解し、共通している部分を前に出すのがくくり出しである。

共通因数の見つけ方

共通因数を見つけるには、次の2つを順番に確認する。

1
係数の最大公約数を求める

各項の係数(数の部分)の最大公約数を求める。

2
共通する文字を探す

すべての項に含まれる文字を探し、指数が最も小さいものを選ぶ。

例として、$12x^3 + 8x^2$ の共通因数を見つけてみよう。

1
係数の最大公約数

$12$ と $8$ の最大公約数は $4$ である。

2
共通する文字

$x^3$ と $x^2$ に共通するのは $x^2$(指数が小さい方)である。

よって、共通因数は $4x^2$ となる。

くくり出しの手順

共通因数が見つかったら、実際にくくり出しを行う。手順は次の通りである。

1
共通因数を前に書く

見つけた共通因数を式の前に書き、かっこを開く。

2
各項を共通因数で割る

元の式の各項を共通因数で割った結果を、かっこの中に書く。

3
検算する

展開して元の式に戻るか確認する。

例題1:$6x + 9$ をくくり出す

共通因数は $3$ である。

$$\begin{aligned} 6x + 9 &= 3 \times 2x + 3 \times 3 \\[8pt] &= 3(2x + 3) \end{aligned}$$

検算:$3(2x + 3) = 3 \times 2x + 3 \times 3 = 6x + 9$ ✓

例題2:$4x^2 + 6x$ をくくり出す

共通因数は $2x$ である。

$$\begin{aligned} 4x^2 + 6x &= 2x \times 2x + 2x \times 3 \\[8pt] &= 2x(2x + 3) \end{aligned}$$

検算:$2x(2x + 3) = 2x \times 2x + 2x \times 3 = 4x^2 + 6x$ ✓

例題3:$12x^3 – 8x^2 + 4x$ をくくり出す

3つの項がある場合も同じ手順で行う。共通因数は $4x$ である。

$$\begin{aligned} 12x^3 – 8x^2 + 4x &= 4x \times 3x^2 – 4x \times 2x + 4x \times 1 \\[8pt] &= 4x(3x^2 – 2x + 1) \end{aligned}$$

最後の項 $4x$ を $4x$ で割ると $1$ になる。$1$ を書き忘れないように注意しよう。

よくある間違いと対策

くくり出しでは、次のような間違いが起きやすい。

1
共通因数を最大まで取らない

$12x^2 + 8x$ を $2(6x^2 + 4x)$ としてしまう。

→ 正しくは $4x(3x + 2)$ である。係数と文字の両方で最大の共通因数を取ること。

2
割り算を間違える

$6x^2 \div 2x = 3x^2$ としてしまう。

→ 正しくは $6x^2 \div 2x = 3x$ である。指数は引き算することを思い出そう。

3
1を書き忘れる

$3x + 3$ を $3(x)$ としてしまう。

→ 正しくは $3(x + 1)$ である。$3 \div 3 = 1$ を忘れずに書くこと。

よくある質問と答え(FAQ)

Q. 共通因数が見つからないときはどうすればいいですか?

A. 係数の最大公約数が1で、共通する文字もない場合は、共通因数によるくくり出しはできません。その場合は、乗法公式を使った因数分解($x^2 + 5x + 6 = (x+2)(x+3)$ など)を検討してください。

Q. マイナスの項がある場合はどう処理しますか?

A. 符号も含めて共通因数を考えます。例えば $-6x – 9$ なら、$-3(2x + 3)$ とマイナスごとくくり出すことができます。かっこ内の符号が変わる点に注意してください。

Q. くくり出した結果が正しいか確かめる方法は?

A. くくり出した式を展開(分配法則で計算)して、元の式に戻るか確認してください。例えば $3(2x + 3)$ を展開すると $6x + 9$ になれば正解です。

練習問題

問1. 次の式を因数分解しなさい。
$10x + 15$
問2. 次の式を因数分解しなさい。
$6x^2 – 9x$
問3. 次の式を因数分解しなさい。
$8x^3 + 12x^2 – 4x$

まとめ

この記事では、共通因数のくくり出しについて学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 共通因数とは、各項に共通して含まれる因数のこと
  • 係数の最大公約数と、共通する文字(最小の指数)を組み合わせて共通因数を見つける
  • くくり出しは分配法則の逆操作である
  • 結果は展開して検算すること
  • 「1」の書き忘れ、共通因数の取り残しに注意

くくり出しは因数分解の基本中の基本である。この操作が自然にできるようになれば、より複雑な因数分解にも対応できるようになる。

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