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【平方根】平方根の除法(わり算)【alg-sqrt-008】【必須】

平方根のかけ算はできるようになったのに、わり算になった途端に手が止まる——そんな経験はないだろうか。

「分数の中に√が入ると、どう計算すればいいかわからない」「√6÷√2 と √6÷√3 で、答えの形が違うのはなぜ?」といった疑問を抱えたまま、なんとなく公式を暗記していないだろうか。

実は、平方根の除法じょほう(わり算)は、かけ算とほぼ同じルールで解ける。この記事では、その仕組みを図解とアニメーションで徹底的に理解し、「見た瞬間に手が動く」状態を目指す。

対象:中学3年 所要時間:約12分
目次

そもそも平方根の除法とは?

平方根の除法とは、√がついた数同士のわり算のことである。例えば、次のような計算を指す。

$$\sqrt{6} \div \sqrt{2}, \quad \frac{\sqrt{12}}{\sqrt{3}}, \quad \sqrt{18} \div \sqrt{6}$$

除法じょほうとは「わり算」のことである。数学では「加法(たし算)」「減法(ひき算)」「乗法(かけ算)」「除法(わり算)」と呼ぶ。

平方根の除法には、かけ算と同様に便利な公式こうしきがある。

$$\sqrt{a} \div \sqrt{b} = \sqrt{\frac{a}{b}} = \frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}}$$

この公式が成り立つ理由を、具体的な数値で確認してみよう。

具体例で確認

$\sqrt{12} \div \sqrt{3}$ を2通りの方法で計算してみる。

方法1:先に√の中を計算する

$$\sqrt{12} \div \sqrt{3} = \sqrt{12 \div 3} = \sqrt{4} = 2$$

方法2:それぞれの値を求めてからわる

$$\sqrt{12} \div \sqrt{3} = \sqrt{12} \times \frac{1}{\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{12}}{\sqrt{3}} = \frac{2\sqrt{3}}{\sqrt{3}} = 2$$

どちらの方法でも答えは $2$ になる。つまり、√の中でわり算をしても、√同士でわり算をしても、結果は同じである。

平方根の除法を図で理解する

平方根の除法がなぜ成り立つのか、面積の図で視覚的に理解しよう。

面積で考えると、「面積12の正方形」を「面積3の正方形」でわると、4個分になる。これは $12 \div 3 = 4$ に対応している。

1辺の長さで考えると、$\sqrt{12} \div \sqrt{3} = \sqrt{4} = 2$ となる。√の中身同士でわり算ができるというルールが、面積の関係から自然に導かれる。

平方根の除法の計算手順

平方根の除法には、主に2つのパターンがある。それぞれの手順を確認しよう。

パターン1:√同士のわり算

$\sqrt{a} \div \sqrt{b}$ の形の計算である。

1

√の中身同士をわる

$\sqrt{a} \div \sqrt{b} = \sqrt{a \div b} = \sqrt{\dfrac{a}{b}}$ と変形する。

2

√の中を簡単にする

わり算を実行し、できるだけ簡単な数にする。

3

√を簡単にする(√の外に出せる数があれば出す)

$\sqrt{4} = 2$, $\sqrt{9} = 3$ のように整数になる場合は計算する。

例題1

$\sqrt{18} \div \sqrt{2}$ を計算せよ。

$$\begin{aligned} \sqrt{18} \div \sqrt{2} &= \sqrt{18 \div 2} \\[8pt] &= \sqrt{9} \\[8pt] &= 3 \end{aligned}$$

$18 \div 2 = 9$ であり、$\sqrt{9} = 3$ と整数になる。

例題2

$\sqrt{30} \div \sqrt{5}$ を計算せよ。

$$\begin{aligned} \sqrt{30} \div \sqrt{5} &= \sqrt{30 \div 5} \\[8pt] &= \sqrt{6} \end{aligned}$$

$30 \div 5 = 6$ であり、$\sqrt{6}$ はこれ以上簡単にならない。

パターン2:係数けいすうがついた平方根のわり算

$a\sqrt{m} \div b\sqrt{n}$ の形の計算である。

1

係数同士、√同士に分けて考える

$a\sqrt{m} \div b\sqrt{n} = \dfrac{a}{b} \times \dfrac{\sqrt{m}}{\sqrt{n}}$ と考える。

2

係数をわる

$\dfrac{a}{b}$ を計算する。約分できる場合は約分する。

3

√の中身をわる

$\dfrac{\sqrt{m}}{\sqrt{n}} = \sqrt{\dfrac{m}{n}}$ と変形する。

4

結果をまとめる

係数と√を組み合わせて答えを書く。

例題3

$6\sqrt{10} \div 2\sqrt{5}$ を計算せよ。

$$\begin{aligned} 6\sqrt{10} \div 2\sqrt{5} &= \frac{6}{2} \times \frac{\sqrt{10}}{\sqrt{5}} \\[8pt] &= 3 \times \sqrt{\frac{10}{5}} \\[8pt] &= 3 \times \sqrt{2} \\[8pt] &= 3\sqrt{2} \end{aligned}$$

係数けいすうは $6 \div 2 = 3$、√の中身は $10 \div 5 = 2$ となる。

例題4

$12\sqrt{6} \div 4\sqrt{3}$ を計算せよ。

$$\begin{aligned} 12\sqrt{6} \div 4\sqrt{3} &= \frac{12}{4} \times \frac{\sqrt{6}}{\sqrt{3}} \\[8pt] &= 3 \times \sqrt{\frac{6}{3}} \\[8pt] &= 3 \times \sqrt{2} \\[8pt] &= 3\sqrt{2} \end{aligned}$$

除法の計算過程をアニメーションで確認

係数つきの平方根の除法を、ステップごとに確認しよう。

ステップ 1/5

このように、係数と√を分けて考えれば、複雑に見える計算も1つずつ処理できる。

わり切れない場合の処理

√の中身がわり切れない場合はどうするか。この場合は分数の形で答える

例題5

$\sqrt{5} \div \sqrt{3}$ を計算せよ。

$$\begin{aligned} \sqrt{5} \div \sqrt{3} &= \frac{\sqrt{5}}{\sqrt{3}} \\[8pt] &= \sqrt{\frac{5}{3}} \end{aligned}$$

$\sqrt{\dfrac{5}{3}}$ と $\dfrac{\sqrt{5}}{\sqrt{3}}$ は同じ値を表す。どちらの形で答えてもよいが、問題の指示に従うこと。

ただし、分母に√がある形は「有理化ゆうりか」が必要になる場合がある。有理化については別の記事で詳しく解説する。

よくある質問と答え(FAQ)

Q. √6÷√2 は √3 で合っていますか?

A. 合っている。$\sqrt{6} \div \sqrt{2} = \sqrt{6 \div 2} = \sqrt{3}$ である。√の中身同士をわり算すればよい。

Q. 係数と√の中身を両方わるのはなぜですか?

A. $6\sqrt{10}$ は「6と√10のかけ算」なので、$6\sqrt{10} \div 2\sqrt{5}$ は $\dfrac{6 \times \sqrt{10}}{2 \times \sqrt{5}}$ と同じである。分数の形にすると、分子・分母それぞれで約分できることがわかる。

Q. √の中がわり切れないときはどうすればいいですか?

A. 分数の形で答える。$\sqrt{5} \div \sqrt{3} = \sqrt{\dfrac{5}{3}}$ または $\dfrac{\sqrt{5}}{\sqrt{3}}$ となる。分母の有理化が必要かどうかは問題の指示に従うこと。

よくある間違いと対策

平方根の除法でよくある間違いを3つ紹介する。

間違い1:係数だけわって√を忘れる

$$6\sqrt{10} \div 2\sqrt{5} = 3 \quad \text{(×)}$$

正しくは $6\sqrt{10} \div 2\sqrt{5} = 3\sqrt{2}$ である。

対策:係数と√は別々に計算し、最後に組み合わせる。「係数→√→まとめる」の順番を守ろう。

間違い2:√の中身を引き算してしまう

$$\sqrt{18} \div \sqrt{2} = \sqrt{18-2} = \sqrt{16} = 4 \quad \text{(×)}$$

正しくは $\sqrt{18} \div \sqrt{2} = \sqrt{18 \div 2} = \sqrt{9} = 3$ である。

対策:除法(わり算)は「÷」であり「−」ではない。√の中身はわる

間違い3:答えの√を簡単にし忘れる

$$\sqrt{50} \div \sqrt{2} = \sqrt{25} \quad \text{(△ 途中まで正しいが不完全)}$$

正しくは $\sqrt{50} \div \sqrt{2} = \sqrt{25} = 5$ である。

対策:計算の最後に「√の中身は整数の2乗になっていないか?」を確認する。

除法のパターンを視覚化

いくつかの除法のパターンを切り替えて確認してみよう。

ボタンを押して、それぞれのパターンの計算過程を確認しよう。

練習問題

問1. $\sqrt{20} \div \sqrt{5}$ を計算せよ。
問2. $\sqrt{42} \div \sqrt{7}$ を計算せよ。
問3. $10\sqrt{14} \div 5\sqrt{2}$ を計算せよ。

まとめ

この記事では、平方根の除法(わり算)について学んだ。ポイントは以下の通りである。

  • $\sqrt{a} \div \sqrt{b} = \sqrt{\dfrac{a}{b}}$(√の中身同士をわる)
  • 係数つきの場合は、係数同士と√同士を別々に計算する
  • 答えが整数の2乗になっていたら、√を外す
  • わり切れない場合は分数の形で答える

かけ算と同じ考え方なので、セットで覚えておくと効率がよい。練習問題を繰り返して、計算に慣れていこう。

Core-dorill— 基礎を、何度でも。

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