「平方完成って、何をやっているのか意味がわからない」と感じたことはないだろうか。
公式を丸暗記しようとしても、途中で何を足して何を引いているのか混乱してしまう。結局、テストでは手が止まってしまう——そんな経験をした人は多いはずである。
実は、平方完成は「式の見た目を変えているだけ」であり、やっていることは1つのパターンしかない。この記事では、そのパターンを図解とステップで徹底的に解説する。読み終える頃には、どんな二次式でも迷わず平方完成できるようになる。
そもそも平方完成とは?
平方完成とは、二次式を「( )²の形」に変形する技術である。
具体的には、次のような変形を行う。
平方とは「2乗」のことである。$(x+3)^2$ のような「( )の2乗」の形を作ることを「平方完成」と呼ぶ。
なぜこの変形が必要なのか。それは、$(x+3)^2 = 4$ という形にすれば、平方根を使って簡単に解けるからである。
二次方程式の解の公式も、実は平方完成から導かれている。平方完成をマスターすれば、解の公式の意味も理解できるようになる。
平方完成の仕組みを図で理解する
平方完成で最も重要なのは、「何を足して何を引いているのか」を理解することである。これを面積図で視覚化してみよう。
ポイントは次の通りである。
- $6x$ の「6」を半分にして「3」を作る
- $3^2 = 9$ を足して、同時に $9$ を引く(値を変えないため)
- $x^2 + 6x + 9 = (x+3)^2$ という展開公式を逆に使う
平方完成の手順
$x^2 + bx + c$ の形を平方完成する手順を、例題を使って解説する。
例題:$x^2 + 6x + 5$ を平方完成せよ
$x$ の係数を確認する
$x^2 + \textcolor{#E74C3C}{6}x + 5$ なので、$x$ の係数は $\textcolor{#E74C3C}{6}$ である。
係数を半分にして2乗する
この「$9$」が平方完成のカギになる数である。
その数を足して引く
「$+9 – 9$」を挿入しても、$9 – 9 = 0$ なので式の値は変わらない。これが平方完成の核心である。
( )² の形にまとめる
$x^2 + 6x + 9 = (x+3)^2$ は展開公式 $(x+a)^2 = x^2 + 2ax + a^2$ の逆である。
答え:$(x + 3)^2 – 4$
係数が負の場合
$x$ の係数が負のときも、手順は全く同じである。
例題:$x^2 – 4x + 1$ を平方完成せよ
$x$ の係数を確認する
$x^2 + (\textcolor{#E74C3C}{-4})x + 1$ なので、係数は $\textcolor{#E74C3C}{-4}$ である。
係数を半分にして2乗する
2乗すると負の符号は消えて正になる。
その数を足して引く
( )² の形にまとめる
答え:$(x – 2)^2 – 3$
x²の係数が1でない場合
$x^2$ の係数が $1$ でないときは、まず係数でくくり出す。
例題:$2x^2 + 8x + 5$ を平方完成せよ
$x^2$ の係数でくくる
定数項の $5$ はくくらない。$x^2$ と $x$ の項だけをくくる。
カッコ内を平方完成する
カッコ内の $x^2 + 4x$ について:係数 $4 \div 2 = 2$、$2^2 = 4$
カッコを展開して整理する
$2 \times (-4) = -8$ を忘れずに。
答え:$2(x + 2)^2 – 3$
平方完成の公式
手順を一般化すると、次の公式が得られる。
ただし、公式を丸暗記するよりも、「係数を半分にして2乗」という手順を体で覚える方が確実である。
よくある間違いと対策
間違い:係数を半分にし忘れる
$x^2 + 6x$ → $6^2 = 36$ を足す(×)
対策:必ず「半分にしてから2乗」の順番を守る。$6 \div 2 = 3$、$3^2 = 9$ が正しい。
間違い:引き算を忘れる
$x^2 + 6x + 5 = (x+3)^2 + 5$(×)
対策:足した数は必ず引く。「$+9 – 9$」をセットで書く習慣をつける。
間違い:くくった係数の処理ミス
$2(x^2 + 4x + 4 – 4) = 2(x+2)^2 – 4$(×)
対策:カッコ内の $-4$ にも係数 $2$ がかかる。$2 \times (-4) = -8$ を忘れない。
この単元のよくある質問
Q. なぜ係数を「半分」にするのですか?
A. 展開公式 $(x+a)^2 = x^2 + 2ax + a^2$ を逆に使うためです。$x^2 + 6x$ を $(x+a)^2$ の形にするには、$2a = 6$ つまり $a = 3$ となります。だから係数を半分にするのです。
Q. 「足して引く」をしても式の値は変わらないのですか?
A. 変わりません。$+9 – 9 = 0$ なので、何も足していないのと同じです。式の「見た目」だけを変えているのが平方完成です。
Q. 平方完成は二次方程式を解くとき以外にも使いますか?
A. 使います。二次関数 $y = ax^2 + bx + c$ の頂点を求めるときに必須です。平方完成すると $y = a(x-p)^2 + q$ の形になり、頂点が $(p, q)$ だとすぐにわかります。
練習問題
まとめ
この記事では、平方完成の方法について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- 平方完成とは、二次式を $(x + a)^2 + b$ の形に変形すること
- 手順は「係数を半分にして2乗 → その数を足して引く → ( )² にまとめる」
- $x^2$ の係数が1でないときは、まず係数でくくり出す
- 「足した数は必ず引く」を忘れないこと
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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