「$\sqrt{2} = 1.41421356…$」と暗記したものの、いざ計算問題になると使い方がわからない——そんな経験はないだろうか。
近似値を覚えても、「どの桁まで使えばいいのか」「かけ算やわり算でどう処理するのか」が曖昧なままでは、テストで手が止まってしまう。
実は、近似値の活用にはたった3つのルールを押さえるだけで十分である。この記事では、$\sqrt{2}$、$\sqrt{3}$、$\sqrt{5}$ の近似値を使った計算が確実にできるようになるまで、順を追って解説する。
そもそも平方根の近似値とは?
平方根の近似値とは、無限に続く小数を、計算しやすい桁数で打ち切った値のことである。
無理数である $\sqrt{2}$ や $\sqrt{3}$ は、小数で表すと無限に続き、循環もしない。そのため、実際の計算では適当な桁で区切る必要がある。
中学数学で覚えておくべき近似値は、以下の3つである。
| 平方根 | 近似値 | 覚え方 |
|---|---|---|
| $\sqrt{2}$ | $1.414$ | 「ひとよひとよに」(1.41421356…) |
| $\sqrt{3}$ | $1.732$ | 「ひとなみにおごれや」(1.7320508…) |
| $\sqrt{5}$ | $2.236$ | 「ふじさんろく」(2.2360679…) |
近似値の桁数は、問題文で「小数第○位まで求めよ」と指定されることが多い。指定がなければ、小数第3位まで(4桁)を使うのが一般的である。
近似値の使い方を図で理解する
$\sqrt{2}$ がどのような値なのか、数直線上で確認しよう。下のアニメーションでは、$\sqrt{2}$ の位置と近似値 $1.414$ の関係を視覚的に示している。
このように、$\sqrt{2} \approx 1.414$ は数直線上の $1$ と $2$ の間、$1.4$ より少し大きい位置にある。
近似値を使った計算の3つのルール
近似値を使って計算するときは、以下の3つのルールを守ることで正確に答えが出せる。
平方根をそのまま近似値に置き換える
$\sqrt{2}$、$\sqrt{3}$、$\sqrt{5}$ をそれぞれ $1.414$、$1.732$、$2.236$ に置き換えて計算する。
変形してから近似値を代入する
$\sqrt{8}$ や $\sqrt{12}$ のような値は、まず $\sqrt{8} = 2\sqrt{2}$ のように変形してから近似値を代入する。
答えの桁数は問題の指示に従う
「小数第2位まで求めよ」と指示されたら、小数第3位を四捨五入する。
例題で手順を確認する
例題1:基本の代入
問題:$\sqrt{2} = 1.414$ として、$3\sqrt{2}$ の近似値を求めよ。
$\sqrt{2}$ を $1.414$ に置き換えて、そのまま計算するだけである。
例題2:変形してから代入
問題:$\sqrt{2} = 1.414$ として、$\sqrt{8}$ の近似値を求めよ。
$\sqrt{8}$ を変形する
近似値を代入する
$\sqrt{8}$ に直接近似値を当てはめることはできない。必ず $\sqrt{2}$、$\sqrt{3}$、$\sqrt{5}$ のいずれかが含まれる形に変形する。
例題3:分数を含む場合
問題:$\sqrt{3} = 1.732$ として、$\dfrac{6}{\sqrt{3}}$ の近似値を求めよ。
分母を有理化する
近似値を代入する
分母に $\sqrt{}$ があるときは、必ず有理化してから近似値を代入する。有理化せずに $\dfrac{6}{1.732}$ を計算すると、計算が複雑になり誤差も大きくなる。
変形パターンを図で整理する
$\sqrt{2}$、$\sqrt{3}$、$\sqrt{5}$ を使って表せる平方根を、下の図で確認しよう。
この表を参考に、問題で与えられた平方根をどう変形すべきかを判断しよう。
よくある質問と答え(FAQ)
Q. 近似値は何桁まで覚えればいいですか?
A. 中学数学では小数第3位まで($\sqrt{2} \approx 1.414$、$\sqrt{3} \approx 1.732$、$\sqrt{5} \approx 2.236$)を覚えておけば十分です。問題で「小数第○位まで求めよ」と指定された場合は、それより1桁多い近似値を使って計算し、最後に四捨五入します。
Q. √7 や √11 の近似値を求めるときはどうすればいいですか?
A. $\sqrt{7}$ や $\sqrt{11}$ のように $\sqrt{2}$、$\sqrt{3}$、$\sqrt{5}$ で表せない値は、問題文で近似値が与えられます。与えられた値をそのまま使って計算してください。自分で近似値を求める必要はありません。
Q. 近似値を使うとき、分母の有理化は必ず必要ですか?
A. はい、分母に平方根がある場合は必ず有理化してから近似値を代入してください。有理化せずに計算すると、割り算の桁数が増えて計算ミスの原因になります。例えば $\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ は $\dfrac{\sqrt{2}}{2}$ に直してから $\dfrac{1.414}{2} = 0.707$ と計算します。
よくある間違いと対策
変形せずにそのまま代入する
❌ $\sqrt{8} = 1.414 \times 4 = 5.656$(間違い)
✅ $\sqrt{8} = 2\sqrt{2} = 2 \times 1.414 = 2.828$(正しい)
$\sqrt{8}$ は $\sqrt{2}$ の8倍ではない。$\sqrt{8} = \sqrt{4 \times 2} = 2\sqrt{2}$ と変形してから代入する。
有理化を忘れる
❌ $\dfrac{1}{\sqrt{2}} = \dfrac{1}{1.414} = 0.707…$(計算が面倒)
✅ $\dfrac{1}{\sqrt{2}} = \dfrac{\sqrt{2}}{2} = \dfrac{1.414}{2} = 0.707$(簡単)
答えは同じになるが、有理化してから計算する方が圧倒的にミスが少ない。
四捨五入の位置を間違える
❌ 「小数第2位まで」→ 小数第2位で四捨五入(間違い)
✅ 「小数第2位まで」→ 小数第3位で四捨五入(正しい)
「小数第2位まで求めよ」は、小数第2位までを残すという意味。第3位を四捨五入して切り捨てる。
練習問題
以下の近似値を使って計算せよ。
$\sqrt{2} = 1.414$、$\sqrt{3} = 1.732$、$\sqrt{5} = 2.236$
まとめ
この記事では、平方根の近似値の使い方について学んだ。ポイントは以下の通りである。
- $\sqrt{2} \approx 1.414$、$\sqrt{3} \approx 1.732$、$\sqrt{5} \approx 2.236$ を覚える
- $\sqrt{8}$ や $\sqrt{12}$ は、$\sqrt{2}$、$\sqrt{3}$、$\sqrt{5}$ を含む形に変形してから代入する
- 分母に平方根があるときは、必ず有理化してから近似値を代入する
Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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