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【二次関数】放物線と三角形の面積(等積変形・y軸切り)【中3数学】【応用】

放物線と直線が作る三角形の面積、計算できるだろうか?

「座標は求められるけど、面積の出し方がわからない」「底辺と高さをどこに取ればいいか迷う」と困っていないだろうか。

実は、座標平面上の三角形の面積は「y軸で切る」という技を使えば、どんな形でも確実に計算できる。

この記事では、放物線と直線が作る三角形の面積を求める2つの方法(等積変形とy軸切り)を、手順通りにやれば必ず解けるように解説する。

🔰 初めての方へ:座標から面積を求める計算は、パターンを覚えてしまえば機械的にできる。難しい発想は不要なので、安心して読み進めてほしい。

対象:中学3年 所要時間:約15分
目次

この記事で使う用語

先に、この記事で登場する専門用語をまとめておく。わからない言葉が出てきたら、ここに戻って確認しよう。

放物線ほうぶつせん
$y = ax^2$ の形で表されるグラフ。U字型(または逆U字型)の曲線である。
等積変形とうせきへんけい
図形の面積を変えずに、形だけを変える方法。三角形の場合、底辺を固定して頂点を平行移動させる。
y軸切り
三角形をy軸で2つの三角形に分割し、それぞれの面積を足し合わせる方法。
底辺ていへん高さたかさ
三角形の面積を求めるとき、どの辺を底辺に選ぶかで高さが決まる。座標平面では、軸に平行な辺を底辺にすると計算しやすい。
切片せっぺん
直線がy軸と交わる点のy座標のこと。$y = ax + b$ なら、$b$ が切片である。

道具(公式)を手に入れる

証明は不要。「こういう道具がある」と知っていれば、あとは使い方を覚えるだけである。

🎯 この公式でできること:
座標平面上で、3つの頂点の座標がわかれば、三角形の面積が計算できる。

公式1:三角形の面積の基本

$$\text{三角形の面積} = \frac{1}{2} \times \text{底辺} \times \text{高さ}$$

公式2:y軸切りの公式

3点 A, B, C からなる三角形で、2点(例えばAとB)がy軸の同じ側、1点(C)が反対側にあるとき:

$$\triangle ABC = \triangle AOC + \triangle BOC$$

ここで O はy軸上の点(直線ABとy軸の交点)である。

公式3:底辺がy軸上にある三角形

底辺がy軸上にあるとき、高さは頂点のx座標の絶対値ぜったいちになる。

$$\text{面積} = \frac{1}{2} \times |y_1 – y_2| \times |x_3|$$
  • $|y_1 – y_2|$:y軸上の2点間の距離(底辺の長さ)
  • $|x_3|$:もう1つの頂点のx座標の絶対値(高さ)

使い方マニュアル

放物線と直線で囲まれた三角形の面積を求める手順は以下の通りである。

1

まず、放物線と直線の交点を求める。

(なぜ?:交点が三角形の頂点になるため)

2

次に、直線とy軸の交点を求める。

(なぜ?:y軸切りをするときの分割点になるため。また、原点を通る場合は三角形の頂点にもなる)

3

三角形をy軸で2つに分割できるか確認する。

(なぜ?:分割すると「底辺がy軸上」の三角形になり、計算が簡単になるため)

4

それぞれの三角形の面積を計算し、合計する。

(なぜ?:複雑な形も、単純な形の足し算に分解できる)

図で理解する

📊 この図の見方

放物線 $y = x^2$ と直線が作る三角形を「y軸切り」で分割する様子を示している。

  • 青い曲線:放物線 $y = x^2$
  • 赤い直線:放物線と2点で交わる直線
  • 点A, B:放物線と直線の交点(三角形の頂点)
  • 点C:直線とy軸の交点(分割点)
  • 点O:原点(三角形の頂点)
💡 図から読み取れること
  • 三角形OABは、y軸上の点Cで2つの三角形(OCA と OCB)に分割できる
  • 分割後の三角形は、底辺がy軸上(OC)にあるので、面積計算が簡単になる
  • 高さは、それぞれの頂点(AまたはB)のx座標の絶対値になる

実際に解いてみよう

ステップ1:まずは簡単な問題で練習

🔰 易 ウォームアップ
3点 O(0, 0), A(3, 0), B(0, 4) を頂点とする三角形の面積を求めよ。
(💡 底辺と高さがそのまま座標から読み取れる!)
1

底辺と高さを確認する。

(💡 O(0,0)とA(3,0)を結ぶ線分はx軸上にある → これを底辺にする)

$$\text{底辺} = |3 – 0| = 3$$

(💡 B(0,4)からx軸までの距離 → これが高さ)

$$\text{高さ} = |4| = 4$$
2

面積を計算する。

$$\text{面積} = \frac{1}{2} \times 3 \times 4 = 6$$

答え:$6$

ステップ2:y軸切りの基本

📝 標準 例題1
放物線 $y = x^2$ と直線 $y = x + 2$ について、放物線と直線の2つの交点と原点を頂点とする三角形の面積を求めよ。
1

放物線と直線の交点を求める。

(💡 $y = x^2$ と $y = x + 2$ を連立して解く)

$$\begin{aligned} x^2 &= x + 2 \\ x^2 – x – 2 &= 0 \\ (x – 2)(x + 1) &= 0 \\ x &= 2, -1 \end{aligned}$$

$x = 2$ のとき $y = 4$、$x = -1$ のとき $y = 1$ なので

$$\text{点A}(-1, 1), \quad \text{点B}(2, 4)$$
2

直線とy軸の交点を求める。

(💡 y軸上は $x = 0$ だから、直線の式に代入する)

$$y = 0 + 2 = 2$$
$$\text{点C}(0, 2)$$
3

三角形OABをy軸で分割する。

(💡 点Aはy軸の左側、点Bは右側にある → y軸で分割できる)

$$\triangle OAB = \triangle OCA + \triangle OCB$$
4

△OCAの面積を計算する。

(💡 底辺OC = 2、高さ = |Aのx座標| = 1)

$$\triangle OCA = \frac{1}{2} \times 2 \times 1 = 1$$
5

△OCBの面積を計算する。

(💡 底辺OC = 2、高さ = |Bのx座標| = 2)

$$\triangle OCB = \frac{1}{2} \times 2 \times 2 = 2$$
6

合計する。

$$\triangle OAB = 1 + 2 = 3$$

答え:$3$

(💡 y軸切りを使えば、座標が複雑でも確実に計算できる)

ステップ3:等積変形を使う方法

📝 標準 例題2(別解)
例題1と同じ三角形の面積を、等積変形を使って求めよ。
💡 等積変形とは?
底辺を固定したまま、頂点を底辺に平行な方向に動かしても、三角形の面積は変わらない。 これを利用して、計算しやすい形に変形する方法である。
1

ABを底辺と考える。

(💡 A(-1,1), B(2,4) を結ぶ線分が底辺)

ABの長さを求める。

$$AB = \sqrt{(2-(-1))^2 + (4-1)^2} = \sqrt{9 + 9} = \sqrt{18} = 3\sqrt{2}$$
2

原点Oから直線ABまでの距離(高さ)を求める。

(💡 直線 $y = x + 2$ を $x – y + 2 = 0$ の形に変形して、点と直線の距離の公式を使う)

$$h = \frac{|0 – 0 + 2|}{\sqrt{1^2 + (-1)^2}} = \frac{2}{\sqrt{2}} = \sqrt{2}$$
3

面積を計算する。

$$\triangle OAB = \frac{1}{2} \times 3\sqrt{2} \times \sqrt{2} = \frac{1}{2} \times 3 \times 2 = 3$$

答え:$3$(y軸切りと同じ結果!)

✅ どちらの方法を使うべき?
  • y軸切り:計算が単純で間違いにくい。まずはこちらをマスターしよう。
  • 等積変形:点と直線の距離の公式を使う。高校で習う内容が含まれる。

中学生はy軸切りを使うのがおすすめ!

ステップ4:応用問題に挑戦

🔥 やや難 例題3
放物線 $y = \dfrac{1}{2}x^2$ と直線 $y = x + 4$ の2つの交点をA, B、直線のy切片をCとする。三角形ABCの面積を求めよ。
1

交点A, Bを求める。

$$\begin{aligned} \frac{1}{2}x^2 &= x + 4 \\ x^2 &= 2x + 8 \\ x^2 – 2x – 8 &= 0 \\ (x – 4)(x + 2) &= 0 \\ x &= 4, -2 \end{aligned}$$

$x = 4$ のとき $y = 8$、$x = -2$ のとき $y = 2$ なので

$$\text{A}(-2, 2), \quad \text{B}(4, 8)$$
2

点Cの座標を求める。

(💡 直線の切片は $y = x + 4$ の定数項)

$$\text{C}(0, 4)$$
3

三角形ABCをy軸で分割する。

$$\triangle ABC = \triangle AC + \triangle BC$$

(💡 ここで「AC」は「Cを通りy軸に平行な線で分割した左側の三角形」の意味)

正確には、点Cからy軸上で分割点を取る。

点A(-2, 2)、点B(4, 8)、点C(0, 4) に対して:

  • 底辺をACの「y軸上の長さ」とするのではなく、直線ABとy軸の交点をDとおく
4

直線ABとy軸の交点Dを求める。

(💡 直線AB = $y = x + 4$ なので、$x = 0$ を代入)

$$\text{D}(0, 4)$$

なんと、D = C である!(直線がたまたまy切片を通る)

5

三角形ABCの面積を計算する。

(💡 C(=D)はy軸上にあり、A, Bは直線AB上にある → この場合は別の方法で計算)

3点A, B, Cが一直線上にあるか確認:

A(-2, 2), C(0, 4), B(4, 8) はすべて直線 $y = x + 4$ 上にあるので一直線上

⚠️ 注意:この問題は引っかけ!
3点A, B, Cが一直線上にあると、三角形は作れない(面積 = 0)。
問題をよく読み、「3点が一直線上にないか」を最初に確認することが大切である。

問題を修正して解き直す。

📝 標準 例題3(修正版)
放物線 $y = \dfrac{1}{2}x^2$ と直線 $y = x + 4$ の2つの交点をA, B、原点をOとする。三角形OABの面積を求めよ。
1

すでに求めた座標を使う。

$$\text{A}(-2, 2), \quad \text{B}(4, 8), \quad \text{O}(0, 0)$$
2

直線ABとy軸の交点Cを求める。

$$\text{C}(0, 4)$$
3

y軸切りで分割する。

$$\triangle OAB = \triangle OCA + \triangle OCB$$
4

それぞれの面積を計算する。

底辺OC = 4(Oが原点、Cが(0, 4)なので)

$$\triangle OCA = \frac{1}{2} \times 4 \times |-2| = \frac{1}{2} \times 4 \times 2 = 4$$
$$\triangle OCB = \frac{1}{2} \times 4 \times |4| = \frac{1}{2} \times 4 \times 4 = 8$$
5

合計する。

$$\triangle OAB = 4 + 8 = 12$$

答え:$12$

よくある間違いと対策

⚠️

底辺と高さの取り違えに注意

y軸切りでは「y軸上の線分」を底辺にする。高さはもう一つの頂点の「x座標の絶対値」である。

❌ よくある失敗:
y座標の絶対値を高さにしてしまう
✅ 正しくは:底辺がy軸上 → 高さはx座標の絶対値
⚠️

符号ミスに注意

座標が負の値のとき、絶対値を取り忘れると面積が負になってしまう。

✅ 対策:
面積の公式では必ず絶対値 $| \quad |$ を使う。答えが負になったら計算ミス!
⚠️

3点が一直線上にないか確認する

3点が一直線上にあると三角形は作れない(面積 = 0)。

✅ 対策:
問題文をよく読み、3点の位置関係を確認する。特に「直線のy切片」が頂点になるとき要注意。

y軸切りの公式まとめ

📊 y軸切りの公式(覚えよう!)

点A($x_1$, $y_1$)、点B($x_2$, $y_2$)が直線 $y = ax + b$ 上にあり、原点Oとの三角形の面積を求めるとき:

$$\triangle OAB = \frac{1}{2} \times |b| \times (|x_1| + |x_2|)$$

ただし、$x_1$ と $x_2$ の符号が異なる(y軸をまたぐ)場合に成り立つ。

練習問題

🔰 易 問1. 3点 O(0, 0), A(2, 0), B(0, 3) を頂点とする三角形の面積を求めよ。
📝 標準 問2. 放物線 $y = x^2$ と直線 $y = 2x + 3$ の2つの交点と原点を頂点とする三角形の面積を求めよ。
🔥 やや難 問3. 放物線 $y = \dfrac{1}{4}x^2$ と直線 $y = -\dfrac{1}{2}x + 6$ の2つの交点と原点を頂点とする三角形の面積を求めよ。

この単元のよくある質問

Q. y軸切りができないときはどうすればいい?

A. 2点がy軸の同じ側にあるとき(例:両方ともx > 0)は、y軸切りではなく「底辺を軸に平行に取る」方法を使う。または、座標を使った面積公式 $\dfrac{1}{2}|x_1(y_2 – y_3) + x_2(y_3 – y_1) + x_3(y_1 – y_2)|$ を使う方法もある。

Q. 放物線と直線の交点が1つしかないときは?

A. 交点が1つしかない場合は「接する」状態であり、三角形は作れない。この場合は問題の条件を再確認しよう。

Q. 等積変形とy軸切り、どちらを使うべき?

A. 中学生はy軸切りがおすすめ。計算が単純で、ミスしにくい。等積変形は「点と直線の距離」の公式が必要で、高校で習う内容が含まれる。

まとめ

この記事では、放物線と直線が作る三角形の面積を「y軸切り」で求める方法を学んだ。ポイントは以下の通りである。

✅ これができればOK

  • □ 放物線と直線の交点を連立方程式で求められる
  • □ 直線のy切片(y軸との交点)を求められる
  • □ 三角形をy軸で2つに分割できる
  • □ 「底辺 × 高さ ÷ 2」で各三角形の面積を計算できる
  • □ 2つの三角形の面積を合計できる

📝 y軸切りの手順(覚えよう!)

  1. 交点A, Bを求める
  2. 直線とy軸の交点Cを求める
  3. △OAB = △OCA + △OCB に分割
  4. それぞれ $\dfrac{1}{2} \times |b| \times |x|$ で計算
  5. 合計する

Core-dorill — 基礎を、何度でも。

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