「変域が与えられた二次関数の最大値・最小値を求めよ」という問題で、計算は合っているはずなのに不正解になった経験はないだろうか。
特に「$-2 \leq x \leq 3$」のように、xの範囲が0をまたぐ場合、多くの生徒が同じミスをする。
実は、このタイプの問題には「必ずチェックすべきポイント」がある。それを知らないと、テストで確実に点を落とす。
この記事では、0をまたぐ変域での最大値・最小値の求め方を、「なぜ間違えやすいのか」から順を追って解説する。
🔰 初めての方へ:二次関数のグラフの形(放物線)を知っていれば大丈夫。難しい理論は使わず、「どこを見ればいいか」だけを伝える。
この記事で使う用語
先に、この記事で登場する専門用語をまとめておく。わからない言葉が出てきたら、ここに戻って確認しよう。
- 変域
- xやyがとりうる値の範囲のこと。「$-2 \leq x \leq 3$」なら「xは-2以上3以下」という意味である。
- 頂点
- 放物線の「てっぺん」または「底」にあたる点のこと。$y = ax^2$ の場合、頂点は原点$(0, 0)$である。
- 放物線
- 二次関数のグラフの形のこと。U字型(または逆U字型)の曲線である。
- 最大値・最小値
- 指定された範囲内で、yが最も大きくなる値・最も小さくなる値のこと。
- 軸(対称軸)
- 放物線の真ん中を通る縦の線のこと。$y = ax^2$ の場合、軸はy軸($x = 0$の直線)である。
なぜ「0をまたぐ」と間違えやすいのか
まず、なぜこのタイプの問題で間違えやすいのかを理解しよう。
多くの人がやってしまう「端点だけ計算」
変域が $-2 \leq x \leq 3$ のとき、多くの人は以下のように考える。
「xの端の値(-2と3)を代入して、yの値を比べればいい」
例えば $y = x^2$ で考えると:
- $x = -2$ のとき $y = (-2)^2 = 4$
- $x = 3$ のとき $y = 3^2 = 9$
→「最小値は4、最大値は9」…と答えてしまう。
実際の最小値は 0($x = 0$ のとき)である。
間違える原因:「頂点」を忘れている
二次関数 $y = ax^2$ のグラフは放物線で、必ず頂点がある。
$y = x^2$ の場合、頂点は 原点$(0, 0)$ で、ここでyは最小値 0 をとる。
変域が「0をまたぐ」(例:$-2 \leq x \leq 3$)場合、頂点が変域に含まれる。
頂点では必ず最大値または最小値をとるので、端点だけでなく頂点もチェックする必要がある。
最大値・最小値を求める手順
0をまたぐ変域での最大値・最小値は、以下の手順で求める。
変域に $x = 0$(頂点)が含まれるか を確認する。
(💡 なぜ?:$y = ax^2$ の頂点は $x = 0$ にある。頂点が変域内なら、そこが最大または最小になる可能性がある)
変域の両端(例:$x = -2$ と $x = 3$)でのyの値を計算する。
(💡 なぜ?:端点でも最大・最小になりうるので、必ず計算する)
頂点($x = 0$)でのyの値を計算する。
(💡 $y = ax^2$ なら、$x = 0$ のとき $y = 0$ である)
3つの値(両端 + 頂点)を比較して、最大値と最小値を決める。
(💡 一番大きいのが最大値、一番小さいのが最小値)
「端点」+「頂点」の3点をチェック!
図で理解する
- 青い曲線:$y = x^2$ のグラフ(放物線)
- オレンジの範囲:変域 $-2 \leq x \leq 3$ の部分
- 赤い点:最大値・最小値をとる点
- 縦の点線:変域の境界($x = -2$ と $x = 3$)
- 放物線の一番低いところ(頂点)は $x = 0$ の位置にある
- 変域 $-2 \leq x \leq 3$ には頂点 $(0, 0)$ が含まれる
- 端点 $x = 3$ の方が $x = -2$ より高い位置にある → 最大値は $x = 3$ で9
- 最小値は端点ではなく、頂点($y = 0$)
実際に解いてみよう
ステップ1:まずは簡単な問題で練習
$y = x^2$ で、$-1 \leq x \leq 2$ のとき、yの最大値と最小値を求めよ。
(💡 変域に0が含まれている!頂点をチェック)
解き方:
変域 $-1 \leq x \leq 2$ に $x = 0$ が含まれるか? → 含まれる
端点でのyの値を計算する
頂点($x = 0$)でのyの値を計算する
3つの値を比較する
$y = 1$($x = -1$)、$y = 4$($x = 2$)、$y = 0$($x = 0$)
一番大きい:4、一番小さい:0
答え:最大値 4($x = 2$ のとき)、最小値 0($x = 0$ のとき)
ステップ2:標準的な問題に挑戦
$y = 2x^2$ で、$-3 \leq x \leq 1$ のとき、yの最大値と最小値を求めよ。
解き方:
変域 $-3 \leq x \leq 1$ に $x = 0$ が含まれるか? → 含まれる
($-3 \leq 0 \leq 1$ なので、0は変域内)
端点でのyの値を計算する
頂点($x = 0$)でのyの値を計算する
3つの値を比較する
$y = 18$($x = -3$)、$y = 2$($x = 1$)、$y = 0$($x = 0$)
答え:最大値 18($x = -3$ のとき)、最小値 0($x = 0$ のとき)
(💡 $x = -3$ の方が $x = 1$ より原点から遠いので、yの値が大きくなる)
ステップ3:係数がマイナスの場合
$y = -x^2$ で、$-2 \leq x \leq 3$ のとき、yの最大値と最小値を求めよ。
係数がマイナスなので、グラフは上に凸(山型)になる。
つまり、頂点が最大値になる(下に凸の場合と逆!)
解き方:
変域 $-2 \leq x \leq 3$ に $x = 0$ が含まれるか? → 含まれる
端点でのyの値を計算する
頂点($x = 0$)でのyの値を計算する
3つの値を比較する
$y = -4$($x = -2$)、$y = -9$($x = 3$)、$y = 0$($x = 0$)
上に凸なので、頂点が最大値、端で遠い方が最小値
答え:最大値 0($x = 0$ のとき)、最小値 -9($x = 3$ のとき)
よくある間違いと対策
間違い①:頂点を無視して端点だけで判断する
変域が0をまたぐとき、必ず頂点($x = 0$)もチェックする。
$y = x^2$、$-2 \leq x \leq 3$ で「最小値は4」と答える
✅ 正しくは:最小値は 0($x = 0$ のとき)
間違い②:上に凸・下に凸を混同する
$y = ax^2$ で、$a > 0$ なら下に凸(頂点が最小)、$a < 0$ なら上に凸(頂点が最大)
・$a > 0$(係数がプラス)→ U字型(下に凸)→ 頂点が最小
・$a < 0$(係数がマイナス)→ ∩字型(上に凸)→ 頂点が最大
間違い③:$(-3)^2$ の計算ミス
$(-3)^2 = 9$ であり、$-9$ ではない。マイナスの二乗はプラスになる。
$(-3)^2 = (-3) \times (-3) = 9$(マイナス×マイナス=プラス)
チェックフローチャート
問題を解くとき、以下の手順でチェックしよう。
① 変域に $x = 0$ が含まれる?
→ YES → 「端点2つ」+「頂点」の3点をチェック
→ NO → 「端点2つ」の2点をチェック
② $a$ の符号は?($y = ax^2$ の $a$)
→ $a > 0$(プラス)→ 頂点が最小、端で遠い方が最大
→ $a < 0$(マイナス)→ 頂点が最大、端で遠い方が最小
練習問題
この単元のよくある質問
Q. 変域に0が含まれない場合はどうすればいいですか?
A. その場合は頂点を考える必要はなく、端点2つだけを比較すればよい。例えば $1 \leq x \leq 3$ なら、$x = 1$ と $x = 3$ の値を計算して比較する。
Q. $y = x^2 + 3$ のように定数項がある場合も同じ考え方ですか?
A. 同じ考え方である。$y = x^2 + 3$ の頂点は $(0, 3)$ なので、変域に $x = 0$ が含まれれば頂点での値($y = 3$)もチェックする。
Q. 「0をまたぐ」というのは、どうやって判断するのですか?
A. 変域の左端がマイナス、右端がプラス(または0)なら「0をまたぐ」。例えば $-2 \leq x \leq 3$ は左端が-2(マイナス)、右端が3(プラス)なので0をまたいでいる。$1 \leq x \leq 5$ は両方プラスなので0をまたいでいない。
まとめ
この記事では、0をまたぐ変域での二次関数の最大値・最小値の求め方を学んだ。
✅ これができればOK
- □ 変域に $x = 0$ が含まれるかを確認できる
- □ 「端点2つ」+「頂点」の3点をチェックできる
- □ 係数の符号で、頂点が最大か最小かを判断できる
- □ 3つの値を比較して、最大値・最小値を答えられる
🔑 テストでのポイント
「変域が0をまたぐ → 頂点をチェック!」これを忘れなければ、この単元は確実に得点できる。
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