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【平方根】分母の有理化【alg-sqrt-009】【必須】

分母ぶんぼに$\sqrt{}$があるとき、どうやって消すの?」と悩んでいないだろうか。

テストで$\dfrac{1}{\sqrt{2}}$のような答えを書いたら、「有理化ゆうりかしなさい」と赤ペンで直された経験がある人も多いはずである。有理化の手順を知らないと、せっかく正しく計算しても減点されてしまう。

実は、分母の有理化は「分母と同じものを上下にける」というたった1つのルールを守るだけである。この記事では、なぜそうするのか、どう計算するのかを図解とアニメーションで順を追って解説する。

対象:中学3年 所要時間:約8分
目次

そもそも「分母の有理化」とは?

分母の有理化とは、分母にある根号こんごう($\sqrt{}$)を消して、整数せいすう分数ぶんすうの形にすることである。

有理数ゆうりすうとは、分数の形($\dfrac{整数}{整数}$)で表せる数のことである。$\sqrt{2}$や$\sqrt{3}$は分数で表せない無理数むりすうなので、それを分母から消す作業を「有理化」と呼ぶ。

具体的に見てみよう。

$$\frac{1}{\sqrt{2}} \quad \rightarrow \quad \frac{\sqrt{2}}{2}$$

左の式は分母が$\sqrt{2}$(無理数)だが、右の式は分母が$2$(整数)になっている。これが有理化である。

なぜ有理化が必要なのか?

  • 分母が整数の方が、値の大きさをイメージしやすい
  • 他の式と足し算・引き算するときに計算しやすい
  • 数学のルールとして「答えは有理化した形で書く」と決まっている

有理化の仕組みを図で理解する

有理化のかぎとなるのは、次の公式である。

$$\sqrt{a} \times \sqrt{a} = a$$

$\sqrt{2} \times \sqrt{2} = 2$、$\sqrt{3} \times \sqrt{3} = 3$のように、同じルートを2回掛けると根号が消える。

この性質を使って、分母の根号を消す。具体的には、分母と分子の両方に同じ$\sqrt{}$を掛ける

アニメーションで確認したように、$\dfrac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}} = 1$ なので、これを掛けても分数の値は変わらない。しかし分母では $\sqrt{2} \times \sqrt{2} = 2$ となり、根号が消える。これが有理化の仕組みである。

有理化の手順

1

分母の根号を確認する

分母にある$\sqrt{}$の中身を見る。

例:$\dfrac{3}{\sqrt{5}}$ なら、分母は$\sqrt{5}$

2

分母と同じ根号を、分子と分母の両方に掛ける

$\dfrac{3}{\sqrt{5}} \times \dfrac{\sqrt{5}}{\sqrt{5}}$ の形にする。

$\dfrac{\sqrt{5}}{\sqrt{5}} = 1$ なので、分数の値は変わらない。

3

分子と分母をそれぞれ計算する

分子:$3 \times \sqrt{5} = 3\sqrt{5}$

分母:$\sqrt{5} \times \sqrt{5} = 5$

4

答えを書く

$\dfrac{3\sqrt{5}}{5}$

分母が整数になったので、有理化完了。

例題で確認しよう

例題1(基本)

$\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ を有理化せよ。

$$\begin{aligned} \frac{1}{\sqrt{3}} &= \frac{1}{\sqrt{3}} \times \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{3}} \\[8pt] &= \frac{1 \times \sqrt{3}}{\sqrt{3} \times \sqrt{3}} \\[8pt] &= \frac{\sqrt{3}}{3} \end{aligned}$$

分母と分子に$\sqrt{3}$を掛けた。分母は$\sqrt{3} \times \sqrt{3} = 3$となり、整数になった。

例題2(分子に数がある場合)

$\dfrac{6}{\sqrt{2}}$ を有理化せよ。

$$\begin{aligned} \frac{6}{\sqrt{2}} &= \frac{6}{\sqrt{2}} \times \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}} \\[8pt] &= \frac{6 \times \sqrt{2}}{\sqrt{2} \times \sqrt{2}} \\[8pt] &= \frac{6\sqrt{2}}{2} \\[8pt] &= 3\sqrt{2} \end{aligned}$$

最後に$\dfrac{6}{2} = 3$と約分やくぶんすることを忘れずに。

例題3(分母に係数けいすうがある場合)

$\dfrac{4}{3\sqrt{2}}$ を有理化せよ。

$$\begin{aligned} \frac{4}{3\sqrt{2}} &= \frac{4}{3\sqrt{2}} \times \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}} \\[8pt] &= \frac{4\sqrt{2}}{3 \times \sqrt{2} \times \sqrt{2}} \\[8pt] &= \frac{4\sqrt{2}}{3 \times 2} \\[8pt] &= \frac{4\sqrt{2}}{6} \\[8pt] &= \frac{2\sqrt{2}}{3} \end{aligned}$$

分母の$3$はそのまま残り、$\sqrt{2}$だけが$2$になる。最後に約分して$\dfrac{2\sqrt{2}}{3}$が答え。

有理化のパターンを視覚化

ボタンを押して、3つのパターンを確認しよう。どのパターンでも「分母の根号と同じものを上下に掛ける」という基本は同じである。

よくある間違いと対策

分子だけに$\sqrt{}$を掛けてしまう

$\dfrac{1}{\sqrt{2}} \rightarrow \dfrac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}}$(間違い)

分子と分母の両方に掛けないと、分数の値が変わってしまう。$\dfrac{1}{\sqrt{2}} \times \dfrac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}} = \dfrac{\sqrt{2}}{2}$ が正解。

約分を忘れる

$\dfrac{6}{\sqrt{2}} = \dfrac{6\sqrt{2}}{2}$(ここで止まってしまう)

$\dfrac{6}{2} = 3$ と約分できるので、答えは $3\sqrt{2}$。約分できるかどうか必ず確認しよう。

分母の係数にも根号を掛けてしまう

$\dfrac{1}{2\sqrt{3}} \times \dfrac{\sqrt{3}}{\sqrt{3}} = \dfrac{\sqrt{3}}{2\sqrt{3} \times \sqrt{3}} = \dfrac{\sqrt{3}}{2 \times 3} = \dfrac{\sqrt{3}}{6}$(正解)

係数の$2$はそのまま残る。$\sqrt{3} \times \sqrt{3} = 3$となり、$2 \times 3 = 6$が分母になる。

この単元のよくある質問

Q. なぜ分母を有理化しないといけないのですか?

A. 数学では「答えはできるだけ簡単な形で書く」というルールがあります。分母が整数の方が計算しやすく、値の大きさもイメージしやすいため、有理化した形を「正式な答え」として扱います。テストでは有理化していないと減点されることが多いです。

Q. √2/√2 を掛けても値が変わらないのはなぜですか?

A. √2/√2 = 1 だからです。どんな数に1を掛けても値は変わりません。これを利用して、分数の見た目だけを変えているのが有理化の仕組みです。

Q. 分母が √2 + 1 のような形のときはどうすればいいですか?

A. その場合は「√2 – 1」を上下に掛けます。これを「共役な式を掛ける」といいます。(√2 + 1)(√2 – 1) = 2 – 1 = 1 となり、分母が整数になります。この方法は高校で詳しく学びます。

練習問題

問1. $\dfrac{1}{\sqrt{5}}$ を有理化せよ。
問2. $\dfrac{8}{\sqrt{2}}$ を有理化せよ。
問3. $\dfrac{6}{2\sqrt{3}}$ を有理化せよ。

まとめ

この記事では、分母の有理化について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • 有理化とは、分母の根号を消して整数にすること
  • やり方は「分母と同じ$\sqrt{}$を、分子と分母の両方に掛ける」
  • $\sqrt{a} \times \sqrt{a} = a$ で根号が消える
  • 最後に約分できるか確認すること

有理化は、公式を覚えるより「なぜそうするか」を理解することが大切である。仕組みがわかれば、どんな問題でも迷わず解ける。

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